日常のかけら
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◇ま、いいか…◇

「こら、そんなところで寝るな」

そう言ってみたところで、起きる気配もない。
居間の床に散らばるクッションの中で小猿が寝てやがる。

「布団に入れ」

爪先で突いてみても、妙な声を上げて、寝返りを打つだけで。

「……ったく」

ため息が漏れた。

こっちだって仕事で疲れているんだよ。
わかってんのか?

俺も小猿の横にクッションを枕にして寝転がった。
意外な寝心地の良さに、ほうっと息が漏れた。

「ま、いいか…」

日向の温かさと疲れがあっという間に俺を眠らせた。

(三蔵)

2007年05月16日(水)