コミュニケーション。
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「まさかマリが俺の部屋にいるとはなぁ…」
あのスーパーでは思いもしなかったよ、と、 強い眼差しが緩む。
あたしのことをマリ、と呼ぶのは、 うまいな、と思う。
暇さえあれば、あたしの肩を抱きに来る。 あたしが寄っていけば、手を掴んで甲にキスをする。 3ヶ月ぐらい先の約束を、いとも簡単にする。
ふと目を覚ますと、 あたしの頬を指でつついている。 起こしたか、と無言で笑った後、必ずキスをする。
「マリ…」
何度目かわからないくらい呟かれるあたしの名前を、 あたしは、目をつぶって聞く。 名前を呼ばれても苦しくないのは、 あろうことか誠さんを含めても、久しぶり、だ…。
寝ぼけた頭で、社長のキスを受け止めていたら、 考えてもいなかったセリフが飛び出た。
「ね、社長?」
「ん?」
「あたしを離さないで」
「そんなことするか」
これくらいのセリフは、社長には効かない。
一度、社長はくりぃむしちゅーの上田さんに似てる、と書いたことがあるけど 上田さんには悪いけど、 本当は、上田さんを5段階ぐらい男前にしたような人。
このかっこよさをどう説明したらいいんだ? と考えていたら、 社長がコンタクトを外して、眼鏡をかけた。
果たして彼が上田さんの5段階上か、は置いといて。
4,5年前に、合コンで会った女に言われたよ、と言うので、 笑い転げてやった。
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この女は、 明日は誠さんとのデートだから、 また惚気るんだと思います。
あぁぁ
どんどん不埒…!
しかし嘘だけは書きません。お約束。
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