ことばとこたまてばこ
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2005年09月30日(金) 秋の幼子

人気の一切が無の場所、秋の狂瀾怒涛がさんざめく。

人に溢れ熱気に満ちた季節と入れ替えにうすら冷えた風が吹いて。
幼子は紅白粉で染めるに似た丸く赤い頬で、枯れ葉降り積もる曼陀羅の道路をほてほて踏み歩く。
烈火の如きモミジの葉は、ふっくら肉厚の幼子の手と一致している。
掌にのっているモミジは、やがて幼子にクシャリと潰された。
ぎゅっか、ぎゅっか、ぎゅっか。
幾度となく手を握りしめられてモミジは小さく縮こまった。
掌に置かれたひとつの真っ赤な塊。
眩く赤く。眩く赤く。眩く赤く。
真実赤い塊、幼子ぺらりとたいらげ、至極まずいよって顔しかめた。
疳の虫、幼子の指先より這い出る。
誰も聞くことの無い泣き声、縦横無礙に切なく響きわたった秋の空。



どん。


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