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夫が言う。 「ワシが、もっと頭が良かったら、金持ちになれたのに」
私が、こっそり小さな声で答える。 「『たられば』は、考えたらあかん…」
夫は、さらにまた言う。 「あ〜あ、ワシがもっとかしこかったらな〜」
私は、対抗する。 「あ〜あ、私がすごい美人だったらな〜。人生が変わるのにな〜」
キラリと目を光らせて、夫が言う。 「ゴウヒロミと結婚するのか?」
呆れた顔で、私は答える。 「結婚?するわけないでしょう。私は、人に頼らない人生を歩みたいの。 女優とかさ〜、モデルとか。美人だったら出来るじゃない」
【ところで】みたいに、夫が言う。 「大体、お前、そんなぶさいくやないぞ。ワシが選んだ女やからな」
(ワシが選んだ)という言葉に引っかかったが、そこんとこはスルーした。 「なに言ってるの。大晦日の夜に「お前はぶさいくや」って10回は言ったくせに」
へ?みたいな顔で夫は言った。 「ワシ、お前のこと、ぶさいくなんて言ってないぞ。覚えてへんわ」
なんでもかんでも、酔っぱらって吐いた言葉を忘れられる夫は、 相当不幸な人間だと思う。 そうやって放った暴言によって、失った友、数知れず。 そう、妻の心もすでに失っている。。。
「たられば」は、考えたらあかんね。
自分の持っているもので、どうやって人生を乗り切るか、勝負するか、 楽しく充実させるか、考えなあかんね。
わかっちゃいるけど、実践するのは難しいぞ〜。(ー_ーメ)
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