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- 2006年06月17日(土) ∨前の日記--∧次の日記
- 存在。

一週間前、6月11日、

突然、我々の仲間が亡くなった。



***********************************




彼は、我々のリーダーであった。そして仲間だった。
我々の先頭に立って、同じ目標を目指して歩んできた。

仲間たちを悲哀の淵へ追いやったリーダーの急死。
彼の傍で裸の付き合いをしてきた者たちに、
理不尽なほどの悲しみと喪失感をもたらした。

私は、400kmも離れた場所で働いていたので、
彼が持つ圧倒的な熱気を肌で感じる機会は多くはなく、
他の仲間と同じ感傷に浸るには、ふれあう時間が短か過ぎた。

しかし、一滴の涙も流れない程、
彼を失った事実は、私にとって決して小さくはない。




************************************




彼と出逢って2年半。少ないながらも数十回と逢っている。
言葉も交わした。色んな事を教わったし、口論もした。

私から見た彼は、リーダーとして心底尊敬して止まない部分と、
どうしても理解できない部分との、二つの側面を持っていた。

しかし、その両極端な部分を持つからこそ、彼は真に「人間的」だった。
圧倒的な人間力を持つ存在として、最も影響を受けた人の一人である。
何よりも2年半前に、私に第二の進路を決めさせたのは彼のその人間的魅力。
仲間の中で、彼の存在感は際立っていて、私もそれに惹かれたのだ。




遠くにいたので、体温を感じあう交流が少なかったが、
強いて挙げるならば想い出は幾つかはある。特に亡くなる前のこの半年間、
彼は遠くに居ながら、妙に私の心身を心配してくれた。

「お前、夜眠れないならな、帰りがけにスポーツクラブでひと泳ぎするんだ。
 脳の疲労を肉体の疲労に変えてから寝ろ!俺もやるから、お前もやれ!」

「また、色々悩んでるんじゃないのか?云ってみろ。仕事か?女か?夢か?」

通夜の時、そんな彼の「生身の言葉」を、彼の亡骸を見ながら想い出せば、
さすがに、反射的な悲しみがこみ上げる。
しかし正直な所、やはり「リアル」ではなかった。亡くなった実感のない遠い場所から、
彼のすぐそばまで赴いたにも関わらず、失ったという実感が起きないのだ。





彼はリーダーであった。しかも離れた場所にいる人間。
本来遠い存在のはずなのに、微妙に体温を感じる近い存在。
それが私にとっての彼であった。
まさに「社長」と呼ぶよりも、「仲間」と呼ぶのがふさわしい。

それ故、彼の死をどう捉えてよいのか分からなかった。





**********************************





火曜の通夜、水曜の告別式と、慌ただしい一週間であった。
色も温度も失ったリーダーの顔を見ながら、ずっと感じていたのは、


「存在感」って何だろうか?・・・・ということだった。





何よりもまず、そこに肉体が在ると感じる手ごたえだろうか?
肉声や体温の記憶、同じ場所にいる臨場感だろうか?

それはあくまで「生身の実在感」だ。
この感覚が鮮明に残る大切な人間を失ったとしたら、その喪失感は慟哭の悲しみである。
リーダーの傍にいた仲間達の悲しみは、おそらくこれに違いない。
それは、私が入リこむことの出来ない領域だ。


だが、「存在感」というのは、これとイコールではない。


「存在」とは、失わないと、その正確な大きさを測れないとよく云う。
「実在」しなくても「在る」と信じられる・・・それが「存在感」だ。



*********************************



遠く離れた場所にいた私にとって、リーダーである彼の「実在感」は、
正直云って、ネット友人やTVに映る芸能人に接する感覚に近い。薄いのだ。
体温や手触りや感情を伴う実在感には足りない。

だが、彼の「存在感」は、絶大であった。いつも感じて止まない。
私は「生身の彼」ではなく、「存在としての彼」と共に過ごしてきた。

直接逢った時に、彼から放たれた熱のある言葉たち・・・
信念、方針、説教、賛辞、叱責、助言…の数々。
それらは時間が経つにつれ温度を失うが、同時に昇華されて、
純度の高い記憶となって頭に埋め込まれている。
私は、その記憶とともに、彼と日々仕事に従事していた。

そして、

そのことは、彼が亡くなる前も、亡くなった今も、
私にとって変わらないのだ。
私にとっては、彼は変わらずに存在しつづけている。

生身の実在感が少ない故、その喪失感にピンとこなかった。
彼が放っていた圧倒的な存在感が故に、失った気分にさせてくれない。


これまでと全く同じだ。


・・・


彼は、亡くなったがここに居る。


みんな、そんな感じでいいんじゃないか?
確かにコレって、私の立場だから云える慰めなのかもしれない。


でもさ、今もリーダーは全然元気なんだよ。
彼の言葉は、変わらずに生き生きしてる。
おっと云っとくが、決して変な信仰ではないよ笑


それに、鋭い言葉の姿のままで、余計な動きをせずに、
じ〜っとしてくれてた方がいいと思わないか?あの人は特に!爆

さて、今日もまた、彼の言葉に説教された気分だぜ!




こういう存在感こそが、
リーダーたる人間の存在感なのだろう。





…という感じで、

だから、がんばろう!
特に、シュンとした上のお兄さん方!笑




*********************************




凄まじいスピードで人生を駆け抜けていった我々のリーダー。
これからはどうか、ゆっくり、ゆっくりと過ごしてください。

ありがとう。
あなたの教えてくれた道を、みんなともう少し歩いてみます。


ご冥福をお祈りします。





060617
taichi





※本日は、完全なる私日記となってしまいました。
ご拝読ありがとうございます。

...
    

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