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- 2005年08月15日(月) ∨前の日記--∧次の日記
- 『戦後』は、まだ10年しか経っていない?

今年の8月15日で、戦後60年らしい。

そこで10年ずつ区切って、日本の戦後を6つにゾーニングしてみたところ、
本当の戦後はまだ10年しか経っていないことに気づいた。




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「国家再生」の10年

最初の10年間【1946年(昭和21年)〜1955年(昭和30年)】



GHQ主導の下、憲法制定、日米安保条約を結び、
講和条約にて主権を回復して独立。再び自分の足で歩き始めた10年。
国内政治においても五十五年体制が成立。以降1993年まで続く事になる。



■1946年/日本国憲法 労働基準法、教育基本法 発布
■1948年/朝鮮南北分裂 ■1949年/東西ドイツ分裂 ■1950年/朝鮮戦争勃発
■1951年/日米安保条約締結 ■1952年/サンフランシスコ講和条約・日本独立
■1954年/防衛庁・自衛隊発足 
■1955年/自民党・社会党統一…五十五年体制成立




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 二大好景気で急速回復。
「復興お披露目」の10年


次の10年【1956年(昭和31年)〜1965年(昭和40年)】


朝鮮戦争におけるアメリカの極東工場化により、爆発的経済成長を遂げる。
国民の生活レベルも急速に向上する一方で、国際舞台への復帰も果たす。
日米安保によるアメリカの保護の下で経済復興・国際的信頼の回復を遂げ、
講和条約による独立から、新幹線開通、東京五輪までの十数年間はまさに、
世界史上類をみない驚異的な復興を、世界にお披露目するためにあった。



■1955年〜神武景気(〜57年)…朝鮮戦争特需による爆発的好景気
■1955年〜三種の神器ブーム ■1956年/経済白書「もはや戦後ではない」
■1956年/日本・国連加盟 ■1956年/日ソ国交回復
■1959年〜岩戸景気(〜61年)…国民総生産(GNP)前年比14〜17%増
■1960年/日米新安保条約締結 ■1960年/安保闘争本格化
■1964年/新幹線開通 
東京オリンピック開催 海外旅行自由化
■1965年/日韓基本条約・・・国交正常化




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「高度経済成長終焉」
「経済的独立」の10年


21年目〜30年目
【1966年(昭和39年)〜1975年(昭和50年)】


前半の5年間、いざなぎ景気を背景に揺るぎない経済基盤を確立した日本。
その後の70年代初頭の5年間は、経済・軍事・政治ともに世界的混迷の時代。
軍事・経済というアメリカの2つの傘の下で国力をつけてきた日本であったが、
ドル危機と戦争で疲弊したアメリカより「経済の傘」を取り払われる。
日本は米との関係を維持しつつ、国益を前面に出した経済主義的外交を展開。
アジアでは日本の経済侵略、軍国主義の復活として警戒され暴動が起き、
アメリカとは深刻な貿易摩擦問題へと発展する。
しかしながら日本は、ドル危機,石油危機などの世界的な経済混迷を尻目に、
二大景気に支えられ、アメリカから経済的な独立を果たした10年。
名実ともに経済大国へ。


■1965年〜いざなぎ景気(〜70年)…世界第二位の経済大国へ
■1968年〜3C時代(カー、クーラー、カラーテレビ)
■1968年/ベトナム戦争勃発  ■1970年/大阪万博
■1971年/ニクソンショック…固定為替レート崩壊 ■1972年/貿易完全自由化
■1972年〜田中角栄内閣(〜74年) ■1972年/沖縄返還、日中国交回復
■1972年/札幌冬季五輪 ■1973年/変動相場制へ移行 
■1973年/第一次石油ショック 
■1974年/戦後初のマイナス成長…高度経済成長時代の終焉
 ■1975年/ベトナム戦争終焉

※この頃から、公害・環境問題、長時間労働・職業病、学歴競争等の問題が発生。




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 経済舞台での新たな戦争
「日本一人勝ち」の10年


31年目〜40年目までの10年
【1976年(昭和51年)〜1985年(昭和60年)】


ドル危機・二度の石油危機から、東西の主要国が立ち直れずに停滞する中、
日本は、企業の減量経営・合理化を図る一方で、積極的輸出促進により回復。
大企業の多国籍企業化により世界各国へと進出し、70年代後半の輸出洪水で
貿易黒字は劇的に増大。日本はまさに世界で一人勝ち状態に。
アメリカとの経済摩擦の激化に伴って、国内では経済ナショナリズムが台頭。
混迷期において、戦前の「軍事」に変わる新しい日本のアイデンティティ
「経済大国」を守らんとする国民意識が、世界へのさらなる経済進出を加速。
しかし平行して中曽根首相による戦後初の首相による靖国神社公式参拝により、
アジア諸国の反発をよび、日本のナショナリズムの軍国主義化が警戒される。



