魔女のほにゃらら(未定)

2004年11月06日(土) ざつざつ日記「救急車顛末記」

 てへ。

 へへへへへっ。(照れ笑い)

 あんねー。
 ついに体験してしまいました。
 その‥‥
 乗っちゃったんですよ。
 救急車。


 札幌でした。
 夕方でした。
 そろそろバンメシ食べて道場に行かねばならん時間でした。
 前から行こうかなと思っていたお店に行くことにしました。
 雑居ビルの一階、オープンは最近、内装は自分たちでやりましたー系のカフェといえばなんとなく雰囲気を察していただけるでしょうか。
 腹が減っていたのです。
 注意力が散っていたのです。
 段差があったのです。
 気がつかなかったのです。

 思いっきり、つまづきまして。

 あっ!
 と思ったときには。
 ええ。手を出す暇さえなく。
 いや、床までだったら間に合ったんだろうけどさ。
 それより前に激突してました。
 デコが。
 テーブルの縁に。


 痛かった。(めそめそ)
 けっこー派手な音をたてて倒れましたのでね。
 ああっ恥ずかしい早く立ちあがらなきゃ‥‥と頭では焦った。
 が、動けない。
 ワタシの人生MAXの痛み(モンゴルで落馬)には遠く及ばないもんの、これはこれでそれなりに痛かったよ〜。
 周囲のざわめきが耳に入っちゃったりなんかして。
 「血が出てる」とか「救急車」とか。
(いやいや、それはおおげさ)
(いやいや、それは上着とバッグが赤いだけ〜)
 と思ったんだが、目を開けたら血が見えた。アラ出てたのね。

 近くのテーブルにいたご夫婦とおぼしき40代カップルの男性が、すぐにタオルをあてて止血してくれたんだが。
 ‥‥まさかとは思うが、もーしかしてお医者さんだったんだろーか。
 でなきゃ学校の先生(しかも高校以上)とか。
 そーゆー雰囲気だった。
 いやー、ありがたかっただ。ほんとーにお世話になりました。
 その方は冷静に言いました。
「あー、これは、絆創膏でなんとかなる傷じゃないね。救急車呼んだほうがいい」
 いや、それは大げさー‥‥と思いはしたものの、こんだけ強打したからには病院は行かにゃならんだろうし、ここは札幌、どこにどんな病院があるんだかわかんないし、何科に行ったらいいのかもわかんないし、この場をどう取り繕って立ち去ったらいいかいいかわからないし、アタマは痛いし、結局すべてを周囲におまかせして横たわってました。
 救急隊到着してさー。
 どうやって転びましたかとか、他に痛いところはないですか、吐き気はないですか、と訪ねられました。
 吐き気があると答えたせいか、ストレッチャーで運ばれることになりました。(吐き気というか、めまいがあった)
 ストレッチャーに移動しながら、なんとか、お世話になったお二人に「ありがとうございました」とだけ言えました。
 持ち上げるとき、救急隊の人が「あれ、髪が濡れてるけど」と。
「あ、たぶん雨です」
「ああ、雨のせいか」
 ‥‥雨のせいだと思ったんだけどねー。

 意識は、ずっと清明でした。
 でも、気絶してたほーが気楽だったかなー。
 そこは大通りでねー。(大きな通りという意味ではない。地名である。道外の皆様に。念のため)
 札幌ラーメン発祥の地の、裏側のほうの道といえば、札幌市民にはおわかりいただけるでしょうか。
 人通りがけっこうあるんです。
 救急車の周囲には、野次馬が集まっている気配。とても目を開けられなかった。ああ、地元でなくて良かった。
(ああっ、はずかしいっ!)
(つまづいただけなのに!)
(いまこのとき、もっと緊急の重病人がいるかもしれないのに!)
(公共設備を無駄に使ってごめんなさい!)
 すっごーく決まり悪かったけども、そこでわたしが口元にしまりのない照れ笑いなど浮かべていたら、それこそ救急隊のおじさんたちに申し訳ない。
 しょーがないから目をつぶって眉しかめてました。いや、痛かったんだけどね。

 救急車の中で、名前、生年月日、年齢、住所、電話番号を聞かれました。
 しっかり答えました。
「吐き気とかないですかー」
「ちょっとあります」
 それだけで黙っていりゃーいいものを、「でもお腹すいてるせいかもしれません」と付け加えてしまう、正直者のワタシ。
 救急隊のおじさんは、くすっと笑って「食べる前だったんだ」と(^^;
「頭を打っていますので、脳神経外科に行きます。●●病院に連絡を取りますけれども、いいですか」
 へー。そういうの、確認とるんだあ。
 はいはい。もうお任せしますっちゃ。
 ここは札幌。どこがいいとかわかんねーもん。
 救急車の中は、いろいろゴチャゴチャ置いてありました。いや、置いてあるというより、壁にくっついてる。
 救急車に乗るのは、二度目です。
 一度目は、小学校6年のとき。街中で日射病(だっけ?)起こして倒れたねーちゃんの付き添いで乗りました。
 救急車って、なんか、猛スピードでガーッていうイメージがあるけども。実際はそんなにスピード出さないよね。危ないもんね。
『交差点に入ります』
『○○の車、どけてください』
 とか聞きながら。
 天井眺めつつ、いろんなこと考えました。
 今日中に帰れるだろうか、とか。最終に間に合うだろうか、とか。
 入院なんてことになったら準備どうしよう。ぱぴーとまみー、まだ東京だよなー。縫うことになるんだろうか。デコに傷かよ、ますますご縁が遠くなるご面相になってしまうぢゃないのさ。
 救急車を降りる頃には、なんだか気持ちが悪くなってまして。
 それも不安でした。
(でもこれは、あとから思うと、空腹状態で仰向けになって車に揺られたもんだから、酔ったんですな)

