たいむらいとのひとりごと
旧・ひいきのつぶやきへ

2005年06月28日(火) 動物達のように、人に優しく。

歌舞伎に「葛の葉」という狂言があります。
(「芦屋道満大内鑑」の四段目)
安倍保名(やすな)という人が、許婚の葛の葉と夫婦となって子まで成し(この子が安倍清明だそうで)暮らしているが、その葛の葉は実は保名が命を助けた信太の森の白狐の化身でした。ある日本当の葛の葉姫が尋ねてきたので、狐は正体を明かして自ら去っていきます。歌舞伎でもこの訪ねてきた葛の葉姫と、世話女房風の葛の葉を早替りで演じるのと、狐が正体を現してからいろいろな不思議な力を発揮して、坊を抱えたまま筆を口に加えて障子に別れの歌を書いたりするケレンが見所です。
ゲネで繁保さんの家を訪ねて赤姫とその母親が登場し、與吉の母親であるお滝との早替りとわかったとき、これは「葛の葉」そのものだと思いました。
信太狐は自分が命を助けられた恩返しのために、クロは滝姫とはぐれて落ち込んでいる繁保さんを慰めるために、それぞれの想い人に化身して沿い続けてきた。動物って人間の悲しみや寂しさがわかって、一所懸命に慰めようとしてくれるんだなあ。人間の子供なんて自分のことだけしか考えてないのに(笑)(いや、これは自分も子供の頃そうだったし、今ホントに実感してます)
できることならば私自身も、この動物達のように人を想う気持ちを大切にしたいですね。公演から1週間たった今、なんだかそんなことを考えてます。

ゲネをみた時、ちょっと展開がゆっくりと言いますか、スジがわかりやすいのはいいんだけど、やや散漫な感じを受けました。濃密さが足りないというか・・・加納さんの脚本でないためかしら・・・などとも考えてみましたが、よくわかりません。でもわかりやすいのはいいことだと思います。
そしてやはり噛めば噛むほど味がでるところは、悔しいですね。何度も観た人が羨ましい。そう感じるのはいつものことですが、精神世界も、笑いも、役者さんたちがどんどん深めていくところが花組芝居の素晴らしさだと思います。何日間やっていても判で押したように変化の無いお芝居なら映画の方がいいかもしれない。極論ですが。

あのあとお家や化け猫たちはどうなったんでしょうねえ?
希望的未来予想図(笑)としては、安穏に暮らしたかった繁保さんだが姫のたっての願いで太守となり、薄々ながら猫への恩を感じている温厚な殿の影響で下々も猫を大切にするようになり、人と猫たち、よきパートナーとして仲良く過ごし、平和な藩になりました、とさ。
って感じでどうでしょう?ダメ?・・・・ですよね。(^^;


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