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| 2000年01月08日(土) |
手塚治虫 実験アニメーション鑑賞 |
[手塚治虫 実験アニメーション鑑賞] とにかく凄い。 アニメ日本の黎明期と言われるだけの作品だけあった。宮崎監督けなしてたけど。 ケーブルテレビ最高です。これを見るために会社を早退。(最低) つうかDVDがまじで欲しい。
特に気になった作品が[ある街角の物語]
ポスターが踊るというシーンがあるのですがどのポスターもみな、 花岡さんが作ったと思えるような凄いセンスのものばかり。 ぺたりとはりつけた色紙のようなラインがはっきりすっきりシンプルで 直線と曲線だけのデザイン性に飛んだものから そこに違和感なく入る落ち穂拾いにピカソにムンク。 ビアズリーのサロメがあった。ところどころの演出はエッシャだ。 場末の女シンガー 警察 刑務所 いろいろなシーンを描いた 素晴らしいポスターたちの手拍子演奏。 背景は水彩じゃない。荒れたタッチで塗り残した下に地の色を見せてる、 濃くて奥行きと濃淡があって、なのに動きを邪魔しない。 色彩の感覚、画面を流れる動きの連続、天才つうのはこういうものを コンスタンスに創りだせてこそなんだなと。
アニメという手法でのみ創りだせる動きの数々が 自然に音を列ねていると言うか アニメらしい一つの動きに周りが影響されて 連鎖してリンクして音を繋いでいるというか 「動く絵」というものが、とても綺麗。
まさに手塚氏のアニメに対する憧れを見せつけられた感じがします。 かの方はアニメをこんな風に捕らえていたのかなあ。 大衆アニメのお手本のような(良い意味でも悪い意味でも)ディズニーに 強く憧れを持ちながらこういうあまりにも大衆受けしないものを 作ってしまったあたりに何とも言えないものを感じました。
この人は物語性を持つシナリオに合わせて動く映像よりも 無声映画とか声優なしアニメとかそういうものを作った方が いいのじゃないかなあと思いました。
どんな些細な絵の動きにも全部に意味と物語がある。主張と流れと意思がある。 制作者サイドが動きを作っているのでは無く、不自然では無い それでいて先が見えないとても「よく動く」アニメ。 よく動く、という日本語にいくつもの意味を込めたいアニメ。 一つのカットも、一つのコマも、意味の無いものはまったくない。
正直、手塚氏のアニメ化作品というのは 初期型以外はあまり好みではないというか元が持つ素晴らしさが どうしてもアニメで表現できていないのではないのかなあと感じます。 動かない絵で受けた感動が大きすぎるから動くものに「さらなる何か」を 期待してみるこちらの過剰なリクエストが原因なのだと思うけど。
だけど初期は素晴らしかった。 モノクロのアトム。海のトリトン。 現在ケーブルで流れている悟空の大冒険とかリボンの騎士とか。 ジャングル大帝レオのオープニングとかの。 あの古びて滲んだ色合い。けしてクリアな美しさが無い。 一つ一つが濃い主張をする塗りかたのあのアニメ。 あれは本当にとても好きだった。
手塚氏のけして「万人向け」とは言えないあの重苦しく 読後感の悪くなる世界があの頃のアニメにはあったと思う。思います。
この60年代のオールドパーおじさんとか 首をかしげる犬とかニッカウイスキーとか花岡さんとか。 西岡兄弟とかプール冷えてますの絵とか。 あんなグラフィックが好きな私にとってこの手塚氏が総監督された 実験アニメーションの数々は好きと言う言葉ではくくれない 素晴らしい作品だと思うのです。よし。DVDを買おう。
この他もたくさんあったのですがどれも素晴らしかったです。 途中時間切れで見れなかったけど。
この他[おす]アニメも所詮「二次元」という演出が光る短編。 漫画的・アニメ的な感情表現の記号が多くあるけれど これに出て来る記号ってのは中々今は見なくなってる。 使い方が難しいからなんだろうか。
[メモリー] 忘れようとしても忘れられない思い出をアニメで表現。 思い出となるとたくさんの事が「印象」重視となるわけで、 美しいものはより美しく、そこだけが抽出されて美化されるわけで それを表現するやりかたがとてもシュールで気持ち良い。
誇張された記憶ってのは美しいと思います。 それが作為と自虐と甘えに満ちるからこそ。
エヴァの最終回であった写真を使う手法もこの1962年のアニメみると ぜんぜんこっちの方がわかりやすいし面白いなと思いました。 (もちろん主題も話も製作背景もきっと全然違うんだろうけど)
[人魚]
水たまりにいた魚が人魚になった。 男は人魚に恋をして手をとりあいながら結婚を誓う。 けれど、彼以外の誰にとってもそれは小さな魚でしかない。 巨大な水槽の小さな魚を指差して「僕の妻です」と紹介する彼は 「想像」が許されない国の住人だったために…………。
必死に彼が主張する「人魚」がまやかしなのだと まるで拷問のようにくり返しくり返し事実を認識させようと続ける周囲。
最後は悲しい結末ですがある意味ハッピーエンドなのでしょうか。 背景に透ける人や物の演出が好きです。
[展覧会の絵]
曲が好きなのですがかなり全体的のアレンジが強い。(コーラスもある) ミュートやチェンバロンを多用した具合が素敵でした。 一度では耳の情報と目の情報がリンクしきれなくてもったいない。 あたしが馬鹿なせいもあるけど。
やまだ
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