まみいの日記
DiaryINDEX|past|will
父が声にならない声を必死に出そうとして 私に何か訴えてる。 私は 読み取ろうと懸命に父の口元を見る。 あきらめかけては また 思い直したように私を目で呼んで口を開く。 何度か 繰り返したところで 「ひきだし?」 父は疲れた顔でうなづく。
母は遅い昼食を弟ととりに行って 今は二人だけの空間だ。 「引き出しに入ってる何かを 取って来いというの?」 コクンとうなづく。 「なあに?」 父の口は お あ え と動いたようだ。 おあえ おあえ もしかして・・・・ 「お金?」 満足そうにためいきをつくと 父は人差し指を口にあてた。 「ん?? 内緒なの? なに へそくり??」
その日 母を家に送ったついでに2階に上がった私は 首尾よく「福沢諭吉」さまを 何枚か手にした。 口止め料としてお一人くらいは私の元においでになるだろうか?
まみい
|