Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2008年08月09日(土)  Summer Sonic 2008

13時半に海浜幕張駅でジンナイくんと待合せ。の、筈が。
京急の鈍行に乗っちゃてたらしくて、30分遅刻。毎度申し訳ない。

さて。サマソニである。ジンナイくんは初めてとのこと。私は2003年に次いで二度目。前回はジョンスペキルズを観に行った。今回はキルズのみが目当て。
2003年はキャミソールとハイヒールで出かけた。今回も、胸が深くV字にあいた薄いノースリーヴの中に、正面のジッパーを半分下ろしたゆるいチューブブラを見せ、お尻の破れたローライズジーンズ、ハイヒールのグラディエーターブーツ。いくら真夏の野外イベントでも、チケットを買ったらついてきたサマソニTシャツ、スニーカー、首にはタオルという格好はゴメンだ。
しっかしだだっ広いし、人が多いし。駅から会場に移動してリストバンドもらって、トイレ行って(並んだので30分近くかかった)、お酒を買って、だらだら歩いて目当ての会場にたどり着いた頃には小一時間たってる始末。
2003年のサマソニではこういう面倒を感じた記憶がないな?と思ったら。あの時は行きの電車からMM(g)におごってもらったビールを飲み(当時まだかろうじて炭酸が飲めた)、着いたらいきなりMMがくれたケミカルをジンで飲み、おかげで一日ずーーっと気持ちよくラリっていたのだ。なのでそれまで野外イベントを嫌っていた私が「サマソニって楽しいねー!」などと言っていたのだが。要するに酒とクスリのなせるわざか。しかもキルズにジョンスペだしね。
今回シラフで周りを見て思ったのは、どうも音楽好きというよりイベント好きが多いということ。ここまで来てひたすらゲームコーナーで遊んでいたり、トリのバンドの時間になってもフードコーナーに並んでいたり。
あと今回やたらと大デブが目についた。驚いたことに大抵一人で来ている。単純に友だちがいないということなのか。

