暴かれた真光日本語版
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2004年05月26日(水) 097 judge

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宗教関係判例集成4巻:

「宗教関係判例集成」(第一書房)第4巻
地裁仮処分、地裁本訴、高裁仮処分の順に判決文を要約掲載している。

地裁仮処分

136-138頁
1―10 世界真光文明教団代表役員地位保全事件 (一)
債権者 関 口   栄
債務者 世界真光文明教団
債務者 岡 田 甲 子
東京地裁 昭和五〇年七月二四日民事第八部判決
(昭四九(ヨ)第二〇四六号地位保全仮処分申請事件)
〔出典〕 〔コメント〕参照
〔参考文献〕 中外日報(昭和五七年九月三日、同九月六日、同九月八日、同九月一五日)
〔参照条文〕 裁判所法第三条

〔コメント〕 この世界真光文明教団(セカイマヒカリプンメイキョウダン)事件については、昭和五九年一一月一七日の宗教法学会において、大野正男弁護士により研究発表がなされ、公表された。配布資料によると事実は次のようである。

 この教団の代表役員については教団規則第六条に、
「1、その代表役員はこの法人の教え主をもって充てる。
2、後任の教え主は現在の教え主があらかじめ指名した者をもって充てる。あらかじめ指名していない場合は責任役員の互選により選定する。」
とある。

 昭和三八年一一月一九日設立のこの教団の初代教え主(代表役員)の訴外Aが、昭和四九年六月二三日に死亡した。
 死亡一〇日前の六月一三日に、Aは養女の被告Yに後継者の指名を伝えた。

 六月二五日、Aの通夜の席上、Yは「六月一三日に先代Aより原告Xを二代目にするようにとの指名があった。二代教え主用の『おみたま』をAより預っているのでXに渡したい」旨、幹部の前で発表した。のちにYは六月一三日に指名されたのは自分だったという。六月二六日、YはAの遺体の前でXに「おみたま」を授与した。七月一日、五名の責任役員会はYを教え主に互選し、七月五日代表役員の登記を行う。Xは責任役員ではない。

 七月一三日、Aの教団葬が行われ、式後に「二代教え主はXになるよう指名があった」旨が事務局長より発表され、Xが受諾の挨拶を行った。
 その後、Yは�召防�従せず、八月二日YはXを招き「ヨのみ霊もちて娘に与えよ」とある「御神示」の一節を示す。
 八月二五日、XはYに対し「自分はあなたの代行でない」と通知し、教団本部へ出仕せず、教団は事実上分裂した。

 昭和四九年九月一八日、Xは東京地裁に地位保全仮処分申請をした。昭和五〇年七月二四日、東京地裁は申請を却下した。Xに二代指名があったことを認めるも、仮処分の必要性なしとの理由である。

 「御神示」について次のように判断している。

【判決文】
<判決理由>

 初代が作成したものであると認めることができる乙第一号証の一・二およぴ弁論の全趣旨により成立の認められる乙第三三号証の三によると、一見、初代は、「ヨのみ霊もちて娘に与えよ」という表現をもって、その養女である債務者岡田甲子を債務者教団の後任教え主に指名したものと解する余地があるように見える。

 しかし、前掲乙第一号証の二の「ヨのみ霊もちて娘に与えよ」という記載が昭和四九年六月一三日に作成されたものであることは、同号証の二の記載自体から直ちに認めることができないのみならず、同日作成の記載のある同号証の一との縮綴形式からは、必ずしも、同号証の二が同号証の一と一体をなす文書と認めるに足りず、また、同号証のこの記載の意味内容は、その前後の一連の文章の内容および関連性を十分に吟味して把捉すべきところ、その前後の文章の内容およぴ関連性が同号証の二からだけでは明らかであるといえないし、これを明らかにすることが物理的には可能であるにもかかわらず、それが神示であることを理由として、その前後の文章が記載されている文書の提出を債務者側で拒否していることは、債務者岡田甲子本人尋問の結果に照らして明らかであり、このような場合には、その前後の文章の内容およぴ関連性を顧慮することなく、初代が債務者岡田甲子を債務教団の後任教え主に指名したと速断することはできないといわなければならない。そうすると、右乙第一号証の一・二によって債務者岡田甲子が初代から昭和四九年六月一三日に債務者教団の後任教え主に指定されたものと認めることはできないというペきである。

