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2000年01月24日(月) [男の体に☆泡を盛れ]7000ヒット御礼

くたりと腕の中で幸せそうに体を預けてくるヒル魔の首筋に、武蔵もまた額を落とした。
何をする訳でも無く、ただそばにいる事が楽しい。
今まで飢えていたような気持ちが満たされて、目の前に滲む。


手に入れられると思わなかった物。自分に向けられる事なんて無いと思っていた物をくれる、腕の中の存在。
この気持ちを伝えてやりたいと思うのに、何と言えばいいだろうと考えた。
自分の中になかった言葉。口に出すのもはずかしい陳腐な台詞。
思い浮かぶ言葉は全部どれもが正しく無い気がして武蔵は困惑した。

難しいもんだ。
好きとかそんなもんじゃなくて。
もっと、こう。

言葉がみつからない。
それが嬉しいって事もあるんだなと思って、自然に腕に力が入った。
細すぎると思う程の背中をなでて、ふと手のひらに慣れない感触を覚えた。
通常、あまり汗ばむ事を知らないヒル魔の肌に布がぬるりと貼り付いている。
手の平で強く撫でるとそこに指の形のシミが広がった。

こんなとこにまで。

武蔵はヒル魔の髪をなでた。べたべたした物が絡まるそこは、指の流れをさまたげる。
優しく髪をすいてやりたいのに。髪ごしにぐしゃぐしゃと撫でてやると、細い糸が絡まってもつれた。
少し体を離して見下ろしたヒル魔の姿は、痛々しいほどひどい有り様だ。
俯いた顔以外にも散らばった白。
首の後ろ。そこから背中に垂れている。
多分、シャツの下にはべっとりと垂れているんだろう。
腹の下から、中途に脱げたままの下着の下にまで白は伸びていた。
着ている服は、もう使い物にならないと思わせるほど酷い有り様だ。
どろどろにクリームにまみれたそれは、さぞ着心地が悪いだろう。
謝るより先にヒル魔を着替えさせてやりたくて、武蔵はもたれ掛かってくる肩を押した。
嫌がるように背中の腕が爪をたてる。
再度力を込めると寄せられる頭がふるふると揺れる。
「おい」
「……なんだよ」
「気持ち悪くねぇのか」
「………別に」
言葉に、離れたく無いと言う意志を感じて武蔵は困った。
だけど、いつまでもこのままじゃまずいだろう。
「一回離れろ」
「……………」
無言の抵抗に少し武蔵はむっとする。
「着替えてからにしろ」
「……嫌だ」
「まだ帰らねえよ」
「……俺の、言う通りにするんだろ」
下から見上げる顔は、赤らんだままそんな主張をする。
「だけど」
「黙って、座ってろ」
ぼす、と顔が埋められて余計に体が密着する。
だけどなあ。
酷く汚れたヒル魔に抱き着かれてしまっては、こちらまで汚れてしまう。
何より、この時間では。もう家に帰っても風呂が使えない。
自分で仕掛けたとはいえ。べっとりとしたそれが布の上から肌に染みる感触を、武蔵はそう長くは我慢が出来そうに無かった。
さっさと引き剥がして、洗い流してえのによ。
そこまで思ってふと考えがまとまった。
「おい。離れなきゃ良いんだろ」
否定も肯定もさせる間を与えず、武蔵はヒル魔を抱き着かせたまま持ち上げた。
驚いたように顔をあげるヒル魔の鼻先にキスを繰り返して武蔵はにい、と笑った。
「風呂、どこだ」

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散々の抵抗と口論と罵倒の末に。ヒル魔は頭を抱えた。
どうして、こんな事になるんだ。
ガラスの向こうからはのんきなまだかと問う声。
簡単に湯舟を洗って、そこに湯をためて。
もう準備は出来ているから、あとは武蔵を呼ぶだけ。
呼んで、一緒に風呂に入るだけ。

