そよ風


2005年07月26日(火) 女が歳をごまかす時

もともと、年齢をごまかそうという気持ちなどサラサラありません。
いまさら、ごまかしようもないのが現実なのですが、何年か前に
パート募集の面接を受けるに当たって、私は年齢制限スレスレでした。

「応募者が多い時は、やっぱり年寄りからハネられるのかなー」
「私の知ってる人、七歳も歳をごまかして、そのままずっと働いてるよ。」
「パートだから、少しくらい若く言ってもええんとちがう?」

友人達のいろいろと親切で有益な(?)アドバイスに基づき
私は初めて履歴書にウソの年齢を記入しました。
といっても、ごまかしたのは、わずか二歳。
今から思えば、十代、二十代ならイザ知らず、五十代の人が二歳ごまかして
いったい、どういう意味があるのでしょう???

でも、職場で二歳若返った私は、けっこう張り切りました。
会話の中でうっかりバレないように、生年月日、干支、に至るまで
新年齢に合わせて、スラスラ言えるように訓練しました。
突然尋ねられて、一瞬でも答えに詰まったりすると怪しまれる故。
(幸か不幸か、私の歳に興味を持つ人なんて誰もいませんでしたが)

でも、わずか二歳といえども、自分を若く偽っていると思うと
ついつい無理をして、必要以上に頑張ってしまいます。
単純なところで、妙にムキになってしまう変なオバサンでした。
たとえば、高い所から無理して飛び降りたり(脚力に自信あるのよ)
重い物を平気な顔で持ったり(まだまだ腕力も負けないワ)という具合です。
その行動こそが、若くないという証拠だったのですが。
誰ひとり、私の年齢など気にする人のいない職場の中で、
ひとり「年齢詐欺をしたのだから、少しでも若く見られなければ」と、
必死に汗を流して、あがいていた私でした。

専業主婦になって約一年と八ヶ月、
先日、「またパートに出よう!」と、突然思い立ちました。
今の私には、有り余る時間は苦痛です。
新聞の求人チラシを探し、電話で面接を予約し、採用が決まりました。
パタパタとアッという間でした。

今回の履歴書、モチロン正真正銘の真実の年齢です。
歳をごまかそうなんて元気、もう何処にもありませんから。


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