| 2008年04月16日(水) |
「滝沢演舞城'08 命(LOVE)」4月15日夜 |
滝沢さんが新橋演舞場で義経を演じられるようになってから3年目。
今年も無事に殿にお目にかかることができました。
殿は凛々しくてオトコマエで! 本当に素敵でした。
殿だけじゃなく、共演者のみなさんも本当に素晴らしかった。
演舞城は3年目ですが、わたしが唯一その初演の頃から見続けてきた「SHOCK」ももう9年にもなるわけで、
何年も何年もひとつのことに全身全霊を掛けて努力を続けていく人達の「成長」を
目の当たりにできるというのは、なんて素晴らしいのだろうと。
年々重くなるだろう看板を背負って雄雄しく頑張っておられる座長や殿に、
そしてそれを生で観られる環境にいられることに、ただただ感謝なのでござます。
今回のお城のテーマは「命」と書いて「LOVE」と読む、なわけですが、
努力を続けて成長するって、まさしくそれこそが「命」が背負った使命であり「命」の持つ可能性であり、
脈々と受け継がれていく「命」にしかできないことだよなー、と、
オトコマエな皆さんたちの大活躍を観て思いましたことよ。
その「命」を形作るのが「LOVE」ということなのですが、なんたって時代劇ですから、
舞台上で「愛」なんて言葉は全く出てまいりません。
でも、義経のストーリーそのものに主従の愛があるのはもちろんですが、それもひっくるめてとにかく
舞台にかける想い、芸にかける想い、仲間達への想い、客への想いに、ありったけの「愛」が込められていることは
殿のひきいる一座のみなさんの声、その表情、その姿、その動きから、ひしひしと伝わってくるのです。
なんかさ、ただ「愛してる」という言葉だけ連呼して自分は愛に満ちていると思っている人は、
一度その言葉を言うのを封印して、自分の行動、態度、表情、「愛している」と言う以外の言葉づかいや話の内容が、
ちゃんと「愛」を実践しているかどうか確かめた方がいいよね。
たとえば、「俺って優しい」って言いながら会う人全部殴ってたら、それは優しい人であるはずがない。
っつーか、誰が見たって優しい人であるはずがないのに、なんで本人だけは自分を優しいと思えるのだろう?
殴っているのは本来の自分じゃない、殴ってしまうのは他の人が悪いから、本来の自分はとても優しいの、
とでも思っているの?
話が逸れました。失礼。別に自分のまわりにDV男がいるわけじゃないのでご心配なく。
そんなことはどーでもいいのですよ!
ここでは最高にカッコよかった殿のお話をしたいのですから。
いっぱいあるけど自分的ツボ列挙。
・フライング牛若。やわらかいピンクが最高に似合う凛々しい牛若。
・三つ指着いたご挨拶の所作が美しすぎる。
・白塗りのお化粧風景。あんなに力強く激しい化粧風景をはじめて見た。
化粧風景がひとつの演目として立派に成立していてさすが。
・滝沢歌舞伎「鷺娘」「櫓のお七」「執着獅子」。特にお七が素晴らしい!
全編通して、滝沢さんの成長が一番感じられる場面。すごいすごい! 滝沢さん本当にすごい本格的女形!
洋風の音もふんだんに入れた音楽の派手さといい、セットの派手さやアクロバティックな要素といい、
本来の歌舞伎に色々付け加えている部分があり、まさしく「滝沢歌舞伎」と言える新ジャンルかと。
素人にも親しみやすい感じが、コクーン歌舞伎を彷彿とさせる。
・頼朝を演じるときは、義経より声も低く太く、言い回しにも重みがあり、しっかり演じ分けていてびっくり。
・藤ヶ谷弁慶、戸塚三郎、悪役北山が大健闘。3人とも素晴らしい成長っぷり。
狂言回し的に沢山セリフがある河合君も、とても安心して聞いていられる。
・MAD4人にこんなに素晴らしいコメディセンスがあったとは! 松崎さんの面白さに驚愕。
辰巳、越岡、福田も面白すぎる役者だった。4人ともナレーションや狂言回し的セリフも見事。
・影絵での弁慶と三郎の絡み楽しすぎ。こき使われる弁慶可愛すぎ。
・鞍馬の遮那王のシーンはなくなってしまったが、義経の最期のシーンにふんだんに雨が使われる。
演舞場ならではの迫力のある大雨の中の血みどろの殿。裸キレイすぎる。裸の背中が好きすぎる。
・全身に水をかぶるせいか、マイクをはずしているので、この場面は殿の迫力ある生声が聞ける。しゅてき♪
っつーか、座長にしろ殿にしろ、なんて声がデカいんだ!
・去年と一昨年の、義経の最期のあとに桜吹雪の中から美しく飛び出してくるシーンが大好きだったのだが、
今回はそれがなくてちょっと残念。でも、死闘のはてに壮絶な最期で終わるのも、見ごたえはある。
・今回、義経のあとにショータイムがないのは、特に気にならない。というか、あの万感胸に迫る最期のあと、
いきなりジャニーズ的ショーが始まる方が、観てる方も気持ちの切り替えができなくてしんどかった。
・ショータイムはないが、滝沢さん作詞作曲の「with LOVE」という曲を全員で歌って終わるのはとても素敵。
踊りの振りに手話をたくさん取り入れているのだが、踊れる人達の手話というのは、とても美しくていいな、と。
・最後の歌は全員真紅のキラキラ衣装で、もはや弁慶や三郎はじめ武士達の面影はどこにもないのだが、
滝沢さんの手のひらだけは血糊が落ちずに真っ赤になっているのが、なんだか印象的。
・途中のアドリブで、いつもはマシュマロを食べているらしい場面でスシを食していた殿。
「スシ王子というのが4月19日から公開!」と、盛大に宣伝してくれたと思ったら、
スシ王子ご本人とエイトの村上くんがご観劇だった模様。滝沢さんが最後のご挨拶でおふたりの来場をご報告。
っつーか、ひと目たりとも気配たりとも全く感じませんでしたが! どこぞの席のあたりでザワついたりなんてことも全くありませんでしたが!
いたのかよー。どこに潜んでたんだよー。言えよー。でも、一緒に観劇させていただいて光栄です。
ヒナちゃんが「レコメン」で何かご報告してくれるといいんだけどな。
あと、パンフレットが読み応えありすぎで素晴らしい。
殿のお言葉もさることながら、藤ヶ谷、戸塚、河合、北山、との対談も最高に面白い。
ビジュアルもいいのに、なんで中身までこんなにオトコマエたちなんだろう。
こちらもいつかご紹介できればと思います。
殿! お城の皆さま! 千秋楽までどうぞご無事で。
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