今日のおたけび または つぶやき

2013年08月29日(木)  有能な女性スタッフに期待



朝晩は涼しい日も増えてきて、ちょっと嬉しい今日このごろ。

あまりに酷暑が続くと、日本には四季があったことを忘れてしまいますよ。

でもちゃんと秋も冬も来てくれるものね。っつーか、ちゃんと来て下さい。



わたしの場合、暑くて良いことと言ったら、一年のうちで一番体重が落ちやすいことと、

あとこれは今年初めて知ったのだが、眼圧も一年のうちで一番低くなるということ。

眼圧が慢性的に高いわたしは、緑内障予防のためにほぼ毎月眼のチェックをしていますが、

7月に計ったのがこれまでで一番低かった。

眼科医曰く「眼圧の自己ベスト(低い方がいい)は夏に出るんですよ」。



夏は暑いってだけでエネルギーを消費するから、お腹まわりの脂肪も一番落ちやすく、

さらに、視神経に一番負担がかからない時期でもあるわけです。暑さも悪いばかりではないと。

とはいえ、ここまで暑くならんでもー、とは思いますが。




さてさて、「楽屋ハナシ 福山雅治×是枝裕和」の最終回では、

おふたりが作品づくりの際に女性の意見をとても重視しているというお話。



人から求められ、人に喜んでもらえる作品でなければ意味がない、というスタンスのましゃは、

ひとりよがりにならない創作を、常に心がけていらっしゃるようですがが、

是枝監督も、自分の思い込みだけの狭い世界観にならないように、すごく気をつけておられるよう。

それが第2回の次のような発言でよくわかります。



是枝: 自分で原案から脚本・監督・編集までをやってるとね、失敗するパターンがあるんです。

    登場人物がみんな「僕」になっちゃう。

    世界観は統一されているけど、それぞれが生活背景を持っているように見えない。

    以前、そんな失敗をしたことがあって。

    そうなった時、僕が書いたものに対する、他の人の違和感とか解釈の違いとか、

    「ああ、そう来るんだ」とか「そこはそう読んじゃったか」みたいなのがすごく大事で、

    そこを膨らませていくと、人間として出来上がる感じがあるんです。



で、その「他の人の違和感とか解釈の違い」ということを、おふたりとも女性から聞くように

しているというのが、ちょっとした驚きだったし、でもすごく面白かったのです。

第4回では次のように。



 ――どうして女性ならいいんでしょうね。

 福山:たぶん、女性スタッフは理屈や理論ではなく、本能的なところで

    好きだとか苦手だとか判断してくれるんじゃないかと。

    とか言いながらも、最後は自分で決めるんですけどね、エゴイスティックですから(笑)。

    でも、そういう本能的な意見に1回は委ねたい。

    是枝さんはどうですか。女性の意見を「そうかな、そうかな」といいながら、

    結局自分で決めているなというのがあるんですか(笑)。

 是枝:確かにそうです。意見を聞きたいのは女性ですね。

 福山:やはり! 男性に言われるとね、何かこう……(笑)。

 是枝:やばいな(笑)。

 福山:どんなに気遣って言ってくれても、何か対立構造が浮かび上がってきて(笑)。何なんでしょう、これ。



 ――是枝さんもですか。

 是枝:僕はね、最初にそういう意見をいわせるポジションに置いたのが、西川(美和監督)なんですよ。

 福山:はい。

 是枝:それまでは男の助監督をつけていたんですけど、うまくいかなくて。

    それで西川が付いたら実に的確な意見をいうヤツで、非常にうまくいった。

    そのうち彼女が監督になったので、次に砂田(麻美)さんという女の子を入れて、3本ぐらいやったら、

    また監督になっちゃった。今また女の子が入ってます。

 福山:ずっと女の子ですねぇ(笑)。



 ――砂田さんは「エンディングノート」で評判になった監督ですね。

 是枝:そうです。何だろうね。自分と違う角度から見てくれるからなのか、性差というのが大きいのか。



 ――是枝さんはどこで意見を聞くんですか。編集の時ですか。

 是枝:いや、企画の段階からですね。撮影現場でも「好きに言って」というポジションに置いてます。

    現場では助監督も助言してくれるけれど、彼らは撮影を先に進めることに頭が行ってるから、

    撮影を止めるようなアイデアが言いにくいんですよ。だから、遠慮しないタイプの人間を用意しておく。

    砂田とかは「昨日撮ったあれなんですけど」みたいな、ひっくり返すことを平気で言うんです。

    しかも、それがいつも正しい。



 ――まっすぐ意見を言える男性ならばいい、ってものでもないんですよね。

 福山:そうですね。夢を持った若い男が苦手なんです(笑)。これも是枝さんとの共通点ですよね?

 是枝:え? どこでわかりました?

 福山:撮影現場で話しましたよ。

    「是枝さん、あれですよねえ、『世界に通じるような作品をつくりたいっすよ』みたいに言ってくる

    若い男って、苦手ですよね」って。

 是枝:そうでしたっけ。

 福山:言いましたよ〜。それで「いや、僕もそうなんです」っていう話になって、

    それは何で嫌かというと、かつての自分がそうだったからだという(笑)。

 是枝:昔の自分を見るのは嫌ですよね(笑)。たたかれ弱いんですよ。

 福山:20代の時ってナーバスというかね、傷つきやすいんですよ。自分がそうだったように(笑)。

 是枝:傷ついては、逃げ出していましたね。

 福山:僕も本当にそうでした。

 是枝:いまだに多いですよ。傷つくと現場からいなくなる男がね。心が折れちゃうんですよ。

 福山:その現場を否定しにかかりますからね。「ここでは俺が生かせない」と(爆笑)。

 是枝:「俺の場所じゃない」と(笑)。

 福山:そうです。

 是枝:作品がどうこうじゃなくて「僕がここにいる意味があるんでしょうか」みたいな、

   「僕」がまず先に来ちゃう(笑)。

 福山:「ここではないどこかへ」といえば聞こえはいいが、

    うまくやれるヤツっていうのは、どこにいてもうまくやれるんだということを知ってほしい(笑)。

    かつての自分にも教えてやりたいです。

 是枝:もう本当に恥ずかしい。だから周囲に女性しか置かないんです(笑)。




有能な女性の感性や意見を信頼し、それを生かしていい作品を作り出しているおふたりは、

真のフェミニストという感じがしますね。

これからも<有能な←ココ重要>女性スタッフが、おふたりのそばで大いに活躍してくださいますよう。





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