本堂の賽銭箱の横の大きな線香立てに、いつもより太くて長い線香が上げられていた。
お盆っていって、先祖の霊を迎える日だとかで大勢の人が参りに来てた。

夕方、人気がなくなって、その太くて長い線香がすっごく気になってのぞきにいったら、まだ火が付けられて間無しのが上げられていた。

綺麗な深緑色でいつも置いてある線香より良い匂いがした。
じっと見てたら、線香が燃えるにしたがって、絵が浮き出てきた。
燃えた後の灰に仏像の絵が出て来た。

すっげぇ！

どんどん燃えて、絵がどんどん線香の色と同じ色の線で描かれた絵が出てきて、夢みたいだ。
キレーだなって思ってたら、灰が長くなりすぎて燃えてる所から折れちゃった。

音もなく灰の中に落ちて…でも、まだ少し絵が見えてた。

三蔵はこんな線香があるの知ってるのかな？
きっと知ってるかな？
知らなかったら教えてあげよ

（悟空）