| 2005年08月22日(月) |
いまさら『SHIROH』 |
と言ったところで、『今さらジロー』という曲名を知ってる人の方が少ないですわね。
昨日、劇団☆新感線が昨年上演したミュージカル『SHIROH』の映像版を観てきましたの。
この夏はライブがないのだから、せめて映画くらいいっぱい観ましょ、と思ったものの、
いざとなるとそうそう観たいものがあるわけでもなく。
結局、『鋼の錬金術師 〜シャンバラを征く者〜』『フライ,ダディ,フライ』
『姑獲鳥の夏』『SHIROH』の4本でした。
私にしては、すごく頑張りましたよ。
映画は3ヶ月に1本でも観ればいいとこなのに。
ライブ1回6000円。
ミュージカル1回12000円。
それを考えると、映画はこれだけ見ても計5000円ですからね。
(『SHIROH』のみ前売り2000円。あとはレディースディで1000円)
でも「生」を観るというのはそれだけの価値があると思うので
1万円越しても決して高いとは思いませんが。
(うちに経済的な余裕があるという意味ではない)
で、『SHIROH』です。
去年の12月と今年の1月、帝劇で上演されたミュージカルでした。
劇団☆新感線が本格的なミュージカルを初めて手がけた、というふれ込みつきの作品。
大好きな新感線の舞台ですから、観るつもりでおりました。
でも、どーしても観たい、というわけでもなかったのです。
だって、ミュージカルというジャンルがあまり好きではないし
(『SHOCK』は光一さんが出てなかったら興味が無い)
しかも『SHOCK』を控えて経済的にも厳しかったし。
(結局、経済的に逼迫するほどの席でも回数でも観られなかったけど)
なので「やめとこ」と、あきらめてしまったのですが。
でも新感線はこのところ、ゲキ×シネと称して、
舞台をそのまま映像化して映画館で観られる機会を作ってくれていまして。
これまでに『髑髏城の七人〜アカドクロ』『髑髏城の七人〜アオドクロ』でそれを試み、
『SHIROH』がその第三弾として、渋谷シネクイントで9月9日まで上映されているのです。
正直、「生じゃないし」「ミュージカルだし」と、それほど期待してはいなかったのですが、
申し訳ございませんでしたーーーっっ!!!
最高でした。
泣きました。
演出のいのうえひでのり氏は
「荒削りでまだ発展途中のミュージカル」とおっしゃっていますが
自分がもし、初めて観たミュージカルがこの『SHIROH』だったら、
間違いなく「好きなジャンルはミュージカル」と言っていたと思います。
っつーか、ミュージカルってこんなに面白くできるのね!? と、
目からウロコと申しますか。
「神の声と言われるほどの歌声を持つ男」役の中川晃教氏(この方もアッキーとよばれているらしい)
の歌声が本当にすばらしかったのはもちろんなのですが、
それより何より、やはり脚本&演出の力を思い知るのでした。
中島かずき氏&いのうえひでのり氏は、なんでいつもこんな面白い話にできるのだろう。
今回は「島原の乱」という史実が一応ベースにはなっていたので、
ふたりのSHIROHの悲劇的な結末というのだけは予想できたものの、
でも、その史実からそんな話に創り上げるのか・・と、
ただただ敬服するばかり。
いろいろな妄想をして楽しむことに慣れてはおりますが、
プロは妄想のレベルが違う。 >って失礼な。
でも、壮大で荒唐無稽だけど説得力のある妄想、ということだものね、物語って。
いつも同じ感想で申し訳ないですが、
女はことごとく美しく強く潔く、男よりオトコマエで、
男は単純で優しくて脆いのに、強がって頑張って、
男も女も、大切なものを心から守りたいと願っているだけなのに、
望んだ方向とは違う方向にどんどん進んでいってしまうのが本当にせつない。
男と女って、なんて素敵。
人間ってなんてアホだけどなんて愛おしい、と思わずにいられませんの。
私は新感線の主役を張った役者さんには惚れてしまう習性があるのですが、
今回もその例に漏れず、上川隆也氏(島原の四郎)と中川晃教氏(天草のシロー)という、
ふたりのSHIROHにどっぷり魂を持っていかれてしまいました。
秋には『吉原御免状』で堤真一氏に惚れるのがほぼ確定です。
堤真一氏に関しては、『フライ,ダディ,フライ』の鈴木というおっさん役ですでに惚れてますけどね。
『姑獲鳥の夏』の京極堂役には大してそそられませんでしたが、
あのつんつるてんのジャージ姿で、岡田君演じるスンシンにシゴかれる鈴木さんは、
むちゃくちゃ情けなくてカッコ悪いはずなのに、やたら素敵でした。
『SHIROH』は本編3時間15分、演じている方はもちろんでしょうが、
観ているこちらまで燃え尽きたと感じるほどの、素晴らしい作品です。
これから大阪などでも上映されるそうなので、興味のある方は是非。
で、激しく動き演じながら、こん身の歌声を響かせ続けるこちらの小柄なアッキー
を観ながらやっぱり思ったことは、
あの演技力とあの歌声で、この役を剛さんが演じてくれたら、どれほど素敵だったろうと。
そんなことになったら、明らかに私は身を持ち崩していただろうと。 >ってダメじゃん
そう思うと同時に、「でもやらないな」と思える理由を瞬時に数えあげてみたり。
ここらへんが、いつもながら哀しい習性ですな。
願えば、夢はかなう、のか?
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