 病院に到着すると、すぐに先生と看護婦さんが来ました。
「腕、上にあげてみて」とか「傷見せてねー」「他に痛いとこないですか」
 それから、検査ってことで、体についている金属類をぜんぶはずしました。
 ジーンズの尻ポケットに入っていた携帯電話の電源を切り、前ポケットに入っていた家の鍵と自転車の鍵とコインロッカーの鍵を渡し、あと腕にかけていた髪ゴムにも金属部分があったので、それも渡してしまいました。
 ストレッチャー、別なのに移動して、検査のお部屋へ。

 まずは、閉所恐怖症の人にはイヤかもしれない脳みそ撮影装置。
 首のところが固定されて、動かせないようになって、にゅーんと頭から入っていくわけですよ。筒状の装置に。
 カプセルホテルより狭かった。
 あれ、なんか怖いねー。
 だって、なんとなく、体を輪切りにされそうで。
 目を閉じてろって言われるんだけど、言われなくても開けられない。変な光線が出てきて目を焼かれそうな気がしない?
 それから‥‥10分くらいかな? 耳元で盛んにカコンカコン!とかガシャガシャガシャ!とか音がしてました。

 次は頭の骨の写真を撮ります。
 また部屋を移動。

 ずーっと、ストレッチャーに載せられています。
 天井しか見えない。
 何気に不安でした。
 わたしは自分の周囲は把握していたい方だし。
 遊園地の乗り物みたいな、開放形の乗り物は苦手だし。
 「動きまーす」とか「ちょっとガタンとしますよー」とか声をかけてくれるのがとてもありがたかった。

 で、結果。
 脳内出血なし、頭蓋骨の骨折もなし、あなたの年なら水が溜まるということもまずない、血も止まったし、縫わなくても大丈夫(やった!)、あとは絆創膏貼ればよいだろう、と。
 ほ。
 ただし、交通事故の時のように、明日、首にムチウチ症状が出るかもしれない、と言われました。
(首でなく、肩と腕に出ました。なまら痛い。)

 ほっとしながら起きあがってフト髪にふれると、左側(倒れたあと下になったほう)がぐっしょりというかバリバリというか血のりべったり。
 あらまー。こんなに出てたのか。
 雨じゃなかったのね。
 あの男性がすぐに止血してくれたので、流れっぱなしになっていたのは1分足らずくらいのはず。
 これでこんなになるとは、よほどドクドク流れていたのですね。
 こりゃー呼ばれるわ、救急車。
 ちょっとホッとしました。
 大げさなーってまだ思っていたから。
 こんだけ出てたんなら、ま、仕方ないよねーって。

 看護婦さんに濡らしたペーパータオルをもらってふきとったもんの、そんなくらいじゃ落とせない。
 おかげで家に帰りつくまで、「マグロの血合いを載せた皿を捧げ持った人が斜め後ろにぴったりくっついている」かのようでしたぜ。
 じ、自分が生臭い‥‥。

 それから会計の窓口に行きまして。
 保険証持ってないし、会計もう閉まっちゃったということで、月曜日に保険証ファックスすることになりました。
 請求書が郵送されてきて振り込み、だそうです。
 身分証明書の提示を求められるかと思ったけど、所定の用紙に住所と名前と電話番号、会社名を書いただけでした。
「‥‥で、あの、ここ、どこなんでしょう」
 地下鉄24丁目駅の近くでした。
 バス停を教えてもらて、バスと地下鉄を乗り継いで札幌駅まで行きました。

 もう、空手の稽古なんぞ行く気分じゃありませんでした。
(先生は、やっても大丈夫だと言ってましたが)
 今から行っても間に合わないし。稽古に出てしまうと、アタマ洗える時間に家に帰れないし。
 帰っちゃお。

 しかし、いいかげん空腹が限界。
 ゴハンは食べてこ。
 ちょっとヘコんだので美味しいもの食べよう。
 かつて友達がすすめていた、ハゲ天のレディースコース(千六百円也)を食す。空腹にビールが沁みました。

 汽車の中でも、まだデコはずきずき。
 おそるおそる傷口に触ってみると‥‥
(オ、オイ。なんか盛り上がってねーか?)
 かじゅえよ、それはタンコブという。
 コブになったほうが安心なんだっけ。
 さすがに触ると痛かった。

 帰ってから真っ先に洗面台へ。
 洗面台のシャワーでちょろちょろっと流せばなんとかなるだろうと思ったのに(←トコトン怠け者)いつまでもいつまでも赤いのが‥‥
 観念してちゃんと服脱いでシャワーしてシャンプーで洗い流し、それでようやく「マグロの血合いの皿を捧げ持った人」はいなくなってくれました。

 と、いうわけで、救急車顛末記でした。

 皆の衆、どれほど腹が減ろうとも、大地はしっかり踏みしめて歩こうなっ。

 おまけ写真。傷とコブ。


(大きさを比較するために目ん玉を添えてみました)

 旗本退屈女と呼んでくれ。


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かじゅえ [MAIL]