Emiの日記
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映画「グラン トリノ」→→→2009年05月14日(木)
映画「グラン トリノ」
京成ローザにて。


イーストウッド監督・主演。
孤独で頑固な老人と、その隣に住むモン族たちとの物語。

妻を亡くし、孤独になった老人ウォルト。
実の息子二人、さらには孫達は、古い考え方で意固地なところが多分にある彼を疎み、その関係には埋められない溝ができてしまっている。
しかしその老人のかたくなな心を、隣家のモン族たちがしだいに開かせていく。
少年タオとは祖父と孫のようでもあり、男同士としてでもあるような、ほんのり暖かい感じの友情を築く。
タオの姉スーは、すっとひとの心にはいっていくしなやかさと賢さをもっており、ウォルトもそれを受け入れ、いい関係を築く。
だが、隣家にたびたび悪さをするモン族のギャングたちの行動は次第にエスカレート。
老人と隣家の幸せな時間は、彼らによって壊されてしまい――。



クリント・イーストウッドの何ともいえない演技・演出に涙です。
余命いくばくもないことを知っていて、命がけで友人タオのためにギャングたちを刑務所送りにした彼の死に様は、格好いいといってしまっていいのかどうか。朝鮮戦争で人を殺した記憶にさいなまれ続けた彼が、最後に武器を持たずに友人の敵と戦うことを選ぶところまで、老人はどれだけのことを独りで考えたのだろうか。
愛車グラン・トリノをタオに譲る遺言を残したのだから、本当にタオのことを愛していたのはいうまでもないんだけど、逆に、血のつながった家族には何一つ残さなかった(病状さえも打ち明けずに死んだしね)その孤独が一言では語れないよね。
モン族と一緒に食事をしてはしゃぐ顔、タオやスーにからむギャングたちをにらみつける顔、床屋のイタリア男と軽口をたたき合う顔、グラントリノをいとおしそうに手入れする顔……すべての表情が印象的。

老人との友情をごく自然に演じていた新人俳優たちもみんな輝いてました。
監督、すごいなあ。



このなんともいえない空気は、イーストウッド特有だよね。

2007年05月14日(月) 映画「ゲゲゲの鬼太郎」
2005年05月14日(土) 執筆チュウにジャンル違いの本を読む
2003年05月14日(水) 人生の敵


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