銀河鉄道を待ちながら
鬱と付き合いながらの日々を徒然に

2006年11月22日(水) 生は死の中に……

今日のネタ。

http://www.compfused.com/directlink/525/
マイケルさんはやっぱりすごい人だなあ……いろんな意味でも。


このところ、毎日少しずつ「ゲド戦記」を読んでいます。
今は第5巻、外伝を除けば最終巻となる巻の中盤まで読みました。

ゲド戦記では作品全体を通して、生と死、光と闇、善と悪に触れられています。と思います。自信はありませんが。

その語り口は淡々としていて、人が死ぬ場面でもしつこい描写はありません。そういう場面を盛り上げようという作者の意図も感じられません。人の死も、物語の一場面として極めてさらりと描かれています。

それはおそらく、作者が人間が生きていくということを、なるべく飾り気なくありのままに表現しようとしているためだと僕は感じました。

主人公のゲドは絶対的な力を持った英雄ではありません。
彼は怯え、悲しみ、怒り、絶望し、傷つく、ごく当たり前の人間として描かれています。
そんなゲドに、読者はシンパシーを感じることでしょう(少なくとも僕は感じました。)

ゲド戦記が名作として評価される理由が読んで分かったような気がします。

もちろん、他にもゲド戦記には多くの魅力があります。個性豊かな登場人物や壮大な世界観は読者を決して飽きさせることがないように作品を彩っています。

さて、そんな原作と先般公開していたジブリ作品のゲド戦記を比較すると、ジブリの方はテーマが曖昧で、作品自体、他の作品(例えばシュナの旅や宮崎駿監督の他のジブリ作品)のいいシーンを寄せ集めて何とか一つの物語にしたような、まるでつぎはぎだらけの衣服のような、見ていてイマイチ納得がいかず消化不良が残ってしまう印象を僕は持ちました。
はっきり言って、原作とジブリの作品は全くの別物だと思いました。

最近のジブリはどうしてしまったんでしょうね……。
前回の作品「ハウルの動く城」も、原作の方が遥かにいいと思いましたし、作品を通して伝わってくる主張が感じられません。

宮崎駿監督が引退して、ジブリは終わってしまうのかなあ……。


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