ことばとこたまてばこ
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無人の部屋が見える窓がある
いぬは肢体の引きちぎられた人形と戯れながら その部屋にたたずむ少年を見ている
少年の手には言葉がにぎられていた いぬ、人形をくわえて走り去った
少年は幾星霜も朽ち果てることのなき部屋に くるくるとまわりまわりまわり
人工的な白い明かりもその眼を照らせず
やがて少年はにぎっていた言葉を壺の中へ 愛おしく愛おしく豊穣な慈しみの手つきで収める ほんとうに ほうんとうんに 大事そうに
壺の中
屑?
宝?
それすら頓着もせず 少年は信じないことを無上に信じてる
くわえていた人形 いぬは疾走のうちにどこかへ落としてきた
駆け去るいぬの背後に広がる荒野に家がひとつ 人形がどこかにひとつ 壺がひとつ
少年がひとり
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