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| 2000年05月17日(水) |
変態記念になりますかどうか。 |
武蔵が家の事で悩んで悩んで悩んだ末に分裂しました。 その後、大工として家業手伝いの武蔵と高校生ムサシが存在しております。
「たまには学校に行っておきたい」 「仕事しねぇと腕が鈍る」 2人が同時にそう言い出した時は互いの役割を交換する。普段大工として働いていた体を慣れない制服に包み、制服姿が板についた若い体で仕事着をまとう。中身も外見も同じ2人は割りに意気投合しているために、役の交換もスムーズに済む。 周りは特に気が付かない。
けれどヒル魔には違和感がある。
授業中に感じる視線。隣の席から、こちらへの視線。 「前向けよ」 「お前、ほんとに学生なんだなあ」 何が面白いのか、教師に注意されても武蔵は真横を向いて過ごす。 何時間もそれが続き息苦しさを感じる4時間目。ヒル魔は部室へと逃げ込んでいた。 武蔵とムサシは一見似ていて、その中身が全く違う。ムサシはやっぱり子供臭くて武蔵はとても親父臭い。何が2人を分けているのか、どこでそれを覚えて来たのか、間近で見ているヒル魔にとって2人の違いは歴然としていた。
セックスのやり方さえもが全く違う。
こうして、部室に逃げて来たのにどうかぎつけたのか武蔵がいる。周りに誰もいないと分かると、とたんにべたべたと触ってきやがり、結局その手に喘がされている。手癖が悪い。態度も悪い。頭が悪い癖に、つまらない事はすぐに覚える。 ヒル魔のどこを触れば良いのか。 ヒル魔を喘がすにはどうすればいいのか。
武蔵のやり方は何もかもいやらしい。話し方、触り方、動き方まで全部がそうだ。遅い。のろい。最悪な程に意地が悪い。抵抗するのも時間の無駄で、盛っているのはいつも一緒で、だからさっさと服を脱ぎ、さっさと抱き合い挿入したい。けれど武蔵はそれが長い。 ムサシとのセックスは何をしていても余裕がある。支配権を握っているのはいつもヒル魔だという自覚もある。流されはしない。好きなようにもさせはしない。追い立てられるように抱き合って、すぐに始まりすぐに終わる。勢いがイイ。無駄に時間をとらないのがイイ。さっぱり、あっさり、それを何度も。 馬鹿みたいにおっ勃てているムサシを誘導するのは容易い。力強く打ち付けられて、その勢いに快感を散らす。
けれど武蔵にはそれが無い。
後ろから抱きすくめられて、制服の上からしつこく触られる。脚が崩れそうになって、壁と机に手をついて支える。結局もどかしさに負けて、ヒル魔が脱いで武蔵を迎える。万事が万事この調子だから武蔵相手は調子が狂う。 武蔵は自分で動かない。ヒル魔が焦れるまで待って、ヒル魔を思うように操る。隠しておきたい色々な事が、武蔵の目の前ではごまかせなくあんる。何も言わないその目の前では、ヒル魔は自ら暴露してしまう。
「気持ち、イーのか」
ヒル魔がよりかかった肩越しに武蔵が掠れた声で聞く。聞くな、馬鹿。そう答えてやれる程の余裕はヒル魔には無い。肌を見せつけるかのように大きくはだけた胸元で武蔵の両手が離れない。
「しっ……つ、けっ……」
ヒル魔は自分でベルトを外す。武蔵がいつまでも触らないから、苛つきながら自分で引き出す。すぐに射精してしまわないように、気をつかいながら指をからめる。武蔵はムサシよりも遅い。ムサシが早すぎるだけなんだろうか。代わりにあいつは回数あるよな、と気を逸らすために考える。 片手で自分を慰めながら、片手で武蔵の物を探る。ジッパーを下げて指を潜らせるとすぐに硬い物がついて来る。両手で互いの雄を撫で、さっさと入れろと小さく呻いた。
