もうちゃ箱主人の日記
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2005年05月30日(月) 西脇順三郎の詩 「ある日」

昨日 一節を紹介した
西脇順三郎の詩について前後を知りたいという
リクエストがあったので、気をよくして ^^
 (たった、一人からだったけれど (^^;))

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       ある日

 まだ海がみえた
 みみをすましてききいると波の音がきこえる
 一つの夢の岡がある
 崖に海辺の松林が残っていた
 春はシロバナタンポポが出た
 地獄の悩みのダフネーもなかった
 トビが上天を回転している
 演説館の入口の便所のわきには
 タリポットの木が一本悲しんでいる
 馬が一匹いなないた
 また鴎外が来ているのか
 ヘーゲル哲学者からゲルマン語を習った
 イッヒ・ゲーヘ--
 社会学者から英語を学んだ
 トンボが教壇の上にとまっていた
 ザンギリの天使たちが腰にインキツボを
 ぶらさげてノートかたてにね--
 ジャクメツの境界! でも覚えている
 読本の中で雷が鳴りマルチンの友人をのめした

 (「定本 西脇順三郎全集 詩集『人類』」 第3巻290頁)
    〜引用・転載はご遠慮ください。


> 馬が一匹…
  : 馬は一匹でなく、「一頭」だろう?
     なんて、言ってもダメです。
    中世英語やギリシャ語の達人、ニシワキ大人に、
    日本語の「常識」など、通じません。(笑)
     蛇足ですが、森鴎外が亡くなったのは1922年
    ですから、1894年生れの西脇順三郎と、慶応で
    すれちがった可能性は、あります。
     ただ、陸軍を離れた晩年の鴎外が果たして馬で乗りつけ
    ていたか?は、疑問。
    若き日の光景が伝説的に語り継がれていたということで
    しょうね。
     慶応ボーイのアルフォンソ様、こんな鴎外伝説を、お聞きに
    なったことはありますか?


もうちゃ箱主人