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夫は、今日もため息をついて仕事に出かけた。
思ったように売り上げが上がらず、仕事に対する気力が失せたと言う。
店を開店した当時は、バブルの余波で繁盛していた焼鳥屋。 現在は、落ち着いたというか、けっこう暇。(^_^; 赤字ではないけれど、家にお金を入れて夫の小遣いその他を支払ったら、 真っ赤っ赤の赤字だ。
「ワシらの老後の金がない」と、夫は嘆く。
子供、三人も作っちゃったからね〜。 赤字なのに、夫はゴルフは続けてるからね〜。
赤字なのは、当然じゃないのか?と、思う。
「ワシらの老後」の心配をして、どーんと落ち込む夫。 労働にかなった収入がないので、働く気力が失せている。
「この世は、金が一番大事」と、夫は言う。
どうして、お金が一番大切だと思うのか? それは、お金を持っていると幸せになれるからだ。 と、夫が思っているからだ。 老後、お金がなくて寂しい辛い暮らししかできないのなら、 死んだ方がマシだと言う。
幸せを得るために、お金が欲しいのだ。
しかし、 そのお金の事を考えて、現在、どっぷり暗い。
幸せになるためにお金が欲しいのに、 お金の事を考えて、現在不幸せなのだ。
なんか変だぞ、とーちゃん。
お金が不幸せの原因になってると思わないか?とーちゃん。
よーく、考えてみよう。 現在うちは借金がない。 少しだが、蓄えがある。 とりあえず、家族みんな元気だ。
十分幸せじゃ〜ないか。
見えない未来を予想して、現在の自分を見失うなんて馬鹿げている。
もちろん、 だからといって、 賭け事に熱中したり、散財したり、浪費したり、 「明日の事はわからないのだから、好き勝手に生きよう」 ってのとは違う。
今後どうするか考えながら、 真摯に生きたら良いじゃない。
これまで付き合ってきた人、 これから巡り会う人、 人との関わりを大切にして、誠意を持って付き合い、 人の輪を作る年としたら良いじゃない。
そう思う。 そう思うが、 夫に、私の考えは話していない。
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