櫻の!日常カルテドグマ塾!!

2007年01月14日(日) メモリーズ

櫻です。


皆様、たまに身震いするような程にチクビがカユくなる事ってありますよね、そしてこんばんわ。


…、僕がプライベートで五年以上愛用しているカバンがあります。


“吉田カバン”と言う、“井上鍋”みたいな名前のブランドで、とても丈夫でとてもシンプルなデザインの一見流行りもへっちゃくれもない、しかし見た目からは想像も付かない丈夫さと機能美を持ち合わせたカバンで、間違ってもバンドマンが持つような個性的でモダンでオシャレなデザインのカバンではなく、完全なお勤め人さんが持つ、ビジネス用のカバンです。


しかも意外とびっくりするような値段だったりします。


僕が飲食店の料理長を勤めていた頃、月イチでの会議と言うものに出席する折、ド銀髪を鬼のように逆立ててイガイガのカバンを背負い、しかし立場上致し方なくスーツを着込んで全国150店舗の店長幹部が集まる本社ビルの大会議室14階に登場した姿をマジマジと眺めていた社長が、


「サクラくん、せめてカバンぐらいはなんとかならへんのんかいな。」


とやんわり言いました。


調理師にありえない出で立ちで、カウンターで調理をしながら接客をするキャラをも好意的に受け入れられる柔らかい頭の会社だったんですが、会議だけはせめてみたいな感じでして。


それなら、社長がいつも持ち歩いているゼロハリバートンのアタッシュケースを、僕にプレゼントしてくれたらそれを持って会議に出ると主張したのです。


ゼロハリとは、アメリカのアタッシュケースのブランドで、ジュラルミンを合わせたF-14イーグルの機体にも用いられている航空素材合金でできたカバンで、その耐久力は爆発テストでも中身のデータディスクに損傷が無かったと言う、折り紙付きのカバンです。


そのとてもクールなスペックを持つゼロハリを寄こせと言い放たれた社長は一言ぽつりと、


「それだけは堪忍や。」


と言い、次の日、「ゼロハリはやれんけどかわりにコレをやる。」とプレゼントしてくれたのが今の“吉田カバン”でした。


それ以来、毎日毎日、何所へ行く時もソレを持ち歩いていたのですが先日、つーか今日、ついにチャックがパツゥ〜〜〜ンと壊れてしまったのです。


どうにも再起不能に陥ったソレは、そろそろ現役を引退する時がきたようです。


形あるものはいつか壊れる、しかし雨の日も雪の日も台風の日も毎日僕の右手に握られたカバンはやっと、その役目を終えようとしています。


ちょっとおセンチな気分で、くたびれてしかも壊れてしまったカバンを眺めています。


ゼロハリ買うか。


つーかフタケタいくちゅうねん。


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sakura [MAIL] [HOMEPAGE]

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