もうちゃ箱主人の日記
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| 2009年02月07日(土) |
みえこちゃんの詩、だ〜いすき |
金井美恵子さんの詩が 読めなくなって久しい。
今や、小説家として令名高いが 私は、詩の方が断然好きだなぁ!
例えば、↓
・・・・・・ 詩集『マダム・ジュジュの家』から
「ハンプティに語りかける言葉についての思いめぐらし」
おお、ハンプティ・ダンプティ! おお! 詩人 ひそかにあんたのことを思い出すわ。 最初の一口が杏子の味のする煙草、 胃から吐き出す時、 新しい酸っぱい肉芽が胃の縁で翻転する。 あたしはあんたのことを考える。 言葉という言葉を、その固まらない粘液を、 お! ハンプティ、分解して その縁をめぐって、逆さまに 落ちていくあんたの姿! 言葉という言葉は、なお複雑に なお意味を剥奪され 彼方へ! あんたの夢の方へ夢の中で目ざめる為に。
夢の売人は夢を買う。 薔薇色のお尻から夢のなかの夢のように うす桃色に開いていく殻は あんた あんたのことを思うわ。ひそかに ハンプティ・ダンプティ 言葉という言葉が あんたの支払いを待って 週末におしよせてくる あたしがハンプティの恋人ならば あたしは微笑で顔に穴をあけ その光景をながめます。 靴を脱いで裸足になって デュオなんか口ずさんで 時々高く悲鳴をあげる。 顔に穴をあけたんだもの。 秋になったら 二枚の幻灯を見せてちょうだい ね。ハンプティ。あら、ダンプティ、 言葉という言葉の縁の 軽やかな色彩のネクタイが 驚いた! あんたを塀に吊るす そう。ハンプティ。 ねえ、なんでもないわ。 かなうものなら、ハンプティ、 言葉を貫く、あんたの持っていない剣の きっ先で あたしは死にたいわあ 死ねと一言 いってほしい女心じゃないの。 夢の売人ハンプティ、 あんたの剣のひと振りふた振り そう。死ねないならば、 城の兵士たちの馬という馬を空に吊り下げ 広がりつづける白い野原を 逆落し、 秋になったら 二人で旅しましょう。 それがあたしの心意気、 愛による自己束縛の とかれるのを待っている謎々だもの。
註 ハンプティ・ダンプティ 《鏡の国のアリス》に登場する卵の形をしたひどく居丈高でえ ばりちらすくせにおくびょうな詩人。それは彼が卵だからで、 なにしろ落こったら割れてしまうのに違いないのだから、 無理もないし、ハンプティは多分それを良く知っている筈だ。
・・・・・・・・・・ (Wikipedia)から
>金井 美恵子(1947年11月3日 - )は日本の小説家・詩人。 姉の久美子は画家で、美恵子の作品のブックデザインも手がける。
幼少の頃より映画を見つづけて、大の映画好きとして知られる。 映画監督ジャン・ルノワールの大ファン。 蓮實重彦や山田宏一との親交が深い。 小説に関しては、フローベールを枕頭の書とする。
官能を刺激する独特の長い文体でよく知られる。
群馬県高崎市生まれ。群馬県立高崎女子高等学校卒業。 6歳で父を失い、母子家庭に育つ。 大学へ行かずに[1]作家活動を開始。 1967年、石川淳が選考委員をしていたことから 『愛の生活』を太宰賞に応募、次席入選。 石川淳に賞賛された。 同年第8回現代詩手帖賞を受賞して、 小説と詩作の二分野から作家生活を始めた。 自身はもともと小説を書くことを志望していたが、 詩を書くようになったのは天澤退二郎などの『凶区』の同人と 交流を持つようになったためだった。 「書くこと」が意識された多くの作品は、しばしば ヌーヴォー・ロマンと共に言及される。 『プラトン的恋愛』で第7回泉鏡花文学賞受賞。 『タマや』で第27回女流文学賞受賞。 《後略》
もうちゃ箱主人
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