「お前は堪え性がねえんだよ」
片手が胸からようやく離れ、ヒル魔の挿入口を撫でる。器用に片手でゴムをはめつつ、ヒル魔の先から溢れた液や唾液で後ろを解して武蔵はそこにすぐに突っ込む。慣らしが足りないとヒル魔は責めて、武蔵はそれに平気だと答える。 突っ込まれんのはてめぇじゃ、ねえだろ。いつもの軽口の余裕も無い。 コレのサイズは一緒なんだろうか。ムサシも武蔵もそれなりに、でかい。ムサシはそれを自覚しているのか、いつもじっくり慣らしてくれる。武蔵は対してあまりに短い。それでも出血した事はなく、文句を言っても受け止めてもらえない。 ムサシが急いで挿入した時は、酷く痛い時があるから、これは武蔵が上手いという事か。多分ムサシの方よりも、武蔵の方がセックスは上手い。 より正確に言うのならば、ヒル魔の体の扱い方が上手い。
武蔵はあまり腰を使わず、ゆっくり根元までを埋めた後にそこで一度息を吐く。ヒル魔はそれがもどかしい。ムサシに比べれば行為は酷く大人しい。ねっとりと動き、じっくりと責める。激しくもなく強くもなく。小刻みな程のゆすり上げだけでヒル魔の中をさんざん突つき、両手でヒル魔の肌を撫でる。指の先を舐め、耳元で囁き、首から胸へ、胸から腹へ。腹から脚へ。器用な程に時間をかけて、悪趣味な程に焦れったい。 欲しい所を突いてもらえず、いつもヒル魔は腰を揺らす。 背後に立っている武蔵に対して重心を預け腰を突き出す。そんな姿勢でバランスを取るため、自然に脚は大きく開き、時には椅子や机にも乗る。武蔵の腰の位置が低いために。深い挿入を欲しがるあまりヒル魔の体は淫らに開く。 腰を落とし、脚を広げ、それでも届かない奥が疼く。
「ぁんっ……」 「あんまこっちに下がってくんなよ」
もっと奥まで突いて欲しくて、ねだるように声を漏らす。
武蔵のやり方はねっとりといやらしい。 ムサシの様には、動かない。 ムサシのようには、動いてくれない。 突き上げるよりも揺すりあげる。押し付けるよりもかき回される。欲しい刺激が物足りなくて、ヒル魔の体が自ら沈む。武蔵を欲して根元までを飲み込みつくす。それでも足りない、と声でねだる。 肉の擦れる勢いと荒さと強さで一気に終わる、ムサシのやり方とは全く違う。
ゆっくり腰を揺する合間に武蔵の両手はヒル魔の上を忙しく動く。待ち焦がれている中の疼きを増長するような外からの愛撫。それにヒル魔は声もなく悶える。
ムサシとのセックスは1回が短い。回数を楽しみ、勢いを楽しむ。 武蔵とのセックスは1回が長い。長い長い時間をかけて、全身の快感が武蔵によって絞りだされる。軽い射精感が何度も訪れ、絶頂までがとても長い。 指を嚼まれ、胸を弄られ、それを気持ちイイと感じると邪魔をするように腰を使う。射精するために集中すると、また指先を意地悪く嚼む。
「あ……っん……、ぁっ……」
ゆっくり坂を登っていくのに何度もそんな邪魔が入る。思うようにいかない疼きを補うためにヒル魔は乱れる。腰を振って指をからめる。自分を追い上げるために喘ぐ。そうして、それらが武蔵によってやんわり中断させられるからいつも最後は哀願する。 イかせて欲しい、と声に出す。
「もっ……やめっ、ろっ……」 「何だ。触られるのがいやか?」
