りえるの日記

2007年03月28日(水) 白痴

フランス旅行の電車の時間はフランス鉄道SNFをサイトで
簡単に調べることが出来る。とても便利。

「不滅」の中の「白痴」の記述が興味深い。

以下、引用。


苦しみは、自己中心主義の最高の教育機関である。
「あなたは僕に対し深い軽蔑の念を抱いておられるのではありませんか」
と、イッポリートはムイシュキン公爵に尋ねる。
「なぜですか。あなたは苦しんでこられたし、いまも僕達よりも苦しんで
おられるからでしょうか」
「いや、僕は僕の苦しみに値しないからです」
 僕は僕の苦しみに値しない。立派な言い方だ。
苦しみは自我の根拠であり、
自我の唯一の疑うべからざる存在論的証拠であるばかりなく、
あらゆる感情のなかで、もっとも尊重に値するものでもある。
価値のなかの価値だ。だからこそムイシュキンは、苦しみ女性はすべて
素晴らしいと思っているのだ。ナスターシャ・フィリッポヴナの写真を
はじめて見た時、
「この女性はたいへん苦しんだにちがいない」と彼は言った。
この言葉は、われわれがもう自ら彼女に会うまでもなく、
ナスターシャ・フィリッポヴナが、
他の誰よりも上に位置していることを一気に明らかにするのである。
 
「あなたはすいぶん苦しんでこられたのですね」とある女性に言うのは、
さながら彼女の魂に直接に語りかけ、その魂を愛撫し刺激するようなもの
なのだから。どんな女性でも、そういう場合、われわれにこんなふうに言わんばかりになっているのである。
「あなたはあたしの身体こそまだ所有してないけど、
あたしの魂はもうあなたのものですわ!」
ムイシュキンの視線のもとで、その魂は絶えず成長しつづけ、
六階建ての家の高さほどもある巨大なマッシュルームの如きのもの。
これぞ私が魂の異常発達と称するものである。


今日の私の気になる言葉。

「魂を愛撫し、刺激する」


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