つづき

最も親しい友達を失ったときの気持ちは?

信じられないけど、悲しくはなかった。
苛立たしいわけでもなく、くやしいわけでもなく、悲しいわけでもく、涙は出てこなかった。

僕の心は何も感じなかった。

「つらいよね。」と心配そうに話しかけてくる知人に、どんな顔をすればいいのかわからなかった。

そして心が複雑になる、急激に、化学反応のように。

学校に行かず、ぼーっとすごした数日の後に、彼の心に体の底から強い感情が浮かびあがる。

その感情を死ぬまで忘れない。

自分に対する怒り。

親友の命を奪ったのが自分であることに気づく。
僕は友に救いの手を差し伸べることができた、
ただ一人の人間だったのに。。。

その手を差し伸べなかったのだから。

僕の心は複雑になり、迷路のようになっていく。

「親友の分までおまえは強く生きろ」
「親友の命を奪ったおまえに生きる資格なんてない」
と僕の心は同時に言った。

僕の人生は孤独だった。

高校を卒業し、大学に進んでも、友達をつくることはなかった。傷つくのが恐かったわけではなかった、むしろ傷つけるほうが恐かったから。

時間は問題を解決しない、僕の心をどんどん複雑にし、巨大で立体的な迷路を作り上げる。

その迷路の中で、必死になって答えを探す作業は、苦痛でしかなかった。

けれども、そのことが僕の「自分だけ生き残ってしまった」という後ろめたさを
薄めていってくれた。

僕はそうやって成長した。大人になったわけじゃなくて、複雑になっていくことで。。

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僕は年に一度お墓参りをする。
そして今年一年あったことを墓前で時間をかけて報告する。
このお墓参りも今年で10回目になった。

僕は社会人になったことを報告する。
サラリーマンなんかになった僕のことをみとめてくれるのかなw
僕は社会に出て、仕事をして、お金を稼ぐようになったよ。
だけど、僕のなかの芯の部分は今もあの頃と変わらずガキのまんまw

でも、それでもいっかなって最近思ったりするんだ。
2005年11月26日(土)

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