言の葉孝

2016年02月07日(日) カレーライスはなぜ平皿で食べるのか?

 常々、ナンセンスに思っていたことの一つが「カレーライスはなぜ平皿で食べるのか?」という疑問である。スプーンですくいながら食べるカレーライスは、平皿の場合、多くは米粒が皿の上に残り、最後は大変食べにくくなる。その点どんぶりで食べるならば最後に掻き込むことは自然な仕草なので大変食べやすい。掻き込むことを考えなくてもスプーンでのすくいやすさを考えれば平皿よりどんぶりのほうが不定形な食べ物を食すのにはるかに合理的な器であることは明白だ。
 チャーハン、麻婆豆腐、シチュー、スープ……、通常平皿に盛られる料理は不定形にも関わらず平皿に盛られる。チャーハンに至っては、レンゲで食べるという二重苦だ。

 平皿で食べるのは「そういう形式」だからなのだろう。カレーライスを平皿に盛るのは洋食だからだ。その場の雰囲気を優先するケースも理解する。フレンチのコースのスープがどんぶりで出てくれば興醒めもいいところだ。それでもスープボウルを使ってほしいものだと思うが。
 しかし、カレーライスは今や洋食ではない。カレーライスだ。もはや「洋食の形式」にとらわれず、独自の形式としてどんぶりを器に採用してもよいのではないかと思うのである。

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