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幼稚園の金魚水槽で目の無い金魚を見た。 プールやサッカーの盛んな幼稚園であり小学生用のコースもあるので 引き続き1年だけプール教室に通わせる事にしたのだが、今日は休ませて しまった。 学校でプール授業が2時間ほどあり、戻った息子が何だか ふやけていたからだ。 夏休みの授業日程などを書いた用紙を受け取りに、私だけが夕方出掛けた。
玄関には金魚の水槽が幾つか並んでいる。 新たにグッピーの群れが増えていた。何でまた・・・。寄付? 目の無い金魚は その水槽に、小さな熱帯魚に混じって一匹でいた。 丁度、深海魚で目が退化してしまった物がいるが あんな感じ。 綺麗さっぱり無い。右も左も無い。 スポーツ教室の先生がプリントを持って来て下さったので訊ねて見た。 「この金魚、目がありませんね」 「ああ、それ目が落ちちゃったんですよ。病気で」 目が落ちた!? 目が飛び出すのはシンゴちゃんで見たので病気の症状であるのは判るが (そもそも上へ横へと目玉の飛び出た種類の金魚もいるし) 目玉が落ちると言うのは初めて聞いたので驚いた。穴が開いている風でもなく 本当に何も無いだけで綺麗な物である。
家に帰って調べてみると、目玉が落ちると言う事は本当にあるらしい。 仲間に襲われて目玉が食べられると言う事もあるらしい。 病気で落ちた目玉が 更に食べられると言う、複合的な悲劇もあると言う。 それも金魚を飼っていると 結構起こる事のようだ。知らなかった。 うちの大型金魚は太り過ぎで、オランダシシガシラと言う別の金魚みたいに なってしまっている物が居るが(脂肪が頭に溜まる)粗食が良いと判っていても 一日一回の食事を更に減らしたら、猛烈に暴れるのである。 暴れる金魚は 咬まないと言うだけで 凶暴以外の何物でもない。 あれで咬んだら 本当にピラニアだ。 お腹を空かしたら仲間の目くらい食べるかも知れない。いや、食べる。 太っても一日一食は やる事にする。
目の無い金魚は見たところ他の水槽の金魚と変わらず、のんびり泳ぎ 水底の石を咥えては落とし咥えては落としを繰り返している。 我が家ではポンポンだけがそれをするので、この金魚はメスなのかも知れない。 以前、幼鳥の頃、子供がコンクリの上に落として両足が複雑骨折をしてしまい 全く立てないインコを飼う事になった事がある。 関節の部分に大きなタコを作って やっと止まり木に乗って居る様子は とても長生き出来るとは思えなかったが、17年生きた。 無理が出来ないので しようとせず、自分のペースで生きた 利口な鳥だった。 目の無いあの金魚も、自分のペースでゆっくりと泳ぎ、生きて行くのかも知れない。 子供達は、そうした金魚も居る事を 見ながら育って行くのだろう。
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