三日坊主日記
瑞樹 美霧



 映画『美女と野獣』

 と、いうことで観て来た。5日に字幕版、6日に吹替版。
 この2日間は『美女と野獣』尽くしだったわ。
 なので頭の中で『美女と野獣』の音楽が入れ代わり立ち代わり鳴ってるのも仕様が無いんだが。



     以下ネタバレあり注意(それでも読もうという方は反転してドゾ)
 まあ、基本大好きな話なので多少形式が違おうと『良かったわー』というのは当たり前なんだけど。
 今回はディズニーのアニメ&ミュージカルバージョンの実写版ということで。
 そして吹替版にはミュージカル俳優の方々がアテレコしてらっしゃる、ということで字幕版のみならず何時もは絶対と言っていい程観ない吹替版も観た訳だ。
 さて、大まかなストーリーはアニメ版と同じだけど、今回は実写ということだからか、より生きている人間としての姿に描かれているような感じ?
 オープニングでは王子が野獣になる訳だけど、其処ではダンスパーティーが開かれていて、その場に老婆(に化けた魔女)がやって来る、とか。
 実はベルとモーリスは元々パリにいて、村に流れて来た、とか。流れて来た理由は、ベルの母親がペストに侵されたので赤ん坊だったベルを守る為に、とか。
 ガストンは傭兵だか何だかで戦争に行っていて、帰って来た、とか。
 ベルへの土産の為に城の薔薇を手折ったことが理由で投獄されるモーリス、とか。
 ベルに部屋を与えたのはルミエールの判断で野獣は知らされず後でバレる、とか。
 まあ元のアニメ映画では語られてない設定というかそこに生きる人としての表現が色々。
 だってペストの流行ったフランスって言ったら歴史でいうあの時代だし、当然ドレスや城の人々の化粧なんかもその時代のものだしね。
 そういうのが解るように作られてた。
 新曲も3曲あったけど、20年? 位経ってる以前の曲との違和感もないし。
 まあその新曲3曲の為にアニメや舞台で使われていた曲がへずられてはいたけど。

 後、アニメ・舞台版と変わっていたのは野獣がアニメ版だと『字も読めない』設定だったのがきちんと高等教育を受けたことになっているし、『ダンスが出来ない』設定も当然の嗜みとしてダンスが出来る設定に。アニメでは語られなかった王子がどうしてあんな性格になったのか、っていうことも語られるし。
 大きく変わったのはル・フウだよね。
 アニメ・舞台版だとただガストンの後を追い掛けているだけの頭もよくない系太鼓持ちなんだけど、今回は気が弱いのでガストンに押されて負けてしまうけど、きちんとした常識・知識を持つ冷静な、それもガストンよりも頭の良い人。
 悪知恵はガストンの方が働くけど。
 ガストンの怒りを鎮めたり、諌めたり。野獣の城に乗り込む処では『本当の野獣はここにいる』とガストンを指して言う位。←字幕の和訳が正しいならば
 で、実は村の人々は魔女の魔法によって城や城の人々のことを忘れていただけで、城で働くポット夫人の旦那やコグスワースの奥さんとかが村人だったり。
 字幕版で観た時はポット夫人が旦那さんを観て何か言ったことになってたんだけど、良く解ってなくて。でもコグスワースは人間に戻った後で奥さんに会って『時計に戻してくれ時計に戻してくれ』って言ってて、他の城の住人達も村人たちと再会を喜んでたのでそうなんだなー、と。
 で、吹替版観てポット夫人が村人の男性を見た時に『まあ、あなた』と言ったので『ああ、旦那さんなんだ』と理解したという。
 城に魔法を掛けた魔女が村人の中に混ざって見届け人として存在していたり。

 ベルのエマ・ワトソンは確かに知的で冒険心旺盛な女性で、現実味のあるベルとしてはホント素敵だった。歌も上手かったしね。
 野獣のダン・スティーヴンスは素顔で出るのはホント最初と最後だけだけどイケメンだし。歌は当然巧い。しかし多少機械編集されてるので本人の声がどんなのかは『?』って感じ。
 ガストンのルーク・エヴァンスも又イケメン〜♪ しかし、後半ベルに振られてモーリスにも拒絶されてからの豹変が凄かった。ホントに悪役って感じに。
 ル・フウ(ジョシュ・ギャッド)は知識人として書かれているからかアニメ・舞台版でのコミカル部分は減らされてるし、勿論ガストンに殴られたりけられたりもない。ラスト近辺では『最近ガストンと上手くいかなくて』とポット夫人に相談してる位だ(爆)。
 モーリス(ケヴィン・クライン)は発明家というよりは細工師な感じ? ゼンマイで人形が動いたりするオルゴールみたいなの作ってたしね。でも実は芸術家(画家?)。
 ルミエール(ユアン・マクレガー)やカデンツァ(実写版キャラクター・スタンリー・トゥッチ)、コグスワース(イアン・マッケラン)、ポット夫人(エマ・トンプソン)、プリュメット(アニメ・舞台版のバベット・ググ・バサ=ロー)、マダム・ド・ガルドローブ(アニメ・舞台版のタンス夫人・オードラ・マクドナルド)、チップ(ネイサン・マック)はラスト人間に戻るまで器物なので芝居がどうとかはないけれど、皆歌は巧いし、アテレコも上手いし。

 そして吹替版。
 ベルの昆夏美は前日にエマ・ワトソンの声で観ているので、最初その声の高さ(エマ・ワトソンはそれ程トーンは高くない)に違和感感じたけど、アニメや舞台ではこれ位の声の役者が演ってるので暫くしたら気にならなくなった。
 野獣の山崎育三郎は完全に野獣の時は機械で音声の編集されてるので全く山崎育三郎の片鱗はなく(苦笑)。でも歌う時の息の引き方(呼吸の摂り方というか呼吸の時の引き摺り方というか)が山崎育三郎だった。
 ガストンの吉原光夫は中々いい低音だったわねー。
 1番驚いたのはル・フウの藤井隆! いや待って、彼、こんなに上手かったんだ! びっくり。
 モーリスの村井國夫はまあ昔何本かミュージカル観た……筈。←遠過ぎて記憶が曖昧
 なので全く心配してなかったし、矢張りいい声してらしたわ。
 ポット夫人の岩崎宏美、コグスワースの小倉久寛、ルミエールの成河、プリュメットの島田歌穂、マダム・ド・ガルドローブの濱田めぐみ。錚々たるミュージカル俳優メンバーで、いやマジこれだけ揃うなら吹替版観るでしょ、いやミュージカル好きなら観なきゃでしょ、みたいな?
 歌や芝居に関しては何の不安もない面子で。まあそれは当然何処かの舞台で何かしら観てる、っていうのは大いにあるけど。
 他のアニメや洋画で声優以外が吹替するのが納得いかないというか、何で声優使わずに声優としては下手糞な俳優使うかな、と私は思う人間なんだけど、ミュージカル映画で実写だっていうのがあって、割とこの作品については観れたかも。だってミュージカルだから。台詞喋るよりも歌ってる時間のが長い訳だし。


 まあ、字幕版にしろ吹替版にしろ、『美女と野獣』という作品だからということもない訳じゃないが、可也気に入った。
 もう後何回か観に行ってもいいかな、と思う位には。
 ……時間と金と根性がないが。
 あれば。

2017年05月07日(日)
初日 最新 目次 HOME