どうしてこんな事になるんだ。
軽く膝をかかえてしゃがみ見そうになる。涙目になりそうだった。
「おい、入るぞ」
何の抵抗も無いのかすっぱだかの武蔵ががらりと引き戸を開けて入ってくる。
「ばか、まだっ………」
「なんだよ、もう入れるじゃねえか。お前も脱げ」
今まで何度もそういう関係にはなったものの。
ここまではっきりと武蔵の肌を目にするのは初めてだ。
目のやりばに困って俯いたヒル魔に武蔵は頓着なく手を伸ばす。
「そんなべとべとしたもん、さっさと脱げ」
ちらちらと視界に入る武蔵の手も、足も、胸板も、明るい浴室の中ではどれもが恥ずかしい。
脱がそうとする武蔵に対しての抵抗も、そんな状態では満足に出来ない。
あっという間にシャツをはがれ、下着まで脱がされ、今更な事とはいえヒル魔は手足を縮めた。
あちこち肌の上に残ったクリームが、酷く恥ずかしい物に思えてしまう。
まるで。
思う事に羞恥があおられて顔が熱く染まる。
「あー、こりゃひでえな」
「……お前がやったんだろ!」
「おお、すまんすまん」
反省の色など全く無い謝罪。
自分でも意味が無い事は分かっていたが、自然に両腕が肩を掴んだ。
腿を胸につけるように畳んで、近付く武蔵を下から睨む。
どこもかしこもがべたべたと気持ち悪い。
「おい、石鹸どこだ」
むしろ楽しそうに近付く武蔵から体を逃がす。
「関係ねぇだろ、さっさと風呂に入れ」
「離れたく無いってさっき言ってただろう」
「うるせえよ、さっさとあったまって出ろ」
「ほら、こっち来い」
何を言っても耳を貸さない武蔵は、体を縮こまらせるヒル魔を強引に引き寄せた。先ほどと同じように両足の間に座らせ、そこから逃げられないように両足が絡んだ。ただ向きだけが違う。背中に武蔵の腹がぴったりとつけられて、直に感じてしまう体温。
目の前で絡むお互いの足。何一つまとっていないお互いの足。
「離れろっ……」
「さっきと随分態度が違うぞお前」
耳のすぐそばの声は少し、響いて大きい。いつも自分が一人でくつろぐ狭い浴室に、武蔵と2人で入るという奇妙さ。耳を噛みながら、武蔵が石鹸、と催促する。背に走るぞくぞくとした物をやり過ごしながら、ヒル魔は指でボトルを指差した。
「へえ、面白れえ」
手を伸ばせばそれだけ密着してくる武蔵の腹。こんなに近くでは、心臓の音も全部筒抜けな気がしてヒル魔は落ち着けと何度も自分に言い聞かせた。
ポンプの先の太いノズルからは、押せばそのまま泡が出てくる。面白がってスポンジに盛り付けられた白い泡の塊を目にして、ヒル魔は何度も予感を打ち消した。
「ほら、手、どけろ」
「……なっ………」
「洗ってやる。嬉しいだろ」
「……馬鹿かっ」
ふわふわと揺れる泡が、武蔵の手によってどんどんヒル魔の体に擦られる。
「何、するっ」
「暴れるな」
「そのぐらい自分で洗えるっ!」
「遠慮すんな」
手をほどかなければ抵抗は出来ない。言葉だけで嫌だ嫌だと言ってはみても。簡単に武蔵の手はするりと忍び込み、ヒル魔をびくびくと震えさせた。何より。分かってやっているとしか思えない、耳もとでの言葉。石鹸のぬるつきは、武蔵の手の動きを後押しする。
胸を辿る指の動きの滑らかさに、息が止まる。
「こん、なっ事っ………」
「なんだ?」
手も足も、後ろからつかまれてそこかしこが泡に包まれる。ごしごしと擦る訳でも無く、ただ単に体を覆うだけの泡。遊ばれているとは分かっても、ヒル魔は抵抗が出来なかった。
「どこで覚えて来る、んだっ……」
「まあ、付き合いだな」
「行った事あるのか!」
「何回か、な」

