りえるの日記

2008年07月26日(土) 時代と寝る

暑い夏は、涼しい部屋での読書が好きだ。
仕事の合間、電車の待ち時間、日常生活から自分を
遠ざけるために、読みふける。

仕事帰りに、本屋に行き、三島「小説家の休暇」を手にとる。
最初にページの日記はうだるような夏にふさわしい記述だ

「夏という観念は、二つの相反した観念へ私をみちびく。
ひとつは生であり、活力であり、、健康であり、ひとつは
退廃ではり、腐敗であり、死である。

1945年から47,8年にかけて、いつも夏がつづいていたような
錯覚がある。

あの時代には、骨の髄まで因習のしみこんだ男にも、お先真っ暗な
解放感がつきまとていた筈だ。あれは実に官能的な時代だった。
倦怠の影もなく、明日は不確定であり、およそ官能がときずまされる
条件がそなわっていたあの時代。

私はあのころ、実生活の上では何ひとつ出来なかったけれども、
心のうちには、悪徳への共感と期待がうずまき、何もしないで
いながら、あの時代とまさに「一緒に寝て」いた。」


時代とともに寝る官能。

結婚という、確立された輝かしい未来に官能はない
先が予想できない関係のガラス細工のような深淵に
人間は、導かれていくのだろう

永遠を否定する女でありたい


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