ことばとこたまてばこ
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| 2005年11月04日(金) |
湯の中で想う、きもっ |
湯気のほこほっこりとしたあたたか〜いお風呂にゆっくりと足から全身を沈める。
んわあ、幸福だわ。あたたかいのにぞくぞくするなあ。ふふふ。
冷気によって締まりきっていた毛穴がきゅんきゅんと一気にひろがるのを感じながら、快感にぶるりと体を震わせる。手で湯をすくって顔を拭く。
はは、きも。きも。きもっ。きもっ。
嫌だわ、気色悪いわ、イケてないわ、だっさーいわ、といった嫌悪からの「きもっ」ではない。気持ちいい、と思う余裕もないがゆえ「きもっ」とちぢめた略語なのであった。さらに略して「きっ」でも全然ちっともかまわないわー、のであるがそれだと歯止めが効かず「きっきっきっきききっきっきーっきーっきっ」と大量に連発をし易い為、以前一緒に銭湯で入浴した友人より歯茎をむき出しにして怒っている猿の様そのもので愚者のようだ、と言われてから少々ひかえているのであった。きもっ。
顔全体を湯の中に沈める。戯れに泣くまねごとでもしてみようか。ふと急に思いつく。
湯の中で眉をハの字にしかめて口角を突き出し小鼻をぷくりと膨らませ、そして眼を閉じた。
ブー、と鼻から息を出す。ぼこぼこりとこめかみを伝うあぶく。
息の続く限界までそうしていた。
やってきたよ、限界。
鼻と口から盛大に湯を噴き出して顔を上げる。
肩で息をしながら呼吸を整えていると、湯の熱さとはまた違った熱さの跡が顔面に残っている。
その熱さは、久しく感じていなかった両眼から顎まで伝う一筋の線に沿って。
ふふふふ、きもっ。
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