ソニック・ステージ。暗い室内。キルズは2003年もここでやった。
キルズの前のケイジャン・ダンス・パーティーというバンドの演奏が始まってすぐ中に入る。全員17歳という若さらしく、なのにこじんまりとしてつまらない。すいすいと人の間をぬって、前のバンドの終了時には前から5番目に到達。
私のすぐ前に外人3人組がいてやたらやかましく喋っている。一人がずっと"U R A fever, U R A fever"と3rdの曲を歌っている。・・・私はもう、あの3rdはiTunesからも消しちゃったわ。
ところがなかなかキルズが出てこない。開演予定時間を30分過ぎた頃、主催者側の人間と思われる男性が出てきてこう言った。「演奏を予定していたキラーズですが・・・」・・・この瞬間に私を含めて「何だそれ!」という抗議の声が上がる。謝罪に出てきといて、バンド名もわかってないわけか? そして結局、機材トラブルがあったから演奏しないんだと言う。唖然。
どうやら日本語を全て理解している様子の外人3人組が騒ぎ出す。"FUCK!!"の大連発。そのうちVVが通訳に伴われてステージに出てきた。何だか薄ら笑いを浮かべ、そわそわとして心ここにあらずといった風情。「悪いお知らせがあるんだけど」と言った瞬間にまた外人が"FUUUUUCK!!!"と叫ぶ。その外人らの声が一切耳に入っていないかのように無反応のVVは、かかとを軸にしてくるりと向きを変え、困ったように笑う。「ドラムマシンのデータが全部消えちゃったの・・・私たちがやったんじゃないと思うんだけど」
・・・・・呆れて声が出ないでいる私のぶんまで外人が騒ぐ。VVが「演奏するのを楽しみにして、遠くから来たんだけど」と言った瞬間、外人の一人が「俺らもだーーーー!!!!」と絶叫。この時はすかっとした。よく言った、外人。
私がたった一言叫びたかったのは、"Where is the other guy?!"だ。コレを言えば一番VVにはこたえた筈だ。だってどうして一人で出てくるんだ? ホテルはどこよ? いつもならステージでの喋り担当はホテルの筈だ。VVは私がかつて観たキルズのライヴ3回(2002年ロンドン、2003年サマソニ、2004年渋谷AX)、及び何本か見たライヴ映像でもただの一言も喋っていない。・・・何だか知らないけど何かあったんだ。ホテルはおそらく楽屋にもいないんじゃないか。大体データのバックアップがないなんて信じられるか。
それより何より、ドラムマシンが壊れたから演奏しないなんていうバンドがあるもんか。キルズには元々アコースティック曲もあるし、そうでなくても私が普段やっているように、キルズの曲なんてどれでもアコギ1本でやれる。そうすれば、客としては逆に珍しいものが見られて喜ぶ筈だ。かつてハノイ・ロックスのシークレット・ライヴにマイケル・モンローが来なかった時、代わりにアンディ・マッコイが全部歌ったが、口の端から涎を垂らすまでにイッちゃってるアンディを見て、こりゃ逆にいいもん見たなと思ったものだ。
演奏しないのはホテルがいないからだとしか思えない。それでもVVが(ギターも弾けるんだから)一人で歌うことは出来る。しかし、普段のVVのホテルへの完全な依存っぷりを思えば、それは無理なんだろう。
外人たちが「帰ろうぜ、馬鹿馬鹿しい」と言い捨てて去る。先ほどの男性スタッフは、客の抗議も全く気づいていなかったのかさらに「キラーズ」がどうたらこうたらと繰り返している。・・・誰かあいつをクビにしろ。
しかし。何より頭に来たのは、VVの謝罪とも思えない謝罪が終わった瞬間、会場から弱い拍手が起こったことだ。・・・怒らないとか許すとかならともかく、なんで拍手なのよ! 外タレを甘やかすのもいい加減にしろ。これだから日本はいつまでも欧米にナメられ放題なんだ。ちょっとは考えろ。
私が怒っていたら、ジンナイくんが「請け負った仕事のデータ全部消えちゃいましたー、って言ったらほめられたみたいだね」と言う。本当ね。

怒りつつシャトルバスで屋外のマリン・ステージへ。まだ時間があるし、今の騒動でハラが減ったので、ジンナイくんにチキンとチョリソーを添えたジャンバラヤを買ってもらい、そこらの地面に座って食べる。度数の弱い酒を飲んで、二人共通の煙草であるラッキー・ストライクを吸う。ふと見れば目の先に喫煙所が。「ということはここらは禁煙なんじゃないかなー」などと言いつつ、二人ともかまわず吸う。
食後にアイスも買ってもらい、ようやくスタジアムの中へ。
ところでひとつ面白いことが。会場に入るたびにバッグのチェックがあって、一人一人止められているのだが。何故か私だけ、リュックを左肩にしょって堂々と素通りしているのに誰も止めないのだ。こっちがしっかり係員の目を見ながら通っても、「あ、どうぞー」って感じ。・・・何でだ?(世の中は気合?w)

