うららか雑記帳
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今日は父方の祖父の命日。 13回忌です。うちの地域では13回忌は特別何もやらないけど、昨日、チョコを持って祖父にお線香をあげにきてくれた人がいたことが嬉しかったなぁ。 そう、祖父はバレンタインデーの翌日に、真夜中すぎに他界したのです。 たまたま祖父にチョコを渡しそびれてしまった私は、「明日渡せばいっか」と考えて布団に入りました。 同居していた上に、祖父は宵っぱりだったから、渡そうと思えば渡せたのにね。 ……その夜、祖父は亡くなりました。自宅の居間で、真夜中すぎ、誰にも看取られることなく眠るようにして逝ったのでした。 今でも鮮明に覚えてます。祖母の取り乱した声、ぴくりとも動かない祖父、生気の失せた顔、父の「こりゃもうダメだ」という言葉、夜空に白々と輝く満月。 そうしてチョコは手渡す相手を永遠に喪いました。 “明日渡せばいい”――明日なんてないのかもしれないのだと、このとき思い知らされたのです。 あちら側へ渡ってしまった人にはもう会えない。絶対的で、何者にも覆せない、死という隔たり。 謹厳実直で、事実上私の育ての親だった祖父は、自らの最期にも孫娘に教えを遺してくれました。 『明日』は、ひょっとしたら来ないかもしれない。だから、感謝や好意やお礼、そういう気持ちを抱いているのなら、きちんとその都度相手に伝えていこう。 家族でも恋人でも、友達でも職場の人でも。 同じ時代に生まれて知り合えたという奇跡に感謝を。 そして、その想いをきちんと伝えて、伝えられて。 そんなふうに丁寧に、一日一日を過ごしていきたいと思うのです。
……ちょっとだけ、しんみりしちゃったな。 あの晩は冴え冴えたる月夜だったけど、今夜は曇り。 夜の梅花もなかなかに乙なものです。
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