Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2008年05月12日(月)  みんな毎日同じこと話す 同じ服着て、同じテレビ見て

ここんとこずっとスマッシング・パンプキンズの'Adore'にはまっている私だが。思えば昨年7月に出た新譜(ですらないか既に)をまるっきり聴いていない。持ってるのに。
加えて、9月に出たフー・ファイターズ、今年3月に出たキルズブラック・クロウズ、4月に出たR.E.M.、全部ほとんど聴いていない。
それどころか、ストロークスの一番新しいアルバムさえ聴いていない。・・・2006年1月発売ですけど。持ってますけど。
何故かって? 別に何故でもない。実は私は元々こんな人間なのだ。

好きなバンドでも、新譜が出るたびにすぐ買って聴くという発想がそもそもない。新譜どころか、過去のアルバムだって聴いていないのもあるんだし、と思う。バンドが新譜を出すやその宣伝ツアーをするやり方も好きではない。
まして新譜がいちいち良いとも限らない。例え良かったとしても、それを私が今聴きたいかはまた別の話だ。本も音楽も、本気で取り組むにはそれなりの体調と体力を要するのであって、良いタイミングで向き合ってこそ最大の理解と感動が得られる筈だ。
ベストワンミュージシャンのレオン・ラッセルであっても、聴きたくない時は聴きたくない。

私の嫌いな言葉のひとつに、「僕らの世代は」というのがある。「いやあ僕らの世代はビートルズとか聴かないですよ」、「僕らの世代はメタルだから」、「僕らの世代だとそこは通ってきてないですね」、どれもむかむかする。何故同年代というだけで同じ体験をしないといけないんだ。何故群れでの行動を大前提にする。羊かおまえは。
他人と違えば偉いわけではないが。最も流通しているものを唯々諾々と受け取る義務もないだろう。私は同年代と同じテレビなんか見ていない。自分のリアルタイムにどんなバンドが流行っていたのかなんてよく知らない。
何の自慢にもならないが、カート・コバーンが死んでしまったと泣き声で電話してきた知人の女の子に「誰それ?」と言い放ったことがある私は、ニルヴァーナはしっかり「後追い」だ。別にそれを悔やむ気はない。然るべき時にしか出会いは来ない。

逆に言えば私はビートルズをリアルタイムで体感した気でいる。だって実際にビートルズはそこにあったんだ。私の家のステレオの上に。
私はよくこの日記で、母にビートルズを、K叔母にストーンズを、祖母にカーペンターズを教わったなどと書くが。実際はどれも、「これいいよ」と薦められたわけでもなんでもない。自分で彼女たちのレコード棚から見つけたのだ。
例えば小学生の頃、ある日D伯母の家に遊びに行った私は、一人二階のD伯母の部屋でレコード棚をあさり、一枚抜いてかけた。一曲目が、どこかで聴いたことがある気がした。とにかくすごく綺麗だった。もう一回聴いた。そしてもう一回聴いた。イーグルスってのがバンド名なのかな。'Hotel California'っていうタイトルはダサいな、などと思いつつ。何故か電気をつけずに薄暗くなった部屋で、何度も一人で聴いていた。
――――こういう体験を、たかが「同年代」と分け合う気はない。

結局、新譜が出るというだけで大騒ぎするのは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズだけだ。―――レッチリだけはちょっと平静じゃいられない。何が違うのか、説明すら出来ません。うん。

みんな毎日同じこと話す 同じ服着て、同じテレビ見て  *愛がなくちゃね / 矢野顕子 (1982) の歌詞。



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