もうちゃ箱主人の日記
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2010年07月21日(水) 非人称受動

あまりバカなことばかり書いてると
あきれられるので、
たまには、ドイツ語のおべんきょを……(^^;)


さて、次の文章ですが

Durch die letzte Bemerkung wurde auf den tiefen Einschnitt
hingeweisen, der mit dem Ende der Wiener klassischen Musik
eintitt.
(前章の)最後に述べた問いは、ウィーン古典派の音楽の終末とともに
 出現した深い断層を示唆するものであった。
    <ゲオルギアーデス p201>


関係文の前の主文に、「主語」がありません。
仮主語Esが省略されてる、と推測できるので
和訳するのに影響はありませんが
文法的にどうとらえればよいか、考えてみました。

 Esは、なにゆえ省略されたのか?

いろいろ
文法書を調べてみました。
(結構忘れちゃうもんですね……(^^;))



こたえは、次の通り。
 unpersoenlich Passiv 非人称受動 という形でした。



(1)クラウン独和辞典 文法編での説明

自動詞の受動態で、非人称のesを主語とするもの。

esは、文頭の位置を強める働きをしているので
別の成分が文頭に来れば、不要となり
無主語の受動文となる。

Er hirft mir manchmal. 彼は時折私を助ける。

(受動態に)
Es wird mir manchmal von ihm geholfen. 私は、時折彼に助けられる。

(倒置)
Mir wird manchmal von ihm geholfen. (esが 消失する)



(2)『藤田ドイツ語入門 1966』での説明 ( p226f )
形式上の主語esは、定動詞正置でない限り、消失してしまう。

Der Vater antwortet dem Sohn. (dem Sohnは、三格)
父が息子に答える
↓ (受動態へ)
Es wird dem Sohn vom Vater antwortet. (形式上の主語Es を借用)
↓ (倒置文へ)
Dem Sohn wird vom Vater antwortet. (形式上の主語Es 消失)
↓ (語彙をいくつか加え、定動詞後置文へ)
Nachdem dem Sohn vom Vater antwortet worden war,
traten die beiden in den Saal ein.
息子に父から答えがなされた後、両人は広間に入った。


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いろいろ文法書を調べましたが
40年前に買った初心者向けの
『藤田ドイツ語入門』の

(省略というより)
形式上の主語esが、定動詞正置でない場合に消失する、
  という説明が一番良く納得できました。 (^ω^)


もうちゃ箱主人