飲食業界の人手不足について。 - 2014年05月15日(木) 学校を卒業して以来、20年近く飲食業界に身をおいているカロリィさんが 通りますよと。 飲食業界といっても、ただただ現場で働いてきただけなので経営や管理と いったことにはとんと疎いのですが、今回の『人手不足』の件に関しては 現場の人間として思うところがあったので、日記に取り上げてみることにします。 思えば私がこの業界に本格的に足を踏み入れたのは20年弱前。 (学生時代のアルバイトは除く。それ入れると20年になっちゃう。ひゃっほい) 私が『新入社員』という立場だったときは、職場内は全員正社員でした。 というかホテルの人間の8〜9割が正社員。 それが当たり前の時代だった気がします。 正社員では無い人っていうのは、洗い場のパートのおばちゃんとか、繁忙期 だけ来てくれる大学生のアルバイトとか、そんなもんでした。 しかしいつの間にやらその人数の割合は逆転。 正社員なのは料理長とその他数人だけで、あとは全員アルバイト。 ファミレスのような業態にいたっては、料理長と店長だけが社員で残りは 全員アルバイトってことも珍しくなくなってしまいました。 今一緒に働いている人たちも、正社員という立場にすらなったことがない人も 大勢います。 それにはちょっと私もビックリしました。 学校を卒業したら、普通は就職するものだと思っていたから。 私が最初に就職したホテルの厨房は、完全なるブラック体質でした。 ていうか料理界ってそもそもそういうものだと思っています。 学生時代の体育会系ピラミッドをそのまま大人の社会に持ち込んだ感じ。 先輩より早い時間に出勤せねばならず、どの先輩より先に帰ってもいけない。 自分の仕事が終っても、先輩の仕事が終ってなければ手伝わなければならない。 朝は6時半に出勤し、仕事が終るのは夜11時とかザラにありました。 そして、それが3週間ぶっ通しで続き、1日休んだらまた2週間連勤とか。 残業?それ何?って感じですよ。 何時間越えたら残業になるのか考えたこともなかった。 だって、平均労働時間が15〜6時間なんだもの。 短くても14時間、長いと18時間とか。 当時の給料を時給に換算したら、500円くらいだったっけ(笑) 残業時間?あたまがわるいのでけいさんしきれないほどおしごとしました。 でもそれでも、毎日目にする新しい技術や食べたことも無い食材、美味しい 料理に出会えるのが楽しくて楽しくて、私の人生の中で一番充実していたと いっても過言ではないとも思っています。 先輩たちは厳しかったです。 女扱いされないことが、とても嬉しかった。 鍋の磨き方から始まり、包丁の研ぎ方、フライパンの振り方等々、数え切れ ない技術の数々は、当時の生活があったからこそ身についたものです。 でもそんなこっぴどい労働条件で働いていたのは、私たちが最後の世代 じゃないかなと思います。 今30歳ジャストの子に聞いても、自分はずっとアルバイトだったしそんな 厳しい場所で働いた事はないと口をそろえて言います。 3Kだとか給料が安いとか言うけど、そういう経験も悪くないんじゃない? って思いますよ。 最近一緒に働いてる人たち見てると、皆不器用だなって思います。 料理人の仕事って、けっこう器用さを求められるんですよね。 いちどにいくつの仕事を掛け持ちして同時進行させていくかで、その日の 終業時刻が大きく違ってくる。 翌日の負担がとても軽くなる。 軽くなったからといってボンヤリするのではなく、新しいメニューの提案や レシピの整理などをする。 たとえば洗い物が出てそれをシンクに運ぶとする。 そしたら、たまってる洗い物をラック1段分で良いからザザザッと洗う。 そして持ち場に戻る際には、何か1つでも持って移動し、棚に片付けるとか。 その道中にも汚れてる箇所を見つけたら片手でササッと拭き、使ってない 道具のコンセントをピッと抜くとか。 同時進行たって、別に100人分のコンソメ引きながら70人前のデザート 作れって言ってるわけじゃないのよ。 お湯を沸かしながらその間に材料切るとか、凍ってるものがあったら解凍 しながら、溶けてる間に皿出ししておくとか。 ハタチの頃から目を皿のようにして耳かっぽじって何でも吸収してやる!って 意気込みでやってれば、あとはそれが習慣化して、どんどん何でも勝手に できるようになってくもんだと思うのよ。 だけど、それができてない人のなんと多いことか!!と、今の職場を見てて 思います。 手ぶらでトイレに行き、手ぶらで戻ってくる。 おいっ!! 時間を無駄にするんじゃないっ!! 