感服。平伏。「雪之丞変化」素晴らしかった!
困ったな。滝沢さんをまた見直してしまった。(別に困ることはないのだが)
この「雪之丞変化」を滝沢さんでやりたい、というお話は「義経」が終わった直後にあったそうで、
そりゃあの「義経」での滝沢さんの成長っぷりをみれば当然かもと思ったわけです。
私はこの作品を他のどの役者さんでも観たことがないので、
昨夜観たばかりのこの平成の雪之丞が、私の知ってる雪之丞変化のすべてなのですが、
「義経」よりもはるかにハードルの高い作品という印象でした。
これを、「義経」直後にすでに構想するなんて、滝沢さんへの信用と期待がどれほど高かったか、
ということで、それだけでも本当に凄いことではないかと。
そして実際に拝見して、
もうね、お慕い申し上げている義経さまには大変申し訳ないが、
次の演舞城は雪之丞メインにしていただけませんか、とワガママ言いたいくらい素敵だった。
でも、ハンパな早変わりではこの二役をやってほしくないし、
あの女形も、衣装から化粧からじっくり時間をかけてこそのあの美しさだろうし。
となるとやはり映像で楽しむのが一番なのだろうが、それでも、
あの美しい雪之丞と、粋でカッコイイ闇太郎に、なんとか生でお目にかかれないだろうか、と思ってしまったり。
そうだなー。舞台なら闇太郎メインでもいいか。 ←オマエが決めるな
雪と闇のどっちがカッコイイかと言われたらやはり闇の親分ですから。
雪ちゃんは、あくまでも美しく丁寧な言葉遣いと所作、つねに控えめで礼節をわきまえた態度でありながら、
あの白塗りの美しいお顔の下に、はてしなく深い闇を抱え込んでいる感じがすっごくよく出てて、
とても深みのあるキャラでした。
殺陣も、これまでのスピード感溢れる滝沢さんのお得意パターンではなく、
まさに雪之丞らしい「舞を舞うような」殺陣で、とても新鮮でした。どちらの殺陣も大好きですわ。
浪路を翻弄していくさまはあまりに容赦なくて、「うわーっ、雪之丞ワルい男だわー」と思いましたですよ。
さらにすがりついてくるだろうと見越しての「追い返して。」のひと言とか、すごくね?
一方の闇太郎がまた絵に描いたような単純明快のカッコイイ義賊で。
雪のあだ討ちを自分のあだ討ちと重ね、最後に全部の罪を被っていくさまが、
哀しくも「よっ 日本一!」の掛け声にふさわしい潔さでした。
闇太郎が何の迷いもなくあだ討ちを遂行しようとするのに対し、
雪は最後まで悶々としていて、もはや簡単にトドメを刺せる時にいたっても
何とかして敵からの謝罪のひと言を得ることでこの場を納めようとするとか、
そのあたりの駆け引きもとても面白かった。
あとはね、浪路のおデコがやっぱりすごく可愛かったな。(そこですか)
お初はもっと雪と闇のために活躍してくれるのかと思ったら、登場するやいなや雪にあっさり煙たがられて
あとはずっと監禁とか、おいおいおいー!みたいなトコもありましたが。
いやー、楽しかった。
「里見八犬伝」も若々しくて派手で面白かったけど、こちらも最高でした。
で、こんな役をこなせる人が、今日はまた大阪で「きまぐれJET」をアホみたいな楽しい振りで
がんがん踊ってるのかと思うとほんっと素敵。ありがと滝沢さん。
さ、今日は忘れずに「ぴあ」買ってこよう。
今井さんの、またまた男らしい(?)食生活事情がわかるお写真らしいので♪
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