遅くなりましたが、観に行かれなかった方のための「忠臣蔵2004」レポです。 年末年始を通り越して記憶が曖昧になっている点は、ご覧になった方などの補足とかお叱りとかをお待ちしてます。
開場のグランシップは隣接する広大な芝生の広場と大きな建物の外観がマッチして清清しいステキな施設でした。中には大ホール・海のほか中ホール、小ホール、会議室やレストラン(かなり美味しいとの噂)など近代的で使いやすそうでした。
大ホール・海に入るとまずその天井の高さに圧倒されます。おそらく10階建てのビルがスッポリと入るでしょう。上を見上げるとたくさんの照明機材が怖いくらいに配置されてます(^^;。舞台は平場で三方を取り囲むように客席があり、左右のバルコニーは各階に100人以上は着席できそうなのが5階か6階まであります。正面は1列50席以上ありそうで4階か5階まであったと思います。客席の配置にもよるけれど2000人入れるというのもうなずけます。 舞台奥の突き当たりは4枚のものすごく背の高い扉になっていて、その扉の外はあの広々とした芝生の広場になっています。 平場の最前列に陣取って、舞台(同じ高さですが)を見渡すと、工事現場の足場のようなもので組んだ2階建てのステージが5つ。開演前はどれも客席に背を向ける形で置いてありますが、車輪で移動できるようになっていて、場面によりいろいろな配置に変化します。(出演者が移動させます。) ステージの1階部分には打楽器などが並べてあって、2階部分は演技の場です。
お芝居は大雑把に言うと、のんびりとした日常を送っていた赤穂藩士に、江戸での出来事(殿の刃傷・切腹、御家取り潰し、吉良にはお咎めなし)が伝えられ、始めは事態がよくわからず呑気な藩士たちですが、次第に事の重大さに気づき、最後には仇討ちを目指そうと話がまとまる、その話し合いの過程が描かれています。 はじめは、5人一組、七組ほどの藩士のグループがあり、5つの足場の上に一組ずつ、平場に二組配置しています。七組はそれぞれ違う動きをしますが、一組に一人プロの役者さんが入っていてセリフはほとんどプロの役者さんが言います(ク・ナウカで言うところのスピーカーでしょうか)。 わかりにくいと思いますが、つまり山下さんの役「侍A(鈴木さん)」が全部で7人いるわけです。鈴木さんのセリフをしゃべるのは山下さんですが同時に他の6人も各組の中でそのセリフにあわせて動いています。 話し合いは、よく時代劇や歌舞伎でみるような、忠臣蔵の評定の場とは随分異なり、口調も話しの進み方も現代のサラリーマンの会話のようです。 話し合いの合間に、何回か群舞が挿入されます。この群舞の振り付けが前回の躍動感ある振り付けと違い、少し力の抜けたような不規則な動きが多く、なんとなく進行する話し合いの雰囲気とマッチしています。切腹を思わせるような動作を延々と繰り返す振りや、魂の抜けた体がチョンチョンと飛び跳ねるような振りがあって、無情感を漂わせていました。 大石は、策士なのか何も考えていないのかわからないような大石で、自分の意見を決して言いません。皆の言葉を集約して「義務的でなく自由参加型の仇討ちを目指す」という結論に達します。口調も「でもさー、○○さんは〜なんだよねえ。」といった風で無責任な感じを醸し出しつつ、やはり皆大石の考えていた方向へ導かれちゃったのかなあ、という気もしないでもなく・・・謎の人物です。 前回公演では、大石役は加納さんでした。(たしか演出家の指定で)金髪に変身したポップな外見が、上に書いたような得体の知れない大石とマッチして、より不思議なイメージを作り出していました。 今回の大石役SPACの蔦森さんは、外見上はこれまでの重厚な大石を思わせるのに、口を開くと上のような人物であり、そのギャップが面白くてつい引き込まれます。 途中から七組編成ではなくなり、プロの役者たちが中央に集まって話し合う形になります。残りの人たちは、自分が賛成できる人の後ろに集まっています。誰かの意見が優勢になるとその人の後ろにつき、やっぱりあっちの意見がいいとなるとまた別の人の後ろにつき、というように移動を繰り返します。ある人の後ろにはたくさん賛同者がいたのに、気がつくと誰もいなくなってたりして、日本人の一貫性の無さ、意志の弱さのようなものがよくわかります。 藩士たちは、自分と家族の行く末を重視する者、武士道を重視する者、とバラバラです。皆どこかで、自分の身がかわいく、でも藩や殿への忠誠もあるにはあるんだけど・・・というような曖昧な気持ちで右往左往する様が可笑しくもあり、哀れでもあり、「日本人ってこうかもね〜」と共感します。 話し合いの合間に挿入される群舞は上に書いたように無気力感の漂うランダムな振りなのですが、最後、話し合いが纏まってから全員が退場する時にはほとんど全員が四角い隊列を組み、片手をあげて(何かに操られるような雰囲気で?)固まって退場します。その隊列の周りで7人ほどのダンサーがそれまでとは対照的な、激情的な振り付けで、隊列を捕らえ導くかのように去っていきます。その激しい振りをするダンサーの一人に山下さんも入っていて、凄かったです。弁慶の六方のようでもあり、なまはげのような鬼を思わせる様でもあり・・・言葉ではうまく言い表せませんが・・・。 北沢さんは、武士道を貫くために城を明け渡さず篭城して戦おうと言う意見の、割と熱血漢(?)な藩士でした。でもあやふやな武士道のために、ちょっと突っ込まれるとしどろもどろになったりして。それと、これも途中で挿入される松の廊下の場面では浅野の役を演じていました。こういう虐められ役はとっても板についていて、実際には短髪に薄いお髭という姿なのに、烏帽子からこぼれる後れ毛が細かく震えているのが見えてくるような色気がありました。 山下さんの藩士は、早く次の仕官の口を捜して家族を養わなきゃ、という感じの人でした。長髪を後ろで一つに結い、鉢巻にお髭、よくお似合いの袴姿は、無責任な藩士の感じとは程遠い武骨な野武士のイメージでした。そのお姿はギャラリーをごらんください。かっこいかった。(笑)
と、まあ、このような感じでした。無駄に長く、わかりにくい部分はお許しください。
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