ヴァーヴも見ようと思えば相当近くで見られたが。ふと思い直してスタンドへ。一番前の席に座れたので、ジンナイくんと二人、前の椅子(使用していない)に足を乗せてくつろぐ。ほどなく演奏が始まる。いい意味でおおまかでだるい。でかい音が野外に拡散していくのがよく似合っている。まったく派手でなく、だがしっかりと客を引きつける説得力のある演奏、というかシンガー。・・・へえ、かっこいい。リチャード・アシュクロフトって、いいボーカリストなんだな。(歌っている時の動きはメチャクチャ変だけどw) アコースティックの曲になると途端にピッチが不安定になったりもするが、とにかく声がいい。一度アコギのバラードの最中にいきなり、「こんな曲やらねえ」と言って止め、別の曲をやろうとメンバーに言って、しかし結局また元の曲を歌うという場面があって、これにはちょっと目が点になったが。
しかしちょうど暮れかかる一番いい時間帯で、雰囲気がよく、気持ちいい。そこでしみじみと気分よく思う。このバンドって、やっぱり曲づくりはたいしたことないんだな。でもこうやってライヴを聴くとかなりたいしたバンド――というかやはりひたすらアシュクロフトか。
その「曲づくり」に関してしっかり確信したのが、'Bittersweet Symphony"をやった時。会場も大揺れだが、私もじーーーんとなる。ああ何ていい曲だろう。以前この曲のことを日記に取り上げた時には、「ストーンズの'Last Time'と'Bittersweet Symphony'は別物だ」と書いた。それは確かにそうだが、こうやってライヴでこの曲だけ完成度が格段に違うのをまざまざと見せられると、あのオーケストラのサンプリングがいかに大きな役割を果たしているかがわかる。
・・・まあしかしとにかくいいものをつくれるというのは素晴らしい。と思いつつ、'Bittersweet Symphony'(ラスト曲ではなかった)が終わると同時に立ったりして。(でもかなり満足しました)

で。もののついでにセックス・ピストルズ。来る前は全く観る気がなかったが、そこにいるんだと思うとにわかに興味がわいた。
ぎっしりの人をぬってかなり前まで行く。ジョン・ライドンの表情まで見えるいい位置。最近のジョンはすっかり本国でもお笑いタレント的位置づけのようだが。その太ったおじさんが何を見せてくれるのかと思いきや、いやもうこれが。まさしく太った親父のエンターテインメントショーで。メンバー紹介もリズムに乗せて「グレン!グレン!グレン!グレン! ポール!(×4) スティーヴ!(×4) ウィアーセックスピストーールズ!!!」てな感じで。肩をすくめて歩き回ったり両手をぱあっと頭上に開いたりするのは、自分の現在の体型を最大限にアピール出来ることをわかっての動きだ。マイクを腋にごしごしこすりつけて見せたりもする。適度な間と緩急をつけたMCはまったく手馴れた感じで見事。いやあこれ、楽しいわ。演奏そのものもベテランの「エンターテイナー」の堂々とした風格。
・・・まさかピストルズを観てこんな感想を持つとはねえ。
周りの20代中心の客は大喜び。(いや、これを喜ぶのは正しいんだけど) 時々気合の入ったパンクスが暴れたりしている。「セックス・ピストルズだ」という概念だけであれにパンク魂をかきたてられるとは、ワカモノって真面目だなあ。
ロックは死んでねえしパンクも然りだけど。「ジョニー・ロットン」はすっかりとっくに死んじゃって、今はあそこに新生「ジョン・ライドン」がいる。別にそれを非難する気はない。あれはあれで立派だ。
ただ、ノスタルジックに思い出す。がりがりに痩せて、自分でも何がしたいのかよくわからず、しかしひたすら真剣に、大人や観客や全てに対して挑戦的だった「腐った」ジョニーを。

ポール・ウェラーを観に移動する。(途中間違って隣の会場に入りホット・チップというバンドを一瞬観るが、エレクトロ・ポップとかいう恐るべきシロモノで慌てて退散)
しかし。ポール・ウェラーがものすごくつまらない。雰囲気だけで内容がなくみえる。やたらきんきんとした音のキーボードが邪魔。どうやら私たちは一番ダレてたところに到着したらしくて、しばらくしたらバンドが活気づいていくらかマシになったが。でもやはり退屈。見渡しても、客の入りといい反応といい、これで大トリがつとまっているのか?という感じ。

ポール・ウェラーを途中で抜け、サマソニ会場を後にする。
2003年と同じく、帰りは足が痛くて痛くて。ジョンスペ最前で踊りまくった前回に比べりゃ全然マシだけど。でももし次回行くとしても、やっぱりスニーカーは履かないよ。



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