荒野で掘り起こした人参をポリポリかじっていると、空から人が降ってきた。落ちた彼は地面を盛大に響かせて、脳みそをはみ出しながら「あひあひ」と泣きうめいている。おれは背中を丸めながらにやにやして 兎のように無垢で 無知な瞳を向けて。その時はるか彼方の西武池袋線では画家志望のおんなが四角い眼鏡をかけた堅物で通っている男性に胸をもまれていた。「あひあひ」荒野には砂埃にまみれている人参しかなかった。どうしてもあの城は 遠い。