幼稚園児じゃないんだから、いちいち『お片づけの時間』なんざ設定されちゃ いねぇんだよっ!! 何かのついで、気付いたとき、その折々でできる仕事ってのが山ほど あるんだよ!! 『洗い場入って』って言われたときにしか洗い物しないから、溜まりこんで 大変なんだよ!! さっきのトイレのついでに皿の数枚でも洗って、帰ってきたときにカップの 3つでも片付ければ、そしてそれを全員が繰り返せば、そんなにアタフタ することもないんだよ!! なんでそんなことが分からない!? ってオバチャンは思いますけれど、口にはしません。 「不器用な子なのね、ウフフ」と見てます。 そういう人たちを見ると、な〜んにも考えないで言われたことだけ遂行 してるんだろうな〜って思います。 色々頭の中で考えながら仕事してる人とそうでない人、30過ぎてから 大きな差になりますよ!!と。 声を大にして言いたいです。 言いませんけどね(笑) 器用な子は、何しても器用です。 だけど「私、器用なんです」って自信持って言い切れる人材が何人いるかって 話ですよね。日本人は謙遜もするし、「自分は器用です」って言う人は あんまりいないと思うんですよ。 じゃあ不器用な人はどうしたらいいかって、器用な人の2倍も3倍も努力 するしかないじゃないですか。 どうやったらあの有能な上司のようになれるのか、どういうふうに動けば、 考えれば、あの先輩のような仕事ができるのか。 デキる人の真似をして、自分なりのやり方を模索して行くしか方法はないと 思うんです。 その努力を放棄し、飲食はキツイだの給料が安いだの、果ては時給1500円に しろとか馬鹿なこと言ってパレードしてるよね。 飲食店、ましてやファミレスのような業態で1500円だなんて、寝言は 寝て言えって思います。 そんな難しい仕事じゃありません(笑) 身の程を知りなさい。 1500円あげるとするなら、街場のレストランやケーキ屋さんで下働きしてる 若い子にあげてほしいです。 それから介護職に就いてる人。 良くも悪くも今の人たちは周囲に興味が無く、自己中です。 そして、物事を深く考える、一所懸命考えることをしません。 結果、周囲から得られる評価は「不器用な人」です。 「不器用だけど頑張ってるね」じゃなくてただの「不器用だね」です。 そして多分本人も、「不器用だから仕方ない」ってところで思考停止。 今飲食のアルバイトしてる人の中で、最終的に飲食店経営を目指してる人 なんてごく一部だと思うよ。 ほとんどの人が繋ぎとして、単なる生活の糧としてやってるんだと思う。 でも今目の前にある仕事を一所懸命やることができなくて、何が将来の夢だ って話ですよね。 あんなパレードに参加してるような連中は、たとえ明日から時給が1500円に なったとしても「1500円もらってるんだから頑張ろう」っていう思考になる 人は皆無だと思うよ。 多分それにあぐらかくだけの人種だと思うわ。 時給が1000円でも800円でも一所懸命やる人はやるし、やらない人はやらない。 やるべきことをやる人と、やらない人がいるだけ。 ゆとりだの何だの言われてるけど、突き詰めていけば親の教育なんじゃないかと。 「みんな違ってみんないい」のは確かにそうですが、だからって皆が皆 自分勝手に好き放題やり散らかして良いってことではないですよ。 世の中にはルールってもんがあって、やっぱりそれは「九つ」の年までに 親が叩き込んでやらなきゃいかんと思う。 軍隊のように歩けとまではいかなくても、中学生にもなって歩道を二列縦隊 で歩けないというのは、そしてそれを統率できる先生がいないというのは 由々しき問題であると思うのだ。(とある修学旅行中の生徒たち) とにかく。 たかだか飲食の仕事に1500円くれというのは的外れ。 それから、何故飲食業界の人手不足が顕著なのかということについては、 不器用な人が増えたこと、それを補う努力を嫌う人が増えたこと、それから 単純に料理人の世界が理不尽で古臭くて面倒な上下関係から脱却できないこと にあると思います。 あ、不器用な人が増えたって書きましたけど、最近は何もかもが便利です もんね。 先日私が世間話がてら「明日って雨降るんだっけ〜?」と問いかけたことに 対し、無言で自分のスマホをいじり天気予報サイトを表示して目の前に 突き出されたことを思い出しました(苦笑) それから、「○○駅って何線通ってるか知ってる?」って聞いたら、 「アプリで調べたら?」って返事が返ってきた。 えええぇぇぇ〜〜〜!? 思いました(涙) ...
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