ラヴ*パスポート



葉月アキラ、自由に生きてきた。色んな恋を、した。
やっと腹を括ったその先は、長男の、嫁。
騙したり騙されたりの日々から抜け出したワタシだけれど、果たして頑張れるのか?

結婚5年目に入った2013年12月、不妊治療の末、娘を授かりました。

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2005年12月01日(木)  ©  思えば、朝から彼の態度はおかしかった。〔長文ごめんなさい。〕


今思えば、其の日のヒナは、朝から何だかおかしかった。

出勤の準備の為、お風呂上りに化粧台に向かうワタシを見て
『ずっと一緒に居りたいなぁ。』と、呟いた時から。

出掛ける間際も、そうだった。
『晃、大好きやで。離れんでな。』とワタシを抱き締めたヒナ
いつもと何だか違って、真剣だったから
『ワタシも好きだよ?ヒナだけだよ?』そう言った。
ヒナは
『うん、信じてる。やっと信じられるようになった。』そう言った。

・・・・・違和感を、感じた。

でも、其の後職場であっても
朝の様な気配は無く、席を外す事が多かったヒナ
体調が悪い事は見て取れた。

『ねぇ?吐いてるんじゃないの?』そう聞いたワタシに
『大丈夫です、少し気持ちが悪いだけですから。』と職場モードで返した。
でも、大丈夫では無い事は容易に想像、出来た。

食事時、ヒナにメールを打った。

”ヒナ・・・大丈夫?
 心配で仕方ないよ
 今日は、早く寝ようね。”

暫くして返信があった。

”俺は、晃の事、大好きやで。
 心の底から愛してる。
 本気で惚れて、此の人となら
 何も心配無いって、信じさせて貰えた。
 此れからも・・・何も変わらないよね。”

彼らしくない、メールだった
此れからも?何も変わらないよね?
何か変わって仕舞う事を予感させる様な事をした覚えも無いのに
此の内容は如何言う事?

第二の違和感。

家に帰っても相変わらずのヒナ
吐き過ぎて、食事も取れなくて・・・
如何して仕舞ったのだろう?

『只のストレスやさかい。』の一点張りのヒナ
『言えない、言いたく無い。』と言う言葉に
そうか、そんなに言いたく無い事ならば・・・と
理由を聞く事を止めた、ワタシ。

ヒナは、『関係無いねんけど・・・』と話を持ち込んだ
『リウ君、北川さんは其の後、何か言って来た?』
『いや、ヒナに話した事以外は特に。』
『そっか、他には何も無い?会社の人以外でも、会社の人でも
 何か言われたり、言われた事とかあった?』

ねぇ・・・此の人は、何が言いたいのだろうか・・・

第三の違和感。

そして、思った。
秋クンの事について、何か勘付いた、の?
ワタシの頭はフル回転、した。

そして出した結論は、全ては話さないけれどしらばっくれる事は避けた方が良い。

『秋係長から、好きだと言われた事はあるよ。』
『え?そうなの?』
『うん。』
『今は?如何なの?』
『さぁ・・・?好きで居てくれてるんじゃないかな?』
『そっかぁ・・・俺も、ある。』
彼の話も聞いて、其れで終わった筈だった。

翌日早朝出勤のワタシ、とヒナはベッドに入った
暫くしてワタシを抱き締めたヒナの腕に力が、入った。

そして、覆い被さる様にワタシを抱き締めた彼は
何故か・・・泣いていた。

訳が判らなくて
如何して突然泣き出すのか、全く判らなくて
ワタシは、只彼の背中を、髪を撫で続けた。

嗚咽を漏らしながら泣く、男の人を見たのは初めてだった
かなりの時間が経った、少し落ち着いた彼は其れでも泣きながら
ワタシに言った。
『言えない訳ちゃうねん、言うのが恐いねん。』
ねぇ・・・彼が何をそんなに恐がっているのか、判らなかった。
ストレスの理由を言うのに、何をそんなに恐がるのだろう。

『如何したって言うの?ヒナ?』
『晃を離したくない、でも此れを話したら・・・晃は俺を嫌いに、なる。』
『言わなきゃ解らないでしょ?』
『嫌やねん、離れたないねん。』
訳が、判らない・・・。
嫌われるって何なんだろう。

『何を話せないのか解らないけど、話して嫌いになるんなら
 其の程度だったって事でしょ?そんな女なら嫌われていいんじゃないの?』

ヒナは
『其の程度でも、そんな女でもええねん、離れたくない、好きやねん。』
『取り合えず、話して?』
少し落ち着いたヒナに聞いた。

ヒナは
『其の前に・・・晃?最後にギュッてさせて。』
そう、言って泣きながらワタシを強く強く抱き締めた。
『晃・・・晃、愛してる。』

最後・・・って何?
終わっちゃうの?ワタシ達。
抱き締められながら、ワタシは混乱、した。


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頭の中は”?”で、いっぱいだった。
ねぇ、ワタシ・・・浮気されてたって・・・事?

毎日一緒に居て
なのに毎日メールも電話もくれて
毎日一緒に寝て・・・それなのに・・・・
浮気されてた事にワタシは気付けなかったと、そう・・・言う事なの?

『ごめん・・・ごめん。』を繰り返す彼を前に
ワタシの時が止まった。




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