Emiの日記
old day    days list    new day

約束の感想です→→→2005年05月08日(日)
先日高校時代の友人と会った際に購入した本の感想。
BLなので、同性愛に関する表現が山のようにあります。
以下読みたくない人は読まぬように。
あと、この本を読みたくてワクワクしてる人も読んじゃだめよ。
ネタバレしまくってます。

『凍えるまなざし』(オヴィスノベル/姫野百合・著)
まず、ざっとあらすじ。
フランチレストランで働く幸弘。
ある日、レストランのオーナーがかわることになった。あらわれたのは、車いすの男、支倉一英。
幸弘は、支倉の冷たい眼差しに凍り付く。なぜなら、支倉は、幸弘の父が昔交通事故を起こした被害者だったからだ。
復讐しにやってきたのだと思いこんだ幸弘は、なんでもするからレストランをつぶさないでくれ、と支倉に願い、支倉は幸弘を冷たく乱暴に扱うのだった………………で、最後はハッピーエンドなのよ。


はっきりいって、物語の八割は暗いです。切ないとか泣きそうとかぐっとくるというのは無く、暗くて辛くて痛い。
つまり、早い話が私の好みではなかったわけよ。
支倉は「どう接していいかわからなくなった」だの「ずっと前から好きだった」だの言うわ、幸弘は「いとおしい……」とか思うわ、あっそうですかって感じ。いや、そういうコンビがキライってわけじゃないんだけどさあ、幸弘の気持ちの変化もようわからんしさあ、支倉なんて最後の最後でどばーっと「好きだ」コール始めるもんだから、こっちとしては冷めるのよ。
車いすなのに頑張ってる支倉の姿にウットリ、そしてラヴみたいな流れも、なんかもうちょっと巧くできないのかなあって気がするのです。じゃあ、おまえが書いてみろとか言われたら、ムリですけど。
あとねー、ラストでようやく幸せになったところで、これいっちゃあイカンよ、みたいな一文が。
支倉さんの「上に乗れ」というセリフのあとに、
「支倉は足が悪い。おのずとやり方は限られる」
げ、ミもフタもなくね? さんざん読んできて、こっちは支倉が車いすなのをよーく知ってます。さめるよー。
そのちょっと前にある、支倉が先にベッドに寝て、「ぽんぽんと太股を叩いた」(これも、上に乗れっつー意味である)っていう表現の方が好きだ。

現実の人間関係でも、「こいつムリ〜あいません〜」ってのがあるように、小説の中のキャラでも「こいつムリ」ってのはあるでしょう。
今回のお二人は、ともに「ムリ」でございました。
だから、この作品が好きな人も居ると思うよ。あくまでワタクシ個人といたしましては、☆一つ。


2003年05月08日(木) 夏スーツ


mail    home    bbs

Design by shie*DeliEro
thanks for Photo→Cinnamon