声が震えて、それきり黙るヒル魔に武蔵はまずかったかなと頭をひねった。
商売女達にはむしろ、外で会おうと言われた事が多かったから。店に行ったのはほんの数回。
それでも、多分怒るだろうな。こいつは。
「でも、なんだ」
無言のヒル魔が喜ぶ言葉を探す。
「誰かを洗うのは、お前が最初だ」
口の中で耳がぴくりと動くのが分かって。正直なやつだと武蔵は思った。
「普通、ああいうとこじゃ石鹸なんて使わねぇからな」
ヒル魔はまだ口を開かない。
「こんな事、俺だってはじめてだ」
無言のヒル魔の胸に指を伸ばした。泡に隠れてしまっていても、その場所を指で探るのは簡単だった。
びく、と腕の中で大きく震えてヒル魔が首を振る。
「こんな洗い方、お前にしかしねえよ」
落ちて来た泡をすくい、肩の上に置いた。思った通り、こいつはこういう「白」が良く似合う。
肌に落ちた色と対比すれば、その顔の赤さが際立つ。そういや顔にも相当かけていた事を思い出し、泡を伸ばした。
「ぅっ………」
反射的に目を瞑ったヒル魔の耳に、舌を這わせた。
その表情を見るまでも無く。密着した部分がヒル魔の震えを伝えてくれる。
刺激を与えていた指も手のひらも、全部の動きを止めて武蔵は言葉を続けた。
「……前、だけだ」
腕の中でひくりと震える体。
ただ、肌が触れているだけ。
目をつむったヒル魔に与えられる刺激は、ただ、武蔵の言葉だけ。
「……………、だけだ」
言葉にならないぐらい、低くささやいて。掠れたような音を耳に注いでやる。
「………っ……」
ヒル魔の喉が、ごくりと動いて。
甘く染まった吐息が洩れた。





武蔵の腕の中で。
ヒル魔はぼんやりと体を横たえていた。
動くなと言われた訳じゃ無い。どこかを押さえ付けられているわけでもない。
ただ、背中にぴったりとはりついた武蔵を感じているだけで。
麻痺してしまったように体が動かない。
背中が熱い。武蔵の声が、耳の中に直接語られているのにどこか遠い。
会話の中身が切れ切れに耳に入って、抜けて行く。
何度も顔に泡が塗られ、目を開けられないまま体を全部武蔵に預ける。
時々、思い出したように恥ずかしいとか、結局丸め込まれる自分の甘さとか、そんな物が流れて消える。
全部どうでもいい。
ただ、もう大丈夫なんだと思えるような心地よさに全部をまかせていた。
武蔵の手が体をなめらかに撫でる。
優しくて、少し泣けそうなぐらいに柔らかい触れ方。
今まで色々な刺激を受けてきた。それはどれも気持ち良かった。
武蔵が触ってくれる時にはいつでも気持ち良かった。けれど。
こんな些細な事が、気持ちを高めてくれる事を知った。
肌と肌が密着するだけで、こんなに気持ちが良いなんて事は知らなかった。
ただそれだけで。
武蔵の体に抱き締められていと思うだけで、腹の奥が甘く痺れた。
耳に直接届けられる武蔵の言葉。
内容はどうでもいい事ばかり。ただ、心地よい音楽のようだと思った。
低く、囁くように小さな声。
それはヒル魔を優しく揺らしてくれる。

工務店をやっている家に住み込みで働いているたくさんの若者の話。
そんな若者達を教育しなければならない苦労。
なかなかうまくいかないから投げ出したいと言う話。
教育係として何度も責任を取らされていると言う苦労。
跡をつがせたいと思っている工務店の棟梁と古参の大工達との摩擦。
俺がいるだけで、みんなうまくいかねえんだよ。

