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- 2005年02月25日(金) ∨前の日記--∧次の日記
- 楽天球団の広告価値を創出する三木谷マジック

03年度、12球団の赤字合計が150億円。パリーグは全球団が赤字。
日本ハムやオリックスは30億円台、消滅した近鉄に至っては40億円。
さらにダイエーは、巨人に次ぐ330万人を動員し、
リーグ優勝にもかかわらず、なんと10億円の赤字。

※2004/7/19の朝日新聞より。数字は03年のもの。




そんな中、
新球団・楽天が示した初年度の球団運営収支は
なんと赤字7.8億円。
しかも参入4年目で黒字転換させると云っているのだ。


一体どんなマジックが隠されているのか?




1月に発行されたNUMBER(622号)に掲載された記事に
その秘密が書かれていた。以下はその記事を基に書いています。





***********************************





赤字にしないためには、云うまでもなく、
収入を上げて、支出を抑えること。
そのどちらにもマジックが隠されている訳だが、
今回取り上げるのは収入の方。



ちなみに、他球団の収入は(数字は03年)
=============================
巨人/240億、阪神/179億、中日/103億
横浜/76億、広島/65億、ヤクルト/61億
ダイエー/不明、西武/不明、近鉄/44億
日本ハム/約30億、ロッテ/約30億、オリックス/約40億
=============================



楽天は初年度で約56億円の収入をめざすという。
パリーグのAクラス球団並みの収入をめざすというのだ。

球団収入は大きく分けて5つ。
1.入場料収入、2.広告収入、3.TV放映権収入、4.ネット放送、5.グッズ販売。


この中で広告屋のハラ的には、広告収入に注目するしかない。
楽天が他球団と比べて破格の見込みをしているというからだ。






***********************************







球団の広告収入というのは、球場の看板広告がメインとなる。
楽天はこの広告収入で約18億円を見込んでいるという。

ちなみに、ロッテの広告収入は来期2億円が目標だそうだ。
今年北海道へ移転した日本ハムは6億円らしい。

楽天の広告収入18億円は破格である。
単純な看板広告費だけでそんな額が見込めるはずがない。
絵に描いた餅ではないか?と勘ぐられても仕方がない。




しかし、楽天球団社長によると、
2004年の末時点で、18億のうち10億は確定したらしい。
さらには、交渉中のものも合わせれば16億はいくという。



本拠地となる仙台の「フルキャストスタジアム」の観客収容人員は23000人。
3〜4万人も入る他球団の球場とはキャパが違う。
また、楽天試算の平均動員数は15000人。
決して楽天的な見込みではなく、Bクラス並みの控えめな試算である。

これら要素で看板広告効果を考えた場合、
広告費としては、やはりロッテと日本ハムの間ぐらいが妥当だろう。
新規参入による注目度を鑑みても、日ハムの6億がやっとだろう。

なのに18億?!、しかもクリアできそう?!




一体、楽天は何をしたのか?






***********************************






NUMBERの記事に書かれている答えを読むと、なんてことはない、

今どきの縮小市場における商売の基本中の基本であった。





ハードを売るのではなく、ソフトを売る。
モノを売るのではなく、価値を売る。
媒体を売るのではなく、相手の利益貢献となる提案を売る。
その効果に対してリーズナブルな金額を設定する。






つまり、

看板+権利のパッケージ販売。




具体的には

==============================

●地元スーパー → 看板+始球式権利付パッケージ
スーパーは「お買上○円以上の人には抽選で始球式権利があたる!」
というチラシをつくって宣伝することが出来る。

●地元百貨店 → 看板+球団名使用特別セール権利付パッケージ

●大手メーカー → 看板+マーチャンダイジング(商品化)権利パッケージ
ビールメーカーだったら、「楽天イーグルスビール」を販売できる権利。
東北地区のシェアが低い全国区メーカーに対して営業をかける。

==============================


などなど。




***********************************






「看板掲出効果なんて、所詮スポンサー企業名の告知でしかない」
という楽天球団社長。看板を売ろうとしてたら、その程度の効果に
見合った金額でしか売れないのだ。

そこに権利を付ける。こういう看板の売り方をした球団は、
おそらく楽天が初めてだという。っていうか、他の球団は赤字のくせに
そんなこともしてなかったのかって感じだが…。