 また、右に認定した同年八月二日以降の債権者の行動についても、債権者は、債務者が霊団であることの性格上、教え主の地位をめぐる債務者岡田甲子との紛争をできるだけ話し合いによって円満に解決することを考え、信者に対して紛争状態をさらけ出さないように配慮したことによるものと一応認められるから、債権者が前記のコピーを見て債務者岡田を債務者教団の二代教え主であると承認したものということはできない。

(裁判官/柳川俊一 平手勇治 清水信雄)

地裁本訴

139-140頁
1―11世界真光文明教団代表役員地位確認事件
原 告 関 口   栄
被 告 岡 田 甲 子
東京地裁 昭和五二年二月ニ四日判決
〔参考文献〕 中外日報(昭和五七年九月三日、同九月六日、同九月八日、同九月一五日)
〔参照条文〕 裁判所法第三条

〔コメント〕 Xは、昭和五〇年八月二五日東京地裁へ本案訴訟を提起した。Yは、裁判長より勧告あるも、昭和四九年八月二日�召砲修琉貔瓩世韻鮗┐靴拭峺羶声─彖簡犬髻∨…遒砲禄个気覆�った。

 昭和五二年二月二四日、東京地裁は、Xの請求を認容し、「Xが代表役員であることを確認する」判決を下した。
 Yはこの判決に対し、控訴した。
 「御神示」について裁判所は次のように判断した。

【判決文】
<判決理由>

 そこで、「ヨのみ霊もちて娘に与えよ」と記載された書面が、被告らの主張するように昭和四九年六月一三日付をもって被告岡田を後任教え主に指名したことを意味する初代の「神示」であるか否かについて考察する。

 なるほど、前記各書証には、右の趣旨に副う記載部分がある。しかしながら、被告らが前記の書面の一部を謄写したものとして提出した書証は、乙第四四号証の一、二であるが、これは原告においてその原本の存在とその成立を争っているので、これを原本に代わる書証として取り調べることができないことは、民訴法第三二二条第一項の規定により明らかである(最判昭和三五年一二月九日民集一四巻二二号三〇二一頁参照)。しかも、被告らは、乙第四四号証の一、二の原本全部を神示であるからとの理由で、当法廷に提出することを拒んでいることが認められる。したがって、当裁判所は前記の書面がどのような体裁、編綴形式、内容のものであるかを直接知り得ないのであり、したがって、被告らの前記主張に副う書証の記載部分があるからといって、これのみをもってしては、右主張を肯認することはできないのである。

(裁判官/柳川俊一 長野益三 川島貴志郎)

高裁仮処分

141-143頁
1―12 世界真光文明教団代表役員地位保全事件(二)
東京高裁 昭和五二年三月三一日第四民事部判決
(昭五〇(ネ)第一六九五号)
控訴人 開 口  栄
被控訴人 岡 田 甲 子
〔参考文献〕中外日報(昭和五七年九月三日、同九月六日、同九月八日、同九月一五日)
〔参照条文〕裁判所法第三条

〔コメント〕1―10(本巻一三六頁)の控訴判決である。
 東京高裁第四民事部は、「原判決取消、請求認容」の仮処分判決を下し、Xに代表役員の仮の地位を認めた。Yは最高裁へ上告した。
昭和五二年九月二二日、最高裁第一小法廷はYの上告を棄却した(昭五二(テ)第三三号)。
なお、1―11(本巻一三九頁)の控訴審、東京高裁第七民事部の本案訴訟事件でYは「御神示」全文を提出した。
昭和五七年七月一〇日、東京高裁第七民事部で和解成立した。和解により「YはXの代表役員(教団規則上の教え主)たる地位確認し、控訴を取下げた。
昭和五三年、Yは岐阜県高山市に「崇教真光」を開教され、教え主・代表役員に就任された。

【判決文】
<判決理由>

 「神示なるものは、宗教団体の本質的な活動領域に属する事柄であるから、その取扱いにあたっては、当該宗教団体の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることのないよう留意しなければならないことはいうまでもない。

 そうした考え方から、本件神示が、被控訴人岡田甲子らの主張するごとく、六月一三日に啓示されたものであり、且つ、同日被控訴人岡田甲子が神意によって被控訴人教団の二代教え主に任命されたことを意味するものであるとすれば、 ――しかも、被控訴人岡田甲子ら主張のごとく、右被控訴人が同日初代教え主より直接右神示のような話を開かされて「ヨのみ霊」を授けられたものであるとすれば、なおさら、前記発表(注、六月二五日通夜の際の二代指名発表)は、一見、本件神示と矛盾することとなる。