■1975年/石油ショックで世界経済が停滞する中、日本一人勝ち
■1976年/第1回先進国首脳会議(サミット)開催
■1979年/第二次石油ショック ■1980年〜ソ連、アフガニスタン侵攻
■1980年/日本、モスクワ五輪ボイコット
■1982年〜中曽根内閣の国家主義的姿勢…アジア諸国が反発、後の火種に
■1984年/ODA世界最大規模に





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 激動の世界情勢の中、
「登り詰めて、泡と消えた」10年


41年目〜50年目までの10年
【1986年(昭和61年)〜1995年(平成7年)】


85年のプラザ合意は、世界経済の舞台で日本が世界の頂点に立ったことを示す
象徴的な事件であった。この後2年間の不況を経て、87年のブラックマンデーが
投資家の投機熱を呼び起こし、バブル景気の引き金を引く事となる。
日本が経済の頂点に君臨する世界舞台の基盤であった東西冷戦構造・日米安保が、
89年〜91年の革命期を経て、ソ連の消滅で終焉を迎える。国内でいえば、
93年の非自民連立政権の誕生・五十五年体制の崩壊をもって終わりとされる。
軍事力での太平洋戦争に敗れた後、経済力でもう一度世界に挑んだ日本。
経済成長の基盤としてきた世界舞台そのものが崩壊し、国内でバブル経済が崩壊した。
栄光と狂乱、そして崩壊、日本にとって「2度目の終戦」を迎えた10年間。



■1985年/プラザ合意(日米貿易の不均衡是正。円高促進へ)
■1985年/対外純資産が1298億ドルで世界一。 
■1986年〜円高不況(〜87年) ■1987年/ル−ブル合意…当時最低の公定歩合
■1987年/ブラックマンデー(世界同時株安)…日本は即回復。経済力を世界へ示す
■1987年〜日銀低金利策継続(〜89年)
…バブル景気本格化
■1989年/昭和天皇崩御、消費税導入、天安門事件勃発、東欧革命→マルタ会談・
冷戦の終結
■1990年/株、債券、円のトリプル安 
→バブル崩壊へ  ■1990年/東西ドイツ統一
■1990年/湾岸戦争勃発 →石油価格上昇懸念による公定歩合引き上げ…株価下落
■1991年/土地神話崩壊 ←90年の不動産貸出の総量規制により地価が下落
■1991年/ソ連消滅  ■1992年〜PKO法成立・自衛隊派遣(〜93年)
■1993年/朝鮮人従軍慰安婦問題に関して日本政府公式謝罪
■1993年/非自民・非共産の連合政権誕生…自民党一党支配の終焉
■1993年/細川連立政権、太平洋戦争を侵略戦争と認め犠牲者への哀悼の意を表明。





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そしてこの10年


日本にとって
『本当の戦後』が始まった。


51年目〜60年目までの10年
【1996年(平成8年)〜2005年(平成15年)】







■戦後50年は「戦後」ではない

戦後50年は、アメリカ保護の下で莫大な経済力と見かけの政治力を身につけ、
「世界の番犬」アメリカと「世界の金庫」日本というコンビを結成し、
第二次大戦から続く冷戦構造の枠組みに縛られながら進んできた半世紀である。

戦後の日本が、零戦や戦艦の代わりに勤勉と技術を武器に、驚異的な早さで世界進出する様は、
まるで、戦前同様のナショナリズムを、世界経済という舞台にシフトさせて、
2度目の太平洋戦争を仕掛けていたかのようである。

その時代は終わった。東西対立の世界の枠組みは崩壊し、日米安保も形骸化した。
太平洋戦争から続く長い戦争が終わりを告げた時、過去50年間で始めて、
日本は一国家として「己は何たるか」という疑問を突きつけられた。
日本が50年してきたことは、単なる「世界の錬金マシーン」に過ぎなかったのか?
経済主義に偏った国内外との交流のツケが、この10年間で膿(うみ)として噴出したのだ。




■50年間の「経済戦争」の膿(うみ)

韓国・中国との国交回復と国家賠償は、アメリカ主導の下に行われたばかりに、
冷戦時の反共対策という意味でしか認識されていない。人権や平和という観点での
主張・共感が弱いまま今日に至り、東アジア諸国との摩擦として顕在化してきている。
これは政府だけの問題ではなく、経済主義に走り続けて豊かさに溺れた故に、
隣国との国際問題に対してほとんど興味を示さず、政治を放置した国民にも責任がある。

国内においては、少年犯罪やニート、中堅層の鬱病という問題が吹き出している。
これは60年代の高度成長期において表面化した、長時間労働・職業病・過労死や
子供の学歴競争・偏差値教育に端を発しているに違いないだろう。



