ことばとこたまてばこ
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2005年07月07日(木) 発酵

無人の部屋が見える窓がある

いぬは肢体の引きちぎられた人形と戯れながら
その部屋にたたずむ少年を見ている

少年の手には言葉がにぎられていた
いぬ、人形をくわえて走り去った

少年は幾星霜も朽ち果てることのなき部屋に
くるくるとまわりまわりまわり

人工的な白い明かりもその眼を照らせず


やがて少年はにぎっていた言葉を壺の中へ
愛おしく愛おしく豊穣な慈しみの手つきで収める
ほんとうに ほうんとうんに 大事そうに


壺の中

屑?

宝?



それすら頓着もせず 少年は信じないことを無上に信じてる

くわえていた人形 いぬは疾走のうちにどこかへ落としてきた

駆け去るいぬの背後に広がる荒野に家がひとつ 人形がどこかにひとつ 壺がひとつ

少年がひとり


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