 ところが、神示は、たとえ宗教団体の内部にあっては批判を許さない絶対的権威を有するものであるとしても、
司法裁判所の訴訟において、それが役員の任免その他地位に関する当事者の主張事実を裏付ける証拠となりうるためには、裁判所の判断に服さなければならないことは当然であって、単に神示であるという一事をもって裁判所の判断を排除しうるものではない。それ故、問題は、専ら、本件神示に前記発表の内容の真実性を合理的に否定するだけの証拠カが認められるかどうかの一点にかかっているものといわなければならない。

そこで、以下この点を検討するのに、

 1 仮りに、被控訴人岡田甲子らの主張するごとく、真実被控訴人岡田甲子が六月一三日被控訴人教団の二代教え主に指名されたものであるとすれは、右被控訴人は、同日以降、少なくとも本件神示の発見されたという八月一日以降は、自己の行なった前記発表が本件神示に反することを明確に認識していたはずである。そして、いかに同被控訴人が自己の過ちを認めるのに困難な立場にあるとはいえ、その発表の内容が教団の命運をも左右しかねないほどの極めて重大な事柄であり、しかも、前叙のごとく、すでに世間に正式に公表されているのであるから、同被控訴人としては、一刻も早くこれを訂正するのが当然であり、また、その機会も十分あり得たにもかかわらず、教団内部においてはともかくも、一般に対して正式に訂正を試みた形跡は全くなく、本件訴訟に現われた全資料に徹しても、この点につき合理的な説明を与える事情を見い出すことはできない。

 2 また、仮りに、前記発表で付加された「詳しいことは追って示します。」との発言が、被控訴人らのいうように、被控訴人岡田をもって二代教え主とする本件神示を意味するものであるとすれば、それは、控訴人が二代教え主に指名されたとする前記発表自体、全体として合理的な意味を有し得ないこととなる。そして、他に、右発言の合理的な意味を確定し得る疎明はない。それ故、右の発言も、また、前記発表の内容の真実性を合理的に否定する資料とはなり得ない。

 3 さらに、被控訴人らは、被控訴人岡田甲子が控訴人に手渡したおみ霊は、代理用のおみ霊であって教え主用の「ヨのみ霊」ではない、と主張する。しかし、おみ霊の意味とか価値とかは、宗教団体の本質的な活動領域に属する事柄であって、本来裁判所の判断に親しまないところであるが、仮りに、被控訴人らの右主張が真実であるとしても、前叙認定によって明らかなごとく、教団の規則上、二代教え主の指名は、初代教え主のその旨の意思表示があれば足り、「ヨのみ霊」の授受をその要件とするものではないので、被控訴人ら主張のごとき事実の有無は、前記発表の内容の真実性の判断には無縁のものであるといわざるを得ない。

 4 最後に、被控訴人らは、控訴人が被控訴人岡田から本件神示のコピーをみせられたとき、同被控訴人に対して、「判かりました。大体私にこんな大役が来るはずがないと思っていました。このうえは、恵珠様の指示に従って、本山の造営と教線拡大のために祖師(初代教え主を指す)の遺志を受け継ぎ、協カを惜しみません。」といって、同被控訴人が二代教え主であることを認めたと主張し、それに副う乙第一五号証並びに原審における被控訴人岡田甲子本人の供述もある。しかし、前叙のごとく、控訴人が右のコピーを見せられた当時は紛争収拾のための話合いが進められていたのであるから、被控訴人らの右主張事実は、にわかに措信しがたい。それはともかくとしても、控訴人が、たとえ初代教え主の娘である右被控訴人に対する気嫌ねと、信者に動揺を与えることを恐れたためであったとしても、本件神示の存在することを知らされてから、事実上右被控訴人を二代教え主と認めるがごときあいまいな態度をとってきたことは事実であり、そして、そのことが、事態の実相を不明にし、却って、信者をしてその去就に迷わしめる結果となったことは否め得ない。とはいえ、これらのことは、控訴人が二代教え主としての指名を受けたかどうかということとは直接関係のないこと明らかである。」

(裁判官/渡部吉隆 古川純一 岩佐善巳)









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