もうちゃ箱主人の日記
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2010年01月21日(木) 「冬の日」

うかうかすると
冬が終わりかねない(?)ので
冬を歌った西脇の詩を、おひとつどうぞ。。。






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 冬の日


或る荒れはてた季節

果てしない心の地平を

さまよい歩いて

さんざしの生垣をめぐらす村へ

迷いこんだ

乞食が犬を煮る焚火から

紫の雲がたなびいている

夏の終りに薔薇の歌を歌った

男が心の破滅を歎いている

実をとるひよどりは語らない

この村でラムプをつけて勉強するのだ。

「ミルトンのように勉強するんだ」と

大学総長らしい天使がささやく。

だが梨のような花が藪に咲く頃まで

猟人や釣人と将棋をさしてしまった。

すべてを失った今宵こそ

ささげたい

生垣をめぐり蝶と戯れる人にため

迷って来る魚狗と人間のため

はてしない女のため

この冬の日のために

高楼のような柄の長いコップに

さんざしの実と涙を入れて。

(詩集『近代の寓話』所収)


もうちゃ箱主人