Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2008年04月17日(木)  To me my life it don't make any sense

昨日今日と移動中はストロークスを聴いている。
この数日――勿論これは一時的なものだが――色んなロックに軽く食傷しているのだ。いわば胃が弱ってる状態なんだろ。ちなみに実際の胃も飲み過ぎのせいか弱っているようで、日曜にジンナイくんにもらった京都土産のマネケンワッフル7個を食いきるのに4日もかかった。(普段なら我慢して引き伸ばして2日だよなあ)
今はビートルズを聴きたくない。――いや、聴けばいつも通り即座に感動するけど。聴く気が起きない。レッチリも、ツェッペリンも駄目。つまり、感動や興奮の度合いの激しいものほど駄目ということ。
そしてストロークスは、こういう状態に非常にいい。

軽く具合が悪い。先週も今週も、電車に乗るとくらくらして座り込む。へたり込んでストロークスの1st、'Is This It'を聴く。
ああ、なんだこのギター。ど素人みたいな単調さ。ツインギターとも思えぬ音の薄さ。リズムギターが二人いるみたい。必ずエフェクターをかけたボーカルはどうかするとすぐにギターメロに寄り添い、まるでカラオケのガイドメロディに乗せているよう。
いるのかどうかすらわからないベース。ギターに合わせているようなドラム。
ストロークスの5人は、レッチリならチャド一人で倒せるくらい弱っちく、5人が寄り集まって単音を出している。
これが。もう何とも。素敵。
甘くてエレガントで、やる気がなくて、可愛らしい。4人の品のいい坊ちゃん達の演奏に、倦怠のボーカリストが乗っかる。金に困っているロック=例えばロンドンパンクは品がなく荒削りで真摯だが、金に困ることがなく人生に倦み疲れると、その先には実は一番恐ろしいもの、つまり「退屈」が待っている。
人種差別だの、貧困だの、そういうわかりやすい敵と戦う人間は、ある意味幸福だ。本当の不幸は、退屈してしまうことにある。
ストロークスのジュリアンは、その不幸の可能性を軽く――あくまで軽く表現して歌う。
こんな音楽は聴いたことがない。だから、初めて'Is This It'の出だしを聴いた瞬間に「何これ?!」と口に出して驚いた。「かっこいい」って。

そして倦怠は、何より色っぽい。
ああ、こういう男の子と寝たいな。軟弱な首筋にキスしたい。

To me my life it don't make any sense (僕の人生はまるで意味をなさない)  *Barely Legal / Strokes (2001) の歌詞。



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