まだ他にも色々あるが、直近の10年間に出て来た問題のすべては、
経済主義へ偏った日本の50年間が溜め込んだ膿(うみ)であり、
本当の「戦後」を迎えて、日本はようやく気づいたのだ。





■再び『復興の10年』となるべきが…

この10年間は、実は太平洋戦後の10年と同じく
『復興の10年』『立て直しの10年』であるべきだった。

経済・政治・外交において、新しい枠組みの中で、
日本の素の国家力と国民力が試された10年、
それが1996年〜2005年であった。しかしながら…、

戦後システム崩壊後、変革の濁流にのまれ二極化する社会。
幾多の経済政策も一部の勝ち組だけが享受し、「日本総負け組状態」は変わらず。
おまけに、景気回復時に消費税を引上げた橋本内閣の失政で、底なし不況へ転落。
高度経済成長社会の幻影が、古い世代に変革を拒絶させ、にさせる。
生まれた時から身に付いた高い価値観が、若い世代を盲目にして無気力にする。
高度成長期の貯金を食いつぶす、今日の企業・家計・そして政府。
日本全体が『2つの戦争』が終わった途端に、目標を見失って迷走している。




■一見、積極的に立て直そうとした10年に見えるが…

この10年、自国のことで、自分のことで、日本国民は精一杯だった。
子供達に至っては、自分に関係があるもの以外に興味を持たなくなった。
今日の日本を支える30代以下の世代は、完全に戦争を知らない。
私の親もそうだが、戦争を伝える親世代がすでに直接知らない世代であり、
私のような子供世代は、完全に戦争コンプレックスが無い世代となった。
つまり「国のために働く」という意識は全く無くなったのだ。
自分や家族のことを考えても、国や世界のことにまで興味が無い。
興味無くとも知っていればまだいいが、驚く事に全く知らなかったりする。


この10年の一番の問題は、
今日の日本が、あらゆるものに「無知」であることだ。


国民は戦争を知らない。政治を知らない。隣国を始め世界のことを知らない。
政治家は国民を知らない。国民が欲しているものを知らない。
国外との交渉においては、経済以外のコミュニケーションを知らない。
官僚達はそもそも自分の利権以外のことを知らない。


この10年は、『復興の10年』ではなく、
『無知・無気力な10年』で終わってしまったのだ。


冷戦構造・日米安保の下、経済貢献だけの受け身な50年が、
全てが取っ払われたこの10年間の「無知」「無気力」に繋がっている。
何かのナショナリズムがないと、この国はまとまらないのだろうか?







■次の10年、なんとかしないと、やばいよ


消費が低いままというが、そもそも日本は生活単価の高い高消費社会である。
売れないと分かっていても企業は商売しなければならないし、収入がきつくとも
家計は毎月高い生活費を消費しなければならない。政府はそれを助けなければならない。
せっかくの高度経済成長時代の財産を、どんどん食いつぶしているのが今の日本である。

私もそうだったが、こういう現状を国民が無知のままではいけない。
郵政民営化なんて今でなくていい。もっと即効性ある政策を国民で求めなければ。
一方で政府は、国民が求めるものを知ってほしい。双方の積極的なカラミが足らないのだ。



60年前の痛ましい過去に関して政府がするべきことは、アメリカの傘の下から出て、
一国家として、どんな駆け引きも存在しない場で、しっかりと行ってほしい。
国民は国際世論をもっと知って、皆で云うべきことを主張し、するべき行動をしないと、
どこかの国のデタラメな主張が現実となって、世界の信用を無くすかもしれない。

今の時代はネットがあるわけで、知る機会や手段は以前より格段に増えている。
せめて問題の存在を知らなければいけない。政府が幾ら謝罪や賠償をしようとも、
我々一般国民の「無知」こそが、実は周辺隣国に対する態度として一番失礼なのかもしれない。

国民は、実行動でもネット経由でもいいから、まずは知って、積極的に関わるべき。
政府は、もっと国民を知ってほしい。あなた方の物差しはもう古い。





無知で無気力…。
生産性や創造性また人間的魅力のない国には、
経済的にも人間的にも、価値や信頼は生まれない。

今の日本は、世界中から価値が無いと売り飛ばされてたあげく、
企業も家計もビクビクしてお金を出さず、ステージで何も行われない状態。
何も行われないのに、居るだけで税金や維持費や生活費だけがかかっている。
己の足元が沈んでいくのに、日本はおろか世界のことなんて見えやしない。
必然的に、自分だけはと思う者、見て見ぬフリをする者、現実逃避する者が増える。
こういう人達が沢山いる国に、価値とか信頼とか生まれない。

政府は、とにかくまず、企業と家計(家庭)を元気にさせてくれ。
一人一人は、己はもちろんのこと、もっと周りのことも知って、言動に移そう。
それを次の10年でやろう。そして、再び日本が活力を得た時、
その時こそ政府は、「もはや『戦後』ではない」とコメントしてほしい。



050815
taichi




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