こうなると、権利の方がメインで、看板がオプションのような売り方である。
しかし、いくら権利付きパックを用意したからといって
単に売りつけていては物販と同じだ。


重要なのはここである。





お客の事情に合わせて、権利内容や金額を変更し、
その権利をどのように活用すれば相手にとって効果的かを
説明している。




つまり、

顧客の販促課題に対する
ソリューション営業をしているわけだ。





スポンサーとなる客はおそらく、
看板掲出+権利に加えて、楽天広告営業マンのソリューションに対しても
広告料分の対価を認めて契約しているのだろう。





あーーー広告屋として是非見習わねば。







***********************************






ちなみに、楽天が他球団より広告収入を見込めるのは、
宮城県から公営球場の独占的使用権が与えられていることが大きい。

札幌ドーム、千葉マリンスタジアム、大阪ドームなどは、
球団とは独立した株式会社が運営している。


つまり、球団は球場広告費を独り占めにできないのだ。


この部分は、支出の話になるが、
県の公営球場を使用する楽天は、県に5000万円の使用料を払う。
対して例えば近鉄は、大阪ドーム使用料で年間6億円を支払っていた。


これだけで、利益5億の差である。





***********************************





パリーグの他オーナーが眉唾する
初年度赤字7.8億という目標。


これをクリアするための三木谷マジックは、
権利付き看板広告以外にも、チケット販売チャンネルの工夫など、
色々と細かなネタが用意されている。
さらに3試合実施されることになった巨人戦はあまりに大きい。
(1試合1億円の放映権収入)

しかし、
収支目標実現のために用意された様々な小ネタの数々も、
三木谷社長が交渉で勝ち獲ってきた土台の上になりたっている。




三木谷社長は、
安い公営球場を本拠地として、
行政との交渉で
独占的使用権を認めさせた。





このことは、収入面でも支出面でもあまりに大きく、
目標を現実化させるための不可欠な要素であった。

目標に向けて動いていく激流の中で、
押さえるべきところをしっかり押さえていやがるぜ、
と思わずうなる部分である。これぞ社長の仕事だ。




そして、プレゼントのような巨人との交流戦の実現は、
事前からナベツネとのパイプをしっかりつくり、
プロ野球機構とともにしっかり根回しした結果だ。

しかし、この点について世論は不快感を示していて、
ホリエモンの方が支持が高かったのは記憶に新しい。




***********************************




美学を追求するホリエモンにはシンパも多い。
しかし、最近の騒ぎもそうだが、所詮はスタンドプレーである。

野次馬的に一企業人として見た時、彼には魅力を感じるのは事実。
しかし、もし俺が彼の社員だったら、共に働こうという気がしないだろう。


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社員の立場で、社長として魅力があるのは、三木谷氏の方だと思う。




誰だって己の美学にこだわって、かっこつけて仕事をしたい。
俺だってそうだ。三木谷氏だって一社員だったら、もしくは、
一匹狼の個人事業主だったらこだわるだろう。

しかし、彼は社長であり球団オーナーなのだ。





美学にこだわり、権威に反発するより、
一時的でも権威に取り入って協力を得ることが
黒字に繋がるのであれば、美学を捨てる勇気。






それが、何千人という社員をかかえる社長の仕事であり、
何千万というファンをかかえる
球団オーナーの本当の仕事なのかもしれない。






*************************************





初年度はいいが、実際は2年目以降が大変であろう。
ゼロから頑張っているだけに、ファンは3年は見守ってくれるだろう。
2年ぐらいで広告収入もチケット収入も放映権もMAX値になる。
そこからプラスに持っていく要因は、ただ一つ、
球団が強くなることだ。強くなれば広告価値も上がる。

強くするためには、いい選手が要る。いい選手を獲るためには、金が要る。
収支を良好に保ち続けなければ、球団は強くならない。

イーグルスの運営を、IT企業・楽天の「広告費」と考えれば、
多少の赤字でもいいのかもしれないが、その代わり球団はそれ以上強くはならない。

ファンのために、プロ野球界全体のために、強くなるべきであり、
そのためにも赤字ではいけないのだ。




こういう想定はファンに失礼だが、2年目以降、
成績不振により人気が落ち、厳しい状況に立たされたところが見たい。

その時再び、
ファンを含めた社会との双方向のコミュニケーションにより、
広告、マーチャンダイジング、放映権にわたって新たな球団価値を創造していく、
さらなる三木谷マジックが見られるかもしれない、いや見たい。





単にカネを創りだす堀江マジックより、
広告屋的には、こっちのマジックの方が見たいのだ。


050225
taichi

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