日常のかけら
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◇呼んだ?◇

呼ばれた気がして振り返ったら、三蔵が今にも泣きそうな瞳の色をしていた。
柔らかく吹く春風に金糸を揺らしている姿も儚げで。
一瞬、このまま三蔵が消えそうな気がした。
偶に、本当にごくたまに、三蔵から険しさや険が取れる時がある。
そんな時の三蔵は酷く無防備で危うい。
だから俺は三蔵を守りたくなる。
そう、無意識に俺だけに見せてくれる三蔵の本当の姿。

(悟 空)

2006年04月11日(火)