ことばとこたまてばこ
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2008年06月17日(火) 写るは泣きべそのおめえ

何千、何万枚と写真に撮っても

なんでかな

写真に在るどのおめえも泣きべそのツラをしている


どうしてかな


いまここに まさしく目の前で
食事をしているおめえがいる

気づいているのかな
食べ物を喰らおうとする瞬間の
おめえの眼ときたらまったくうつろなんだ

まるでー・・・
無味無臭の何の歯ごたえもしない白色の塊を
嫌々としかしながら栄養があるからって堪えて懸命に食べているような
そんな眼なんだよ

おれはそれが妙におもしろくて、だからつい気軽に撮っていた
そんな日常の切れ端が何千枚と溜まってて
こないだ見返してみたんだけど
うん
やっぱりそうだよ

どのおめえもなんだかどこかが決定的にぽろりと欠けていて今にも泣き出しそうだ

でもその欠けたものがなにかというと
今時のみんなならきっと共有しているようなものだと思うんだけど
なんかうまく、こう、言葉にできない

ぼけー、きさまなんぞに簡単にわかってたまるかー、とおめえは言うかもしらんね

それでいいと思う、そうこなくちゃ!と思う 



おれはおめえを撮る
おめえはそこにいる



願わくば
おめえがそこにいることを嫌にならぬようにと
おめえを撮ることに価値を見いだせなくなるほど
おれの感受性がなまくらにならぬようにと

まあ、本気で願うことといったらそんなものだけ

適当に願うならあれだ、えーと、まずは一攫千金ですなあー
あとこの椅子の足ぐらぐらしてるんだがいい加減に買い替えたい
しかしそれにしてももっとおれに仕事がこないものか
これ黙ってたんだけどおめえの足が臭いことを改善してほしい



ほろ酔いのおれ、刀に見立てたバナナをやおらにつかんで
おめえに向かって凛々しく構えたりしたら失笑されたぜ




ははは、ヒビ割れているこの世界をどう歩こうかね、
じつにしんどくてたいへんだねでもおもしろいねえ、


どうだい、



おめえさんはよ






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