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2004年04月05日(月) 笑えなかった冗談

ああ、自分がつくづく情けない。
先日、私は見事に引っかかった。なににって、あるサイトのエイプリルフールネタにだ。
私は現在いくつかの日記リンク集に登録しているのだけれど、四月一日の朝、そのうちのひとつである『ReadMe!JAPAN』に更新報告をしに行き、あっと驚いた。昨日までまったく通常通り運営されていたにもかかわらず、突然こんな事態になっていたからだ。



私は「えらいいきなりやなあ」とつぶやきつつも、 をその場で外し(このアイコンをサイト内に貼りつけておくことが参加条件となっている)、『ReadMe!JAPAN』をブラウザのお気に入りから削除した。
これがエイプリルフールのイタズラだったと知ったのは、翌日になってからだ。消滅したはずの『ReadMe!JAPAN』からのアクセスがあったため、不思議に思って見に行ったところ、サイトは復活しており、「おどかしてすいません、ほんのデキゴコロです」という管理人さんの弁を見つけたのである。
あらためて「ドッキリ」のページに飛んでみて初めて、右端にスクロールバーが出ていることに気がついた。バーを下ろすと、こういうことになっていた。



幼稚なからくりを見抜けなかった自分の愚かさにあきれ果て、私は頭で釘を打ちたくなった。

「やられちゃったよ、アハハハ」で済ませるのは悔しかったので、どうしてこんなものに引っかかったのだろうと考えてみた。
もちろん私の機転の利かなさ、おっちょこちょいが一番の原因だけれど、もうひとつ心当たりがある。それは、『ReadMe!JAPAN』に対する愛情が薄かったことだ。
現金なもので、多くの読み手を運んで来てくれるリンク集に対してほど、登録者は「お世話になってます」感や愛着を強めるものだ。よって、毎日ひとりかふたりしか飛んでこない『ReadMe!JAPAN』への私の思い入れはほかのリンク集へのそれと比べたら圧倒的に弱かった。少しでも「困ったなあ」とか名残惜しく思う気持ちがあったら、これほどあっさり閉鎖を受け入れ、アイコンを外すことはできなかっただろう。
それと、『ReadMe!JAPAN』というサイトにいまひとつ信頼感を抱くことができなかったことも、愛情を持てなかった理由である。
昨年の七月にシステム障害が起きて以降、登録者サイドからは登録内容の変更や削除といったことが一切できなくなってしまった。サイト運営が本業でもなかろうし、管理人さんがその機能の復旧のために割く時間を捻出できずにいるのであろうことは想像できる。それでも掲示板に、
「URLが変わったのですが、登録内容の変更ができないので困っています」
「登録削除を依頼しましたが、一向にしてもらえません。管理人さんにその時間がないなら、登録者自身が削除できるようシステムを回復させていただきたいです」
といった投稿がズラリ連なっているのを見ると、「ほかのリンク集だったら八ヶ月間もこの状態のまま放置されているだろうか」と考えずにいられないのも正直なところなのだ。
そして、このいくばくかの不信感もまた、私が「サービスは終了しました。ご利用ありがとうございました」をすんなり受け入れてしまった理由のひとつなのである。
だから、『日記才人』や『テキスト庵』で同じイタズラが行われていたとしても引っかからなかった、と私はほとんど断言できる。反射的に「えーー!」と叫んだ十秒後には、「……なわけないやん、なんの告知もなく終了するなんて」とつぶやいたであろう。
それぞれの管理人さんと個人的にやり取りしたことはないけれど、掲示板での発言やトラブル時の対応を見てきて、少なくとも、一夜にしてサイトが消滅しているという事態を「ありえない」と笑いとばせるくらいの信頼は置いているからだ。
どんな理由を並べようが、引っかかったのは私が鈍くさかったからであるが、掲示板を見たら同朋がけっこういたことがわかった。
「冗談やってる余裕があるなら、システムの復旧を早急にお願いしたいです」と言いたくなる気持ちはわかるし、「苦労してやっと取り付けたアイコンを外してしまいました(涙)」には本気で同情してしまった。慣れないうちは用意されたタグを埋め込むだけでも四苦八苦するものだから。
それにしても、こんな目に遭ったのは本当にひさしぶりだ。「起立、礼」のあと腰掛けようとしたら後ろの男子にイスをさっとのけられて、尻もちをついたときのような気分。すぐにピンときてエイプリルフールの冗談として楽しんだ人のほうが多かったのかもしれないが、真剣にだまされてしまうと笑えないものだな。

【あとがき】
日記リンク集にも「贔屓」はあります。私の場合、ブックマークした日記の巡回に使うのは日記才人ですね。マイ日記才人が便利ですから。でも才人は登録数が多すぎて、新規開拓には向かない。それにはやはりテキスト庵でしょう。あそこは参加資格が段落文体のテキストに絞られているので「読み物」が見つけやすいし、登録日記の質が高いような気もします。
日記リンク集にはいろいろ個性がありますが、「男性」に例えるなら、私はがつがつしておらず落ち着いていて、知性と品を感じさせるテキスト庵タイプの人が好みです。日記リンク集の雰囲気には管理人さんの人となりが少なからず反映されている気がします。