久しぶりに本を一冊まるごと読んだ。 読んだ本は「別役実のコント教室」。
近頃は仕事関係の本ばかりで、しかも重要なところだけを読むという読み方ばかりだったので、久しく忘れていた「やりとげた感」+「おもしろ感」を味わうことができた。
別役実という人は、戯曲では有名な人らしい。 教科書にももしかしたら載っていたかも。
この本は、その人が講師となって行われた「劇作セミナー」というレッスンの第一期目を文章にしたものなのだけれど、内容充実、語り口絶妙なので、授業を受けたような気になれるというスグレモノだ。
生徒が出したコントの課題を「ここはいいけどここはダメ」、「ここでこうした方が落ちる」などと、真剣に論じている点を読むと、「コントもなかなか難しいものだなあ」、と唸らされると同時に、それを聞いていたであろう生徒たちがうんうんと肯いてメモを取っている姿が目に浮かんでなんだか可笑しい(何となくそれもコントな気がする)。
読んでるうちに、自分のこともコントとして捉えて笑い飛ばしてしまえばいいか、と思い勇気付けられた。
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