
一番エネルギーがある時に力を抑えて合わせて走っていた。
それなのにいつのまにか出し抜かれてしまった。
たしかに、「待ってくれ」と頼まれたわけでない。
でも相手への気遣いからそうすべきが一般的だと思っていた。
そして図々しくも恩返しを期待していた。
フラストレーションの行き場。
自分への後悔とみすぼらしさ。
どこに向ければ良いのだろう。
そして、そんなことを考えているうちに「今」はなくなる。
ガソリンはタンクから漏れ出している。
走る道すら閉ざされていく。
僕のバイクはめちゃくちゃで。
タンクに穴が開いたまま走れるわけはない。
一言でいいから詫びて欲しい。
なぜ穴を開けたのか。
穴が開いたことすら気付かずに。
無神経に僕を心配する。
いい加減穴が開いたことに気付いて欲しい。
それを知って、罪を認識して欲しい。
自分が犯した罪の大小は人から教えられるものではない。
自分自身で認識するものだ。
なぜならそれが一番の罰だから。
僕は一度きりを棒に振る。
二度目は僕ではなく赤の他人。
相手だけを傷つけるのを避けるため、自分も最大限傷つける。
それがせめてもの愛情。
そして少なからずの感謝の心。
写真:『旅路』(徳島県阿波市阿波町天西山にて)
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