胸の突起の先端をくすぐるように遊びながらヒル魔に尋ねる武蔵の声は余裕があって腹が立つ。
「へん、たぃ……っ、……ひっ……」
機嫌を損ねたらしい武蔵が敏感なそこに爪を立てた。武蔵を飲み込んだままの場所が耐えかねたように武蔵を締める。脚の付け根や触れあう臀部に、武蔵の肌の感触が伝わる。そこに混じるちりちりとした体毛の具合にさえ煽られる。 遅いと感じる快感の高まりにヒル魔の感覚は次第に麻痺する。射精のためには勢いが必要で、こんな状態ではとてもイけない。例えどれだけ感じていても、例えどれだけ高まっていても、のろりのろりと高まるばかりで気持ちイイのに射精が遠い。
全然足りない。もっと欲しい。
武蔵はそれを知っているからヒル魔をすぐに楽にはさせない。追い上げるだけ追い上げて、ヒル魔をイけないままでよがらせて、身悶えさせて懇願を待つ。
「う……ごけ、よっ……」
ヒル魔の両手が自身をなぞる。こすりあげながら、ヒル魔がねだる。願う事を声に出せば武蔵が喜ぶと知っているからだ。ムサシとだったら、もっと楽なのに。薄れる意識で2人をくらべる。もっと、もっと楽なのに。楽でキモチヨクなれるのに。 けれど、体がうけとめる快感の強さは段違いだ。 武蔵とのセックスはどろどろに溶ける。ムサシとのセックスは気持ち良く弾ける。 どちらも、イイ。苦しい程、イイ。
「考え事してんのが悪いんじゃねえか?」 「ひっ……ぃ、やあっ……」
ヒル魔が動かす両手の上から武蔵の両手がかぶさり動く。片手はヒル魔の指を剥がし、片手はヒル魔の根元を押さえる。押さえたままでくびれをなぞり弱い部分をくすぐり責める。
「あっ、ぁ、ぁあっ……、っ…………!」
塞き止められた状態で、ヒル魔が仰け反り軽くはてる。実際吐き出してはいないので、射精の感覚は途中で止まる。出口を失い逆流している体液の感触は一体どんなものなのだろうか。瞬間気持ち良さそうに喘ぎ、その後苦しそうにヒル魔は喘ぐ。そんなヒル魔を見るのが武蔵は好きだ。いつもはツンとすましたヒル魔を喘がせるのはとての楽しい。 腕の中の体重が増し、しばらくの間ヒル魔は脱力したまま喘ぐ。眉間に皺を寄せたまま、目をつむり余韻と寸止めに耐えるヒル魔を揺らして起こす。ムサシがいれば、ここで終わる。ヒル魔はムサシの口の中に、さっさと吐き出しすっきりと喘ぐ。
あの男はわかっていねえ。 ここから先がどれだけ楽しい事なのか。
「終わるにゃ、まだちょっと早いんじゃねぇか」
腰を揺するとヒル魔が呻く。ヒル魔の根元をつかんだままの武蔵の指に爪を立てる。力の入らないそんな抵抗に武蔵は腰を揺らして答える。
「っ、んっ……ぅ……」
切なそうな表情でヒル魔が腕の中で泣く。せっかく2人きりの行為。せっかく邪魔の入らないセックス。存分にヒル魔を喘がせてやりたい。ムサシと比べられない程に、気持ちイイと鳴かせてやりたい。啜り泣くようなヒル魔の声は、本当に久しぶりに聞く声で。武蔵はヒル魔を目の前の机へ押し上げてやった。 上体を鉄の机に突っ伏させてやり、ヒル魔がそうしていたように片膝を手近な椅子の上に置く。体に力の入らないヒル魔はされるままでとても愛しい。当分やらなくても平気なぐらい、気持ちよくしてやるからな。
ヒル魔が余韻からさめるように軽く腰を揺すり続ける。今日はどれ程鳴いてくれるか。思うだけで武蔵は自然に笑みが浮んだ。
やまだ
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