武蔵の呟く言葉はだんだんと深い所に降りて行く。
だんだんと、撫でていた手の動きに明らかな意志が加わりはじめる。
そうじゃないだろうと武蔵に言いたいのに。
口からは小さな喘ぎだけが馬鹿みたいにこぼれる。
今まで柔らかな刺激だけだったのに、早くからとろりと靄がかかったような視界。
何かを武蔵に伝えたいのに、思考はぼんやりとしか動かない。
それでも、お前はそんなに酷い奴じゃないと言いたかった。
武蔵に顔を向けようとして。
後ろから強く抱き締められた。まるでしっかりと固定されてしまうように。

両親はいなくて、施設にいた所を引き取られて。
今の義理の親は良い人達なのだけど、なじめないとか。

話がそんな所に流れたところで、武蔵の指が動きを変えた。
撫でるだけだった、手が。泡の中で巧みに動く。
柔らかかった刺激の全部が、ヒル魔を追い立てはじめる。
待てと言いたいのに、言葉が出ない。
すっかり暖まっていた体は、武蔵の手で簡単に追い立てられる。
曇ってぼんやりとしか姿を映さない鏡の前に、両足を大きく広げた自分がいた。
恥ずかしいなどという意識はとうに途切れた。
白をまだらに纏った体。
そこに写る自分より。自分に視線を落とす武蔵の表情を見ていた。

話を聞きたい。
言葉を、交わしたい。
多分武蔵がこんな話を自分に振ってくれる事など滅多にない。
だから、こんな風に流されるのは嫌なのに。

結局養子だって事で、あまり良い思いは出来なかった。
だから、「たけくら」の名前は重たい。
老舗の工務店の、跡取りなんだという荷物を無意識に感じてしまう。
だから、「たけくら」の名字は好きじゃ無い。

簡単に快楽だけを追ってしまう意識。
武蔵が、この体に仕込んだ躾。
言葉を返す事も出来ないぐらい、霞む視界。
腰のすぐ後ろに押し当てられている武蔵の熱。
自分をここまで快楽に弱くした、武蔵の熱。
欲しいと思う体内の囁き。
自然に腰が揺れて、鏡の中で武蔵が笑った。
気持ち良いのかと問われて、素直にうなずいた。
どうされたいと問われて、思うままに口が動いた。
意地悪く聞き返される。
同じ言葉を繰り返した。武蔵が耳もとで小さく笑う。
本当にと再度問われて。早くしろと返した。
その言葉に。
体の中から指が抜かれた。

高まる鼓動。ずっと、後ろから腰に当てられていた熱が、どこかに消える。
腰が少し宙に浮かされて。
そして。
ゆっくりと、落とされて。
「ひッ………ぁああっ……」
気づかうように、ゆっくりと落とされて。
最後に武蔵の手のひらがすべって、ずる、と根元にまで飲み込むように体が沈んだ。
「んっ……っ…」
鏡を見ろと言われた。
武蔵がお湯をかけて、はっきりと像を映すようになったその中に。
惚けた自分の顔。嬉しそうに弛んだ自分の顔。
恥ずかしい事じゃ無い。これは今まで何度でも繰り返して来た行為。
武蔵が息を整えるまでのわずかな間。ぼんやりと鏡の中の2人を眺めていた。
何度でもしてきた事なのに。
大きく足を開いて武蔵を飲み込んでいる自分をはじめて見た。
場所は、いつも使っている浴室。
あちこちに飛んでいる泡の隙間から見えかくれする、赤い肌。
どこもかしこもが、とても赤い。
武蔵が指を絡めた場所は、とうに泡が落ちていた。
胸の先も、流れてしまっている。
揺すられれば、あちこちから肌が露出した。
突き上げられる程、裸にされる。
苦痛ではなく、愉悦に歪む表情。
ぼんやりと、そんな自分を見ていた。
自分が武蔵に抱かれている姿。
武蔵が、自分を抱いている姿。
そこから、目が離せなかった。

「そんなに、気になるか」
目を閉じても、身体の向きを変えても。
意識が鏡をおいかけている。
自分が優しく武蔵に抱かれている姿を、追い掛けていた。
あんな風なんだと思った。
はじめて知った。
あんな風に自分は抱かれているのだと。
これは本当に夢じゃないんだと。
確かめるように、見せつけるように、鏡に意識が飛んでしまう。
「随分、気にするな」
もう一度、大きく足を開かされて。
鏡の中の武蔵の表情を見て、ヒル魔はくらりと、目眩を感じた。
武蔵の目。自分に向けられている目。
鏡の中で武蔵と視線がからみ合って。ふわ、とその目が和んだ。
自分に向かって、笑みが零れた。
「んっ、むさ、しっ…………」
鏡の中に、手を伸ばす。声をかける。
一番見たかった、表情。
抱きつきたくて手を伸ばしても、そこにあるのはただのガラス。
後ろから貫かれて、ヒル魔は大きく喉を反らした。
目の前に、優しい武蔵。後ろから、抱き締めてくれるのも、武蔵。
「見られてるのが、好きか」
「あっ、……っ、あ……んっ」
言葉にならなくて、首を縦に振った。
揺すりあげられて、身体が仰け反る。薄れる視界を感じながら、ヒル魔は目で武蔵を追った。
今までの、あの、少し怖かった面影を残していない、武蔵を。
自分が好きだと思える人を。
優しく抱き締めてくれる、鏡の中を。
肩にあたる息が荒くて。ヒル魔は武蔵の動きに腰を合わせた。
ぎりぎりまで、鏡を見て。それから、目を閉じて。
全部の感覚で武蔵を意識して。擦りあげられる刺激に、声を上げて。
腰に残っていた熱を、2人は同時に放った。


湯舟に2人でつかって。
軽く頬をなめられて。洗ってやったのたにまだ甘いと言われる。
馬鹿みたいにつまらない会話を繋いだ。
のぼせているようなふわふわした意識。
「大丈夫か」
平気だ、と意味を込めて武蔵の肩口に顔を埋めた。
ヒル魔の着ていた服は浴室の端でぐっしょりと濡れていて。
仕方ねえだろという言葉に不満だというスタイルを取りながら。
武蔵のシャツを借りて羽織る。
年は同じだと言うのに。シャツは大きくて、伸びた襟回りから肩が出そうだ。
長い丈は、ちょうど膝の上まで。
「微妙にエロい」と感想を漏らす武蔵を軽く蹴飛ばして。
上半身が裸のままの武蔵に抱き着いた。
「そのままじゃ、風邪ひくだろ」
言った言葉が、その通りに受け止められたのかどうか。
笑って、武蔵がヒル魔を膝の上に抱き寄せた。

そうして。少し、話をした。
だんだんとお互いに口数が減って。
最後には何もしゃべる事がなくなって。
ただ、黙ってお互いの額を肩に載せて。
静かで、落ち着いた時間を過ごした。

次にいつ会えるのか、わからないけれど。
ヒル魔はとろとろとした眠気に襲われながら考える。
次に会ったら。もっと話をしよう。
武蔵の話を、今度は最後まで聞きたい。

今までに知らなかった事。
何をしたいのか。
何をして欲しいのか。
自分はそんな武蔵に何をしたいのか。

全部を、話そう。ゆっくりでもいいから。
そうして、その時には。
お前はそんなに酷い奴じゃ無いと。
しっかり否定してあげてから。
だって、俺が惚れた男だからと。
教えよう。
だから、お前はそんなに酷くも無いんだぞと。

多分、武蔵が思っている以上に自分は笑ったり、
怒ったりする全部に振り回されている。
口に出すのはしゃくだけれど。
今すぐにはなかなか伝えられないけれど。

いつか、それを伝えたいと思った。

今は、ただ。
この心地よさに浸っていたい。
武蔵が乱暴な仕種でヒルマの髪をタオルで拭う。
その、布の下で。
そう遠く無いだろう未来を思ってヒル魔は小さく笑みが洩れた。

今はまだ秘密。
武蔵に秘密。


話したい事がたくさんある。















よくまあここまで阿呆らしいタイトルが続くモンだ。日本語って凄いね☆
なんでこんな事にってヒル魔が泣いてますけど。そりゃあ書き手に悪